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【漫画】和月伸宏『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚・北海道編』第10巻 剣心最期の刻!? そして新たな戦いのはじまり

 気がつけば実に2年2ヶ月ぶりの刊行となった『るろうに剣心 北海道編』、最新巻は激動かつ一つの区切りというべき内容が描かれます。劍客兵器・凍座部隊に苦戦を強いられる剣心たちですが、凍座の恐るべき力の源が明かされる一方で、剣心に来たるべき時が訪れます。そして戦いは新たな段階に……
(内容に色々と触れていますのでご注意下さい)

前巻を紹介したブログ記事はこちら。

 山県有朋の劍客兵器壊滅の命が、逆に危機を招いた状況の中、剣心たちが駆けつけて始まった全面対決。
 左之助&安慈vs土居、張&鎌足vs権宮&天智、そして剣心&宗次郎vs凍座――三つの戦いはいずれも劍客兵器側が優勢な状況で展開する中で、ついに宗次郎が奥義を……

 というところから長らく待たされましたが、かつて剣心の九頭龍閃を三連続まで耐えきった異常なタフネスを誇る凍座は、宗次郎の瞬天殺をも完封。不殺の剣心ならばともかく(?)、人を斬ることを躊躇わない宗次郎の剣を受けても無傷とは、異常というほかありません。

 そしてここでついに明かされる凍座の戦型「不動凍奴」、その力の源とは――いやいやいや、これはこの世界観でありなのか!?(『エンバーミング』と一応地続きの世界というのは抜きにして)という気がしないでもないですが、能力として未だにさっぱり理屈がわからない土居の戦型よりは、少年漫画的な理屈として遥かに納得がいくというものだと思います。

 何よりも、そこに至るまでの彼の壮絶な独り相撲――というのは決して茶化しているのではなく、あの彼にしか見えない「闘姿」も含めて、彼の生き方を評するに相応しい言葉だと思っています――の過去を見れば、こうなってしまうのも納得させられてしまう、というのが正直なところです。

 さらに、この凍座の過去に、どう見てもあのキャラとしか思えない人物が絡んでいるのが、また大いに気にかかるところですが……



 そしてこの混迷の最中、永倉そして明日郎が加わったものの、まだまだ剣心側に有利にはとても見えないこの戦場。ここにさらに劍客兵器部隊将筆頭・寒郷とその部隊員たちが出現――ところが彼が告げたのは意外にも実検戦闘の終了と一時撤退でした。

 剣心たちと凍座部隊が激突している間、「山県有朋」と対面していた寒郷。その要求とは――さすがに虫が良すぎる&時代錯誤にもほどがあるもので、拒否されるのも当然というほかありません。
 しかし、ここで注目すべきはやはり山県の反応でしょう。ある意味劍客兵器の存在の脆弱さを的確に突いた指摘もさることながら、その後の激昂たるや――これまで冷徹あるいは無機質な印象すらあった山県の姿は、彼もまた幕末を生き抜いた一個の人物であると強く感じさせてくれます。
(それにしても、この非常時に眠りこけていた剣路はやはり大物なのかもしれない……)



 さて、幾度も衝撃の展開が待ち受けているこの巻ですが、終盤にとどめというほかない衝撃が待ち受けています。それは剣心の剣客としての限界――これまで「それ」が遠くないことは予告されていた剣心ですが、こうして正面から描かれると、やはり凄まじいインパクトがあります。
 それも、一つの戦いの終わりではなく、一つのアクションが終わった直後に途切れるというのが、なんとも言えぬ厭なリアリティで……

 そんな絶望しかない状況の中、ついに御頭こと四乃森蒼紫が参戦したことは大きな希望といえます。敵に回すと迷惑ですが、味方になると本当に頼もしいこのお方、本人の戦闘力もさることながら、御頭としての統率力・指揮能力に大いに期待できそうです。
 しかし劍客兵器側もしれっととんでもないものを函館山に築いている状況の中、はたして形勢逆転はなるのか。そして剣心は本当に終わってしまったのか!?

 ここから北海道編本編とすら思える、なんとも気になる場面で物語は続くことになります。



 ――が、やはり触れておかなければならないのは、本作の連載ペースです。
 冒頭に触れた通り、実に2年以上の間隔をおいたこの巻ですが、一話辺りのページ数は決して多いものではなかった、というのが事実です。正直なところ、連載で読んでいた時は、物足りない、歯がゆいという印象が残りました。
 もちろん色々と事情はあったのだとは思いますし、読者としてはただ待つしかないのが現実ですが、それでも次の巻はもっと早く読みたい、それだけの価値がある物語なのだから――強く思います。

前巻を紹介したブログ記事はこちら。


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