見出し画像

「自分への言葉が、仕事の質を決める」

「またミスした。自分はダメだな。」

心の中で、そうつぶやいたことはないだろうか。

誰かに言われたわけじゃない。
自分で自分に、言っている。
-----------------------------
私のシリーズでは、
ずっと他者への言葉を扱ってきた。
リーダーの言葉が、メンバーを変える、と。

でも、実は一番影響力が大きい言葉は、
自分が、自分にかけている言葉かもしれない。

頭の中で、人は1日6万回つぶやいている。

心理学には【セルフトーク】という研究領域がある。
-----------------------------
人間は起きている間、
頭の中で絶えず「独り言」を続けている。

心理学者レフ・ヴィゴツキーは、
子どもが「声に出していた独り言」が、
成長とともに「頭の中の言葉へと移行する」と説明した。

つまり、大人の思考の多くは、
声に出さない【セルフトーク】でできている。
-----------------------------
ミシガン大学の心理学者イーサン・クロスは、
プレッシャーのかかる場面で、
人がどうセルフトークをするかを研究した。

被験者に人前でのスピーチを準備させ、
「私は緊張している」と一人称で語るグループと、
「(自分の名前)は緊張している」と三人称で語るグループに分けた。

結果、三人称でセルフトークをしたグループの方が、
不安が低く、パフォーマンスも高かった。


「私」で語ると、感情に飲み込まれる。
名前で語る」と、少し距離を置いて、自分を見られる。

言葉を変えただけで、
脳が状況を処理する仕方が変わったのだ。

-----------------------------

スポーツ心理学者ジェームズ・ハーディーは、
【セルフトーク】を長年研究してきた第一人者だ。

セルフトークには大きく2種類あり、
効果が発揮される場面が違うということだ。

やり方を確認する言葉
└「フォームを意識して」「順番はこう」

気持ちを高める言葉
└「いける」「もっとやれる」

精度や技術が問われる作業には
「やり方の言葉」が効き、
持久力や粘りが問われる場面には
「気持ちを高める言葉」が効く。
-----------------------------
一人称で語ると、【自分の内側】に閉じこもる。
二人称・三人称で語ると、
まるでコーチが横で声をかけているように、
自分を【客観的に後押し】できる。

自分への言葉が、
行動を決め、思考をつくる


このシリーズの理論は、
「言葉が変わり→行動が変わり→思考が変わる」
だった。

これは他者だけでなく、自分自身にも当てはまる。

NG:「なんでこんなこともできないんだ」
OK:「今回はここまでできた。次はどこを直そう」

NG:「もう無理だ」
OK:「今は苦しい。でも、ここまでは進んだ」

NG:「私は緊張している」
OK:「(名前)は、緊張している。でも準備はしてきた」

自分にかける言葉を変えると、
姿勢が変わり、声のトーンが変わり、行動が変わる。

行動が変わると、
「自分はやれる」という思考が、後からついてくる。
-----------------------------
あなたが今日、自分にかけた言葉は、どちらだっただろうか

他人には、丁寧な言葉を選んでいるのに、
自分にだけは、一番きつい言葉を投げていないだろうか。

メンバーを育てる言葉を持っているなら、
自分を育てる言葉も、きっと持てる。

今日、鏡の前で、
自分の名前を呼んでみてほしい。

そこから、何を続けるだろうか。


いいなと思ったら応援しよう!