雨宿りものがたり | 散文詩
急な雨
昔
バス停の屋根の下
軒下
宿る場所があった
その場所から眺めていると
急に走り出すもの
傘をバックから取りだすもの
お迎えの車が止まり
相合傘
宿る場所から
一連のドラマを宿らせる
雨ものがたり
ワンオペスタッフは
自然ななりゆきの
キャスティング達の動き
雨音の音響編集
手で形どったフォーカス
心に映像焼き付け
一連のドラマを作る
雨があがり
ワンクールの撮影が終わる
誰かが置き忘れた
はためくビニール傘音が
ナレーションを兼ね
次回の雨ものがたりの予告は
カツカツと響く
濡れたハイヒール音

雨ものがたり
雨がいないと始まらない
毎年6月と9月の雨多き時期
撮影の続きがはじまる
誰かの心の中で
何かがひっかかる
振り返ると置き忘れた
ビニール傘はいなくなっていた
通行人の手にぶら下がる
美しくたたまれたビニール傘が
すれ違いざま
「共演したことあるかもね」
失礼
主演だったのですね
どんな主演の雨とも共演できる
W主演のビニール傘
傘立てに一番残り多き君
次回作 オーディション開始
( 了 )
最後までお読みくださりありがとうございます。
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