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思考を深めるメモの力 『TAKE NOTES!』ズンク・アーレンス 【マーケティングプランナーの書棚から #2】

こんにちは。地域密着型の販促を考える仮想研究室「ミタカ販促設計ラボ」室長のサタケです。

週末のひととき、いかがお過ごしでしょうか。平日の慌ただしさから離れ、じっくりと思考を整理する時間を持てるのも、週末の贅沢な過ごし方のひとつですね。


■前回のふりかえり 
情報の4層構造が教えてくれたこと

前回は九島伸一氏の『情報』を取り上げ、「データ→情報→知識→知恵」の4層構造について深掘りしました。情報の本質を理解することで、日々の業務における情報の扱い方が劇的に変わることをお伝えしました。

でも、ここで一つの疑問が浮かびました。

「データを知識や知恵に昇華させるプロセスで、私たちは何をすればいいのだろう?」

前回記事との連携:情報昇華プロセス
前回記事との連携:情報昇華プロセス

その答えの一端を示してくれるのが、今回ご紹介する一冊です。

■書誌情報

書名: 『TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる』
著者: ズンク・アーレンス
訳者: 二木夢子
出版社: 日経BP
備考: 文庫版『メモをとれば財産になる』も同内容で刊行中

【電子書籍・単行本】

【文庫】

■なぜ今、「メモ」なのか?

ChatGPTやClaude、Geminiといった生成AIが情報処理を劇的に効率化してくれる2025年。それでも、いや、だからこそ「自分で考える力」「創造的な発想力」の重要性が高まっています。

本書『TAKE NOTES!』は、そんな時代に「メモを取る」という最もベーシックな行為を通じて、思考そのものを深化させる方法を提案しています。

■現場で使える3つのメモ革命

1. ツェッテルカステン:つながりが生む新しい視点

本書の核心は「ツェッテルカステン(Zettelkasten)」という手法です。
20世紀の社会学者ニクラス・ルーマンが考案したこの方法は、一見驚くほどシンプル。一枚一枚のカードにアイデアや情報を書き込み、それらの間のつながりを見出していくという仕組みです。

【マーケティング現場での実践例】

  • 市場分析のメモ → カード1

  • 顧客の声 → カード2

  • 業界動向 → カード3

  • 社内議論の要点 → カード4

重要なのは、各カードに「これは他のどの情報とつながるだろうか?」という視点でタグやキーワードを付けること。この過程で、思いがけない関係性が見えてきます。

ツェッテルカステン実践例:マーケティング現場での活用
ツェッテルカステン実践例:マーケティング現場での活用

前回の「情報の4層構造」で言えば、バラバラの「情報」を「知識」に昇華させる具体的なプロセスがこれなのです。

2. 「記憶」から「思考」へ:メモの目的を変える

本書が提起するのは、メモの目的を「記憶のため」から「思考のため」へと転換させる視点です。

従来のメモ:忘れないために記録する
思考するメモ:考えるために記録する

従来メモVS思考メモの対比
従来メモVS思考メモの対比

本書では、この転換のために3つのポイントを提示しています。

①手書きの力を活用する
デジタルツールの便利さは言うまでもありませんが、ラフスケッチを描いたり、キーワード同士を線で結んだりする手書きの行為は、脳の活性化を促し、新しい発想を生み出します。

②自分の言葉で書く
データや資料の内容をコピー&ペーストするのではなく、自分なりに咀嚼して書き留める。この過程で、情報はより深く理解され、活用可能な知識として定着していきます。

③批判的な視点を持つ
目の前の情報を鵜呑みにせず、異なる角度からの見方を意識的に探る。この姿勢が、より多面的で深い理解につながります。

3. イノベーションは積み重ねから生まれる

特に印象的なのは、本書が示すイノベーションについての考え方です。

「革新的なアイデアは、突然の閃きではなく、日々の小さな気づきの積み重ねから生まれる」

これは、広告クリエイティブの発想プロセスにも深く通じる視点です。市場データを見ながら気になったポイント、顧客の声の中の印象的なフレーズ、日常の観察から得られたヒント──。

それらの断片的な情報の間にある意外なつながりを見出すことで、新しい価値が生まれるのです。

■週末の実践
「思考するメモ」を始めてみる

この週末、ぜひ試していただきたい実践方法をご紹介します。アナログ・デジタル、お好みの方法でどうぞ。

【30分チャレンジ:つながりメモ】

アナログ派の方へ

  1. 準備する(5分)

    • 手帳やノート、または小さなカードを用意

    • 今週の仕事で気になったことを3つ思い出す

  2. 書き出す(15分)

    • 各項目を1枚ずつ、自分の言葉で書く

    • 「なぜ気になったのか?」も合わせて記録

  3. つなげる(10分)

    • 3つの項目の間に、何か共通点や関連性はないか?

    • 線で結んだり、矢印を書いたりして視覚化

デジタル派の方へ

  1. 準備する(5分)

    • スマホのメモアプリ、NotionやObsidian、MindMeisterなどを起動

    • 今週の仕事で気になったことを3つ思い出す

  2. 書き出す(15分)

    • 各項目を別々のメモ・ページに、自分の言葉で記録

    • タグ機能があれば #気づき #課題 #アイデア などを付与

    • 「なぞ気になったのか?」も合わせて記録

  3. つなげる(10分)

    • リンク機能やタグ検索を使って関連性を探る

    • マインドマップ機能があれば視覚的につながりを表現

    • 共通するキーワードでグルーピング

【デジタルツール活用のコツ】

  • 検索性を活用:後から見返しやすいよう、キーワードは統一する

  • リンク機能を活用:関連するメモ同士をつなげる

  • 日付管理:いつの気づきかを記録しておく

どちらの方法でも、この小さな実践が来週の企画会議や戦略立案で「あ、そういえば...」という新しい視点を生み出すかもしれません。

■前回との関連 
情報活用の完成形へ

前回の「情報の4層構造」と今回の「思考するメモ」は、実は密接につながっています。

  • データ・情報の段階:AIが得意な領域

  • 知識・知恵への昇華:人間の思考とメモが真価を発揮する領域

生成AIが大量のデータを瞬時に分析してくれる今だからこそ、「そこから何を考えるか」「どんなつながりを見出すか」という部分での人間の役割がより重要になってきています。

■最後に 
思考の筋トレとしてのメモ

『TAKE NOTES!』が提案するのは、メモを単なる記録の手段から、思考を深め、創造性を高めるツールへと転換させる方法です。

デジタルツールが発達した現代でも、あるいはだからこそ、「考えること」の本質に立ち返る必要があります。

来週からの企画会議で、戦略立案で、そして日々の業務の中で──。小さな「つながりメモ」の積み重ねが、新たな可能性を開く鍵になるかもしれません。

【読者の皆さんへ】 もしこの記事を読んで実際に「つながりメモ」を試してみた方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントで体験をシェアしてください。皆さんの実践例が、他の読者の方々のヒントにもなるはずです。


■お問い合わせ

公式サイト: https://satake-p.com/ (お仕事のご相談はこちらから)

室長プロフィール
佐竹 昭治|株式会社サタケプランニングオフィス 代表取締役

小売・サービス業の現場で、生活者視点を軸にした販促戦略を提案。 マーケティングプランナーとしての経験(20年以上)×データ分析×AI活用による「ハイブリッド販促設計」で、「伝わる販促」「来店してもらえる仕掛け」づくりをサポート中。

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※このnoteは、株式会社サタケプランニングオフィスが運営する架空の研究所(ミタカ販促設計ラボ)の設定でお届けしています。

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サタケ|ミタカ販促設計ラボ 販促のヒント、伝わっていれば何よりです。 チップは今後の調査・記事制作の資金として大切に使わせていただきます。──室長・サタケ

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