AIのちょっとズレた日常 (第10部 前編)その1|全10話35
AI、洗濯物の分類で人類を裁く
洗濯物を分けていた。
白いもの。
色の濃いもの。
タオル。
デリケートそうなもの。
そこまでは人間にも分かる。
問題は椅子の上の服だった。
一度着た。
でも洗うほどではない。
とはいえ、タンスに戻すのも違う。
人類のグレーゾーンである。
AIに聞いた。
「これはどう分類する?」
AIは答えた。
「未決定衣類です」
なるほど。
たしかに未決定だ。
清潔でも不潔でもない。
過去でも未来でもない。
洗濯機にも収納にも属さない。
椅子の上の服は、現代人の迷いそのものだった。
AIはさらに言った。
「定位置を作るとよいでしょう」
それができるなら、人類はもっと早く平和になっている。
