【ワーグナー作品編曲】フランツ・リストのピアノ曲紹介
この記事ではワーグナー作品の編曲を紹介します。当時ワーグナーとリストは革新派である「新ドイツ楽派」とみなされ、お互いに影響を与え合った盟友でした。
イゾルデの愛の死 - 「トリスタンとイゾルデ」より終幕 (ワーグナー) S.447
リストが生涯最後に鑑賞した楽劇「トリスタンとイゾルデ」より。1867年作。リストはこの楽劇への称賛を惜しまなかった。この編曲も傑作として認められ演奏される機会も多い。
ヴラディーミル・ホロヴィッツは死の4日前にこの録音を済ませたばかりだった。
「タンホイザー」序曲 - 演奏会用パラフレーズ (ワーグナー) S.442
ワーグナーの楽劇「タンホイザー」(ドレスデン版)の序曲の忠実なトランスクリプション。1848年作。トランスクリプションなのになぜかサブタイトルがパラフレーズとなっている。
演奏はホルヘ・ボレット。
巡礼者の合唱 (「タンホイザー」より) 〔第1稿〕 (ワーグナー) S.443i
「巡礼者の合唱」の忠実なトランスクリプションに特徴的なコーダを付けたもの。1862年作。コーダは2種類あり、ここでは短いコーダを演奏している。
演奏はアルフレート・ブレンデル。
「タンホイザー」の(年老いた)巡礼者の合唱 〔第2稿〕 (ワーグナー) S.443ii
「タンホイザー」より。およそ1885年ごろ作られた。同じくコーダは短いものと長いものの2種類あり、ハワードはここでは長い方を演奏している。
おお、愛らしき夕星よ - 「タンホイザー」のレチタティーヴォとロマンス (ワーグナー) S.444
「タンホイザー」の「夕星の歌」のトランスクリプション。1849年作。
演奏はミシェル・ダルベルト。
「タンホイザー」と「ローエングリン」より2つの小品 S.445
なぜかセットで出版された2曲。
第1曲 ヴァルトブルク城への来賓の入城 (「タンホイザー」より) (ワーグナー) S.445/1
ワーグナーのオペラ「タンホイザー」より。1852年作。1853年に初版され、1876年に再版されるが、その際にリストはこの第1曲へ変更をいくつか加えている。
演奏はダニエル・バレンボイム。
第2曲 大聖堂へのエルザの婚礼行列 (「ローエングリン」より) (ワーグナー) S.445/2
ワーグナーの楽劇「ローエングリン」より。第2幕、第4場。1852年作。
演奏はゾルターン・コチシュ。
ワーグナーの「ローエングリン」より S.446
楽劇「ローエングリン」より。この楽劇の初演指揮者はフランツ・リスト。
第1曲 祝典と婚礼歌 〔第2稿〕 S.446/1ii
第3幕前奏曲とあの有名な「ワーグナーの結婚行進曲」。1861年作。
演奏はエンドレ・ヘゲドゥシュ。
第2曲 エルザの夢 S.446/2
第1幕、第2場。1854年作。
演奏はダニエル・バレンボイム。
第3曲 ローエングリンのエルザへの叱責 S.446/3
第3幕より。1854年作。
演奏はダニエル・バレンボイム。
紡ぎ歌 (「さまよえるオランダ人」より) (ワーグナー) S.440
ワーグナーの楽劇「さまよえるオランダ人」の紡ぎ歌の忠実なトランスクリプション。1860年作。ハワード曰く「コーダにリストのエッセンスが感じられる」。
演奏はホルヘ・ボレット。
バラード (「さまよえるオランダ人」より) (ワーグナー) S.441
同じく「さまよえるオランダ人」の「ゼンタのバラード」の華麗なトランスクリプション。1872年作。
演奏はフランソワ・デュモン。
静かな炉端で - 「マイスタージンガー」からの歌曲 (ワーグナー) S.448
ワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」のヴァルターの歌による。1871年作。
演奏はイディル・ビレット。
ヴァルハラ (「ニーベルングの指環」より) (ワーグナー) S.499
ワーグナーの代表作「ニーベルングの指環」より、リストが唯一編曲したもの。1876年出版。「剣の動機」が印象的。
演奏はスティーヴン・メイヤー。
聖杯への式典行進曲 (「パルジファル」より) (ワーグナー) S.450
この曲に関してはリストの創作部分が多分に含まれ、リストの後期作品のような趣がある。1883年作。
演奏はゾルターン・コチシュ。
「リエンツィ」の動機による幻想小曲 - 聖なる魂の騎士 (ワーグナー) S.439
ワーグナーの「リエンツィ」による。1859年作。リストによる他のワーグナー作品編曲がトランスクリプションであるのに対し、これは唯一のオペラファンタジー。
演奏はダニエル・バレンボイム。
【関連作品】
ヴァルトブルク城への来賓の入城 - 「タンホイザー」より行進曲 〔加筆新版〕 (ワーグナー) S.445/1a
ワーグナーの楽劇「タンホイザー」の「ヴァルトブルク城への来賓の入城」のトランスクリプションをリストは一度出版したが、その後1876年にリストはいくつかの変更を思いつき書き留めた。この加筆新版は新リスト全集にて初版された。
ワーグナーの「ローエングリン」より祝典と婚礼歌 〔第1稿〕 S.446/1i
「ローエングリンより S.446」という3曲セットの第1曲の初稿。1854年作。「第3幕前奏曲」と有名な「ワーグナーの結婚行進曲」。第2稿と違い前奏曲がまるまるリピートされる。
【その他】
「タンホイザー」序曲 〔シフラ編〕
ジョルジュ・シフラは若干アレンジをして「タンホイザー序曲」を演奏している。
● 楽譜紹介
新リスト全集の楽譜では今回ご紹介した楽曲は以下のものに収録されています

・「タンホイザー」と「ローエングリン」より2つの小品 S.445
・ヴァルトブルク城への来賓の入城 - 「タンホイザー」より行進曲 〔加筆新版〕 S.445/1a
・ワーグナーの「ローエングリン」より S.446
・「リエンツィ」の動機による幻想小曲 (ワーグナー) S.439
・紡ぎ歌 (「さまよえるオランダ人」より) (ワーグナー) S.440
・「タンホイザー」の(年老いた)巡礼者の合唱 〔第2稿〕 S.443ii
・静かな炉端で - 「マイスタージンガー」からの歌曲 S.448
・バラード (「さまよえるオランダ人」より) (ワーグナー) S.441
・ヴァルハラ (「ニーベルングの指環」より) (ワーグナー) S.499
・聖杯への式典行進曲 (「パルジファル」より) S.450
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・イゾルデの愛の死 - 「トリスタンとイゾルデ」より終幕 S.447
・巡礼者の合唱 (「タンホイザー」より) 〔第1稿〕 (ワーグナー) S.443i
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それではみなさま良い一日を
