見出し画像

【交響詩】フランツ・リストのピアノ曲紹介

この記事ではリストの交響詩に関連するピアノ曲を紹介します。


前奏曲 - 交響詩 第3番 〔ピアノ独奏稿〕 S.511a

交響詩というものを創始したのはリストだが、そのリストの交響詩のなかで最も有名で、ヒトラーのお気に入りでもあった前奏曲のピアノ独奏稿。タイトルはカタカナでそのまま「レ・プレリュード」とすることもある。タイトルは「我らの人生が、最初の第一音が死により奏でられる知られざる賛歌への一連の前奏曲でないならば何なのであろうか?」というラマルティーヌの詩より。交響詩のピアノ独奏稿は出版の際、編曲者として弟子の名前が記載されていたためリストの作品表に含まれることは稀。しかしハワードは「この編曲の準備段階ではカール・クラウザーが書いたものだが最終段階では全てリストによるものとみて問題ない」と主張。1845年にクラウザーが取り掛かり、およそ1865年にリストが完成させた。


オルフェウス - 交響詩 第4番 S.511b

交響詩 第4番「オルフェウス」のピアノ独奏編曲。リストの弟子フリードリヒ・シュピロがその交響詩をピアノ独奏編曲し、リスト自身がその編曲を修正、改訂したもの。1879年完成と推測されている。
演奏はセルジオ・モンテイロ。


マゼッパ - 交響詩 第6番 S.511c

リストの交響詩「マゼッパ」を音楽家テオフィル・フォーシュハマーがピアノ独奏編曲し、リスト本人がその編曲を手直ししたもの。1870年代に作られた。このフォーシュハンマー版は未出版で、この自筆譜(リストによる訂正付き)はブダペストのリスト・リサーチセンターに所蔵されている。ちなみに交響詩マゼッパのピアノ独奏編曲は、他にルートヴィヒ・シュタルクによるものもある。マゼッパという題材は超絶技巧練習曲でも使用されている。


祭典の響き - 交響詩 第7番 S.511d

リストの交響詩 第7番「祭典の響き」のピアノトランスクリプション。1870年代に作られた。リストの弟子ルートヴィヒ・シュタルクがリスト本人の監督下で作成したトランスクリプションと、終結部付近のリスト自身によるトランスクリプションの自筆譜を参照し演奏したもの。


ハンガリー - 交響詩 第9番 S.511e

リストの交響詩第9番「ハンガリー」をフリードリヒ・シュピロがピアノ独奏編曲した。その編曲の出版譜にリスト本人が変更を加え生まれ変わったもの。およそ1872年に作られた。しかしこの稿は未出版に終わった。この稿のホログラムはワイマールに所蔵されている。この第9交響詩の基となった作品は「ハンガリー様式の英雄行進曲」だが、それだけでなく他のハンガリーに因んだ素材(民謡など)も使用している。


ゆりかごから墓場まで S.512

ミハーイ・ジチーの絵画に触発され書いた交響詩のピアノ独奏稿。1881年作。その絵画の元々のタイトルは「ゆりかごから棺まで」。第1部の素材を使用した独立したピアノ小品「ゆりかごの歌」という作品もある。
演奏はセルジオ・モンテイロ。

第1部 ゆりかご

第2部 生存闘争

第3部 墓場へ - 来世のゆりかご




【関連作品】

超絶技巧練習曲 第4番 マゼッパ S.139/4

ヴィクトル・ユーゴーの詩「マゼッパ」による。
演奏はセルジオ・フィオレンティーノ。


ハンガリー様式の英雄行進曲 S.231

1840年にポルトガル国王のために作られた。交響詩「ハンガリー」の原型。管弦楽稿もあり。ブゾーニ編曲版も存在する。
演奏はトーマス・ウェイクフィールド。


ゆりかごの歌 - 子守歌 S.198

この「ゆりかごの歌」は交響詩「ゆりかごから墓場まで」などの他の作品でも使用されている。このピアノ小品はリストの弟子アルトゥール・フリードハイムのために作られた。
演奏はラインベルト・デ・レーウ。


3つの葬送頌歌 第3曲 タッソーの葬送的凱旋 S.517

「交響詩《タッソー、悲劇と勝利》へのエピローグ」という別名あり。楽譜には序文としてピエラントニオ・セラッシによるタッソーの葬送の説明文がある。交響詩との共通主題もあり。
演奏はキット・アームストロング。


ヴェネツィアとナポリ 〔第1稿〕 第1番 (ゴンドラ漕ぎの歌) S.159/1

「巡礼の年 第2年 補遺 ヴェネツィアとナポリ」の前身となる曲集だが、この曲は後の曲集には含まれない。後に交響詩「タッソー、悲劇と勝利」の素材として使用される。
演奏はジュ・ワン。


アンダンテ・レリジオーソ S.512a

交響詩第1番「人、山の上で聞きしこと」の関連作品。近年発見された。


シラー祭のための祝祭行進 S.520ii

シラー生誕100年祭に寄せて。改訂されたのは1883年。リストはシラーの詩に触発され交響詩「理想」を書いたが、その交響詩の主題も引用している。ちなみにマイアベーアもこの生誕祭に寄せて作品を書いているが、リストはそのマイアベーアの作品もピアノ独奏編曲している。
演奏はセルジオ・モンテイロ。


田園曲 - 「解き放たれたプロメテウス」より刈入れびとの合唱 S.508

リストはヘルダーの戯曲「解き放たれたプロメテウス」へ序曲と合唱曲を書いた。その序曲は後に交響詩「プロメテウス」となる。そしてその合唱曲の一部を基に書いたのが当作品。1861年作。


刈入れ人の合唱 (田園曲 - 「プロメテウス」より刈入れ人の合唱) 〔第1稿〕 S.507a

合唱曲「刈入れびとの合唱」のピアノ独奏編曲の初稿。おそよ1850年頃作られた。この初稿の自筆譜は非常に乱雑に書かれている。


アルバムの綴り "オルフェウス" S.167d

交響詩「オルフェウス」の旋律を使用した小品。およそ1860年に書かれた。


アルバムの綴り "理想" S.167e

交響詩「理想」の旋律を使用した小品。しかし同じく交響詩「理想」を素材として作られた作品「芸術家のための祝祭行進 S.520」のほうに近い。およそ1861年に書かれた。


アルバムの綴り "「解き放たれたプロメテウス」の終合唱" S.167q

リストが他人のために書き留め贈呈した、ちょっとした譜面。1883年作。


ぶどうを作る人の合唱 "プロメテウス" S.692e

合唱曲「解き放たれたプロメテウスへの合唱」の「刈入れ人の合唱」のピアノトランスクリプションの自筆譜の続きに書かれている未完のスケッチ。およそ1850年に書かれた。




【弟子たちによるピアノ独奏編曲】

リスト自身はあまり積極的に自身の交響詩をピアノ独奏編曲しませんでした(2台ピアノや連弾では行っています)。しかしリストの弟子たちによるピアノ独奏編曲がいくつかあります。

● 人、山の上で聞きしこと
カール・タウジヒ
ルートヴィヒ・シュタルク
アウグスト・シュトラーダル

● タッソー、悲劇と勝利
カール・タウジヒ
テオフィル・フォーシュハマー
アウグスト・シュトラーダル

● 前奏曲
カール・タウジヒ
アウグスト・シュトラーダル

● オルフェウス
カール・タウジヒ
アウグスト・シュトラーダル

● プロメテウス
ルートヴィヒ・シュタルク
アウグスト・シュトラーダル

● マゼッパ
ルートヴィヒ・シュタルク
アウグスト・シュトラーダル

● 祭典の響き
アウグスト・シュトラーダル

● 英雄の嘆き
アウグスト・シュトラーダル

● ハンガリー
アウグスト・シュトラーダル

● ハムレット
カール・タウジヒ
アウグスト・シュトラーダル

● フン族の戦い
アウグスト・シュトラーダル

● 理想
アウグスト・シュトラーダル




● 楽譜紹介

新リスト全集の楽譜では今回ご紹介した楽曲は以下のものに収録されています

・ゆりかごから墓場まで S.512

・田園曲 - 「解き放たれたプロメテウス」より刈入れびとの合唱 S.508
※ 楽天リンクはこちら

・刈入れ人の合唱 (田園曲 - 「プロメテウス」より刈入れ人の合唱) 〔第1稿〕 S.507a



それではみなさま良い一日を



いいなと思ったら応援しよう!