3月はーシロクマ文芸部

3月は朧の月。
雲にかすむ白銀の輝きが弱々しく地上を照らす。

セレーデはぼんやりと夜空を見上げる。
今の自分はこの月のような頼りない存在だ。

父王が重篤な病に倒れたと知り、隣国の皇帝が彼女に結婚を申し込んできた。
彼女を后にして、同君連合とは名ばかりの属国にするためだ。

セレーデの薄桃色の唇から、ため息がこぼれる。

祖国を他国の属国になどしたくない。とはいえ、断れば戦争になるかもしれない。

いっそのこと、王位継承権を放棄して修道院に入ろうか。彼女に次ぐ王位継承権者は先王の弟、皇帝もまさか后にはすまい。

あるいは、このまま…。

#シロクマ文芸部

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