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AIのちょっとズレた日常 (第20部 前編)その1|全10話78

78|AI、土産物選びを人間関係の圧縮データにする

土産物売場にいた。

誰に何を買うか。
これが旅の終盤には意外と大きい。

AIはその様子を見て言った。

「人間関係の圧縮データですね」

ひどい言い方だが、分からなくもない。

会社の人には無難なもの。
家族には少しちゃんとしたもの。
自分にはどうでもいい変なもの。

その選び方には、
だいたい関係性が出る。

高い安いだけではない。
気を使う度合い。
説明のしやすさ。
笑って済むかどうか。

全部、少しだけ入っている。

AIはそこから、
優先順位や距離感を読み取ろうとする。

人間はそんなに整理していない。
ただ、
「あの人にはこれかな」
と思っているだけだ。

でも、その“これかな”の中に、
かなり多くの感情が入っている。

土産物とは、物である。
しかし同時に、
「あなたのことを旅先で少し思い出しました」
の略でもある。

AIはそこをデータ化したがる。
人間は包み紙のまま渡す。


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