なぜ人類は「金」に魅了されるのか?希少性だけではない理由を現役東大生が解説!
みなさん、こんにちは!
現役東大生の光永帆希です。
みなさんは「なぜ金は価値があるのか?」と考えたことはあるでしょうか。
「希少だから」「昔から高価だから」と答える人は多いかもしれません。
しかし、本当にそれだけで説明できるのでしょうか。
たとえば、地球上には金よりも希少な元素がいくつも存在します。
それにもかかわらず、私たちが結婚指輪やネックレスに使い、世界中の国々が今なお保有し続けているのは金です。
なぜ人類は数ある金属の中から金を選び、価値があるものとして扱ってきたのでしょうか。
今回は、地球の誕生から近現代の歴史までをたどりながら、「金の価値」の正体を考えてみたいと思います。
・金は宇宙で生まれた
実は、金は地球の中で作られたものではありません。
現在の研究では、金のような重い元素は、中性子星同士の衝突など、宇宙でもごく限られた大爆発の中で生まれたと考えられています。
その後、金を含むガスや塵が集まり、およそ46億年前に地球が誕生しました。
つまり、金は宇宙で生まれた金属というわけです。
そして、地球には現在でも膨大な量の金が存在すると考えられています。
しかし、そのほとんどは人類が決して手にすることのできない場所にあります。
地球が誕生したばかりの頃、地球全体は高温で溶けたマグマの海でした。
このとき、重い物質ほど地球の中心へ沈み、軽い物質ほど表面近くに残りました。
金は非常に重い元素です。
そのため、多くの金は鉄やニッケルとともに地球の中心部、つまり核へ沈んでしまったのです。

画像は気象庁HP「1.地球と大地の動き」より引用
現在、地球全体に存在する金のほとんどは核の中にあると考えられています。
もちろん、人類にはそこまで掘り進める技術はありません。
つまり、私たちが利用できる金は、地球全体から見ればほんのわずかしか存在しないのです。
また、現在地殻に存在する金の多くは、核ができた後に飛来した隕石によって補給された可能性が高いともいわれています。
地球が誕生したあともしばらくは、小惑星や隕石が次々と衝突していました。
その隕石に含まれていた金が地殻付近に残り、現在私たちが採掘できる金の起源になったと考えられているのです。
つまり、私たちが手にしている金は、宇宙で生まれ、隕石によって運ばれた金というわけですね。
・金の分布を決めたプレート運動
しかし、隕石が運んできた金も、最初から鉱山になっていたわけではありません。
ここで重要になるのが、プレート運動や火山活動です。
地球内部では今もマグマが動き続けています。
その熱によって地下水は数百度にも達する高温の熱水になります。
そしてこの熱水には、ごくわずかですが金や銀、銅などが溶け込んでいます。
熱水が岩石の割れ目を通って上昇し、温度や圧力が変化すると、溶けていた金が少しずつ沈殿します。
この現象が何百万年、何千万年も繰り返されることで、ようやく人類が採掘できる金鉱床ができあがったのです。
日本でも金の産地として佐渡金山や鹿児島県の菱刈鉱山が有名ですが、これらはいずれも火山活動と深く関係しています。
世界に目を向けても、オーストラリア、中国、ロシア、アメリカ西部など、金鉱山が多い地域は、過去のプレート運動や火山活動が活発だった場所と重なっています。
プレート運動は、実は世界の資源分布まで決めているのです。
・人類が金を好んだ理由
ここまで見てきたように、金は確かに希少な金属です。
しかし、希少なだけでは価値は生まれません。
実際、金より希少な元素は他にもあります。
では、なぜ人類は金を選んだのでしょうか。
その理由は、金という金属が持つ特別な性質にあります。
鉄は錆び、銀は黒く変色します。
しかし金は、空気や水とほとんど反応しません。
金は電子を失いにくく、非常に安定した金属です。
そのため何千年もの間、美しい輝きを保ち続けるのです。
エジプトのツタンカーメンなど、古代の金製品が今でもほとんど劣化していないのはこのためです。
さらに、金は柔らかく加工しやすいため、古代の技術でも美しい装飾品を作ることができました。
しかも、黄色く輝く金は太陽を連想させ、多くの文明で神聖な存在と考えられました。
人類は、錆びず、美しく、加工しやすいという金の性質を経験的に知り、王や神を象徴する金属として扱うようになったのです。
人類はこうして金を特別な金属だと考えるようになりました。
・「世界の一体化」による金の価値の変化
しかし、金の価値が本当の意味で世界中に広まったのは、「世界の一体化」によるものだと言えます。
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