【アヴェ・マリア】フランツ・リストのピアノ曲紹介
この記事では、アヴェ・マリアというタイトルの曲とそれに準ずる作品を紹介します。
アヴェ・マリア - ローマの鐘 S.182
サブタイトル「ローマの鐘」はリスト本人によるものでない可能性がある。1862年作。レーベルトとシュタルクの教本「大ピアノ教程」のために作った作品。
演奏はスヴャトスラフ・リヒテル。
アルカデルトのアヴェ・マリア S.183/2
実際にはジャック・アルカデルトによる「アヴェ・マリア」という曲は存在しない。ルイ・ディーチュという人物がアルカデルトの作品「男たちは愛を徳をなすと見ゆ」の素材をアレンジして「アルカデルトの曲を新発見」とでっち上げた曲。それをリストが知らずに編曲してしまった。1862年作。
演奏はシプリアン・カツァリス。
アヴェ・マリア (IV) S.545
リスト自身の声楽曲「アヴェ・マリア IV S.341」のトランスクリプション。1881年作。
この演奏はミハイル・ルディ。またスティーヴン・ハフの名演もあり。
アヴェ・マリア (II) 〔第1稿〕 S.504i
リスト自身のモテット「アヴェ・マリア II S.38」からの単純なトランスクリプション。およそ1870年作曲。
アヴェ・マリア (II) 〔第2稿〕 S.504ii
同じく同名のモテットの編曲の変奏付き拡大稿。およそ1872年作曲。
演奏はフィリップ・トムソン。
アヴェ・マリス・ステラ S.506
もともとは合唱曲。およそ1868年作曲。タイトルは「めでたし、海の星」の意。海の星とは聖母マリアを表すとのこと。このピアノ独奏稿のほかに声楽稿、オルガン稿がある。このピアノ稿は合唱稿より色彩豊か。「2つの教会讃歌 第2曲」は当曲の別稿とも言える。
演奏はテリーザ・ウォルターズ。
アルバムの綴り "アヴェ・マリア" S.164q
シューベルトの歌曲「アヴェ・マリア」の編曲への追加コーダとして考えていたものだが、リストは結局公開しなかった。1841年作。
【その他】
巡礼の年 第2年 イタリア 第1曲 婚礼 S.161/1
現在はブレラ美術館所蔵のラファエロの絵画「聖母の婚礼」からインスピレーションを得た作品。その旋律は聖母マリアを讃えるもの(聖母マリアを讃える別の作品でも同旋律が使用されている)。ドビュッシーのアラベスク第1番のアラベスク音型と類似した音型が現れる。
演奏はヴィルヘルム・ケンプ。
詩的で宗教的な調べ 第2番 アヴェ・マリア S.173/2
曲集「詩的で宗教的な調べ」の第2曲も「アヴェ・マリア」という曲。もとは合唱曲。
演奏はアルド・チッコリーニ。
詩的で宗教的な調べ 〔1847年稿〕 第4番 マリアの連梼 〔第2稿〕 S.172a/4
詩的で宗教的な調べの前身である曲集に含まれる曲だが、最終稿には含まれない。主題のリズムは天使祝詞「サンクタ・マリア、オラ・プロ・ノビス」のリズムとのこと。「祈り S.173/1」との共通動機も見られる。この曲の原題は「Litanies de Marie」だが、ハワードはこの曲が曲集の最終稿から省かれたことに対し、リストが若い時期に「マリー(・ダグー)への愛」と「聖母マリアへの畏敬の念」を自分の中で区別できなくなっていたことが関連しているかもしれないという考察をしている(この曲集の最終稿は後の恋人カロリーネへ献呈されている)。
2つの教会讃歌 第2曲 アヴェ・マリス・ステラ S.699/2
オルガンやハーモニウムの作品だがピアノで演奏することも可能な作品。原曲はモテット「アヴェ・マリス・ステラ S.34」。1868年以降に作曲。上記の「アヴェ・マリス・ステラ S.506」はこの作品の別稿と考えてよい。
アヴェ・マリア (エレンの歌 第3番) 〔第2稿〕 S.558/12
シューベルトの歌曲「アヴェ・マリア D.839」のトランスクリプション。
演奏はラザール・ベルマン。
アルカデルトのアヴェ・マリア 〔ルンメル編〕
奏者のヴァルター・ルンメル (1887 - 1953) はサミュエル・モンロー・ファビアンやゴドフスキーに師事したピアニスト。ちなみにファビアンはリストやモシュコフスキに師事しています。
● 楽譜紹介
新リスト全集の楽譜では今回ご紹介した楽曲は以下のものに収録されています
・アヴェ・マリア - ローマの鐘 S.182
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・アヴェ・マリア (IV) S.545
・アヴェ・マリア (II) 〔第2稿〕 S.504ii
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・アヴェ・マリス・ステラ S.506
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・アルカデルトのアヴェ・マリア S.183/2
それではみなさま良い一日を
