見出し画像

なぜ小児科医が発達障害の記事を書くのか― 神経発達症シリーズの前書き ―

この記事では、

・なぜ小児科医が発達障害の記事を書くのか
・「神経発達症」という考え方
・このシリーズで何を説明していくのか

をまとめている。

最近、「発達障害」という言葉をよく耳にするようになった。

ASD。
ADHD。
LD。

テレビやSNSでも普通に見かける言葉になってきた。

それ自体は、とても良いことだと思う。

以前よりも多くの人が発達の特性について知るようになり、理解も少しずつ広がってきている。

一方で、相談の場ではこんな声もよく聞く。

「うちの子は発達障害なのでしょうか」
「自分はADHDなのではないかと思っています」
「グレーゾーンと言われましたが、どういう意味なのでしょうか」

インターネットには多くの情報がある。

しかし、その情報は玉石混交である。

断片的な特徴だけが広まっていたり、診断の話ばかりが強調されていたり、逆に「個性だから気にしなくていい」と極端に単純化されていたりすることもある。

発達というものは、本来もう少し複雑である。

そして医療の立場から見ると、
発達障害という言葉だけでは説明しきれないことがとても多い。

そこで、このシリーズでは

神経発達症

という枠組みから、発達の特性について整理してみることにした。

ASD
ADHD
LD
知的発達症

それぞれの特徴や考え方を、できるだけわかりやすく説明していく。

ただし、このシリーズで一番伝えたいのは診断名そのものではない。

発達を考えるときに大切なのは、

診断よりも支援

という視点である。

特性があるかどうかだけではなく、
それが生活の困りごとにつながっているのか。

そして、その困りごとをどう支えていくのか。

そこにこそ意味があると考えている。

小児科の診療では、発達に関する相談は決して珍しいものではない。

「これって普通ですか」
「少し気になることがあって」

そんな言葉から始まる相談はとても多い。

このシリーズが、そうした疑問を整理する一つの材料になればと思っている。

専門書のような内容ではないが、
小児科医の視点から、できるだけ誤解の少ない形でまとめてみた。

もし興味があれば、以下の順番で読んでもらえると理解しやすいと思う。


神経発達症シリーズ

第1回 神経発達症とは何か
第2回 ASDとは何か
第3回 AD/HDとは何か
第4回 LDとは何か
第5回 知的発達症とは何か
第6回 病院の役割は何か
第7回 発達障害は白黒ではない(まとめ


ちょっとした読み方


このシリーズは、
第1回から順番に読むと一番わかりやすい構成になっている。

ただ、気になるテーマから読んでも問題ない。

ASDやADHDという言葉を聞いたことがある人も、
あまり馴染みがない人も、

神経発達症というものを少し整理するきっかけになればうれしい。

こんな人に読んでほしい


・子どもの発達が少し気になっている
・発達障害という言葉をよく聞くが整理したい
・ASDやADHDについて基本から知りたい


いいなと思ったら応援しよう!