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英語リスニングなのに日本語を聞き取る!? 珍しい東大入試の問題を紙上体験!

文・編集:青戸一之(ドラゴン桜公式noteマガジン編集長)


みなさんは東大入試の英語のリスニングで、日本語を聞き取る問題が出たことがあるのをご存じでしょうか?

東大の入試問題はこれまでにない角度で出題されることが多く、「今年はどんな問題が出るのだろうか」と毎年多くの受験関係者の注目を集めていますが、今回ご紹介する2002年の英語リスニングの問題もまた、かなり斬新で攻めた形式でした。

なぜなら、それは一般的なリスニング問題と異なり、日本語の短文とそれを英訳した音声を聞いて、正しく翻訳できているかの判断を問う問題だったからです。

いわば通訳の試験のような形式で、大学入試のリスニングとしては非常に珍しい問題だといえるでしょう。

今回の記事でこの問題を扱うのは、その珍しさに加えて、英語の勉強の教材として非常に優れている点があると思ったからです。

前置きはこのくらいにして、さっそく問題の説明に入りましょう。

・前提

東大のリスニングは例年(A),(B),(C)の3部構成になっています。

今回扱う問題は2002年の(C)のパートなのですが、その前の(B)の部分と内容がつながっています。

この(B)の内容がわかっていないと肝心の(C)も消化不良になってしまうため、まず(B)でどんな話があったのかを簡単にご説明しましょう。

あるオーケストラが、毎年若い演奏家を集めてサマースクールを開いています。今年は日本から多くの応募者が集まったため、オーケストラの運営サイドは日本語が話せるスタッフを探していました。そこにKaren Bakerという女性がアルバイトの面接にやって来ます。

Karenは「日本における西洋クラシック音楽の演奏史」について興味があり、1年ほど日本で研究を行っていました。日本語での会話は日常のコミュニケーション程度なら問題なく、事務の仕事の経験も豊富です。また、彼女は自身でもバイオリンを演奏します。

これらの経歴と能力はオーケストラ側が求める人材としてふさわしいものでしたが、確認のためにKarenの日本語の運用能力を測るテストを行うことになりました。

ここまでの内容は整理できましたか?
それでは、実際の(C)の問題を見てみましょう。

・問題

これで面接は終わり,次に日本語のテストが行われる。簡単な日本語の文が音読されたあとで,Karen Bakerが英語に訳す。その訳が適切であれば〇,そうでなければ×を解答用紙の所定の欄に記せ。全部で6つの日本語の文が問題として出される。

※以下は音声で問題になっている部分を書き起こしたもので、実際の問題用紙には記載されていません。

(1)「彼が約束を守るとは思わない」
I doubt that he will keep his word.

(2)「考えれば考えるほど理解に苦しむ」
The more I think about it, the more I suffer from understanding.

(3)「演奏家たちは昨日事務局に連絡してくるはずだった」
The musicians must have contacted the office yesterday.

(4)「大事なのは働く意思があるかどうかである」
What matters is whether you have the will to work or not.

(5)「そんなわけで彼は学校に戻った」
It’s because he went back to school.

(6)「さすがにトランペット奏者だけあって肺活量が大きい」
He is only a trumpet player and has a large lung capacity.

東京大学 2002年 英語 3(C)より


いかがでしたか。なかなか類を見ない出題形式ですよね。

ちなみに、この問題は音声が2回繰り返して流されたものの、(1)~(6)までの文はほぼ間断なく一気に読み上げられたため、ゆっくり〇か×かを判断している余裕はありません。

当時の受験生は、問題の形式への戸惑いも相まって、かなり苦戦したのではないでしょうか。

さて、みなさんは6つの文のうち、どれが正しく英訳できているかわかりましたか?

リスニングではなく文字で読んでも難しい問題ですが、正解できた人は英語と日本語、両方の運用能力がかなりあると言えるでしょう。

では、ここから解説に移ります。

・解説

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