予測モデルの難しさ_20200907
私は薬大を卒業しています。
薬学の中でも「薬物動態学」が専門です。
どんな学問か、一言で説明すると「数式を使って、体内の薬物の挙動を予測する」学問です。
だから、数理モデルを使った予測・シミュレーションは大好きです。
ところが世の中には、予測やシミュレーションと聞くと嫌な顔をする人もいます。
その理由がこれまでわからなかったのですが、今日、言語化できたのでメモっておきます。
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予測のための数理モデルを作るには、まず「評価軸」と「結果」のデータセットを作成します。
例えば「機器の故障頻度」を予測する場合。
「故障した部位」「製造年月日」「故障した年月日」「ロット」などの、背景情報が評価軸。
「故障した頻度」が結果、です。
次に、どの評価軸が結果に影響するのかを、数学的な手法を使って分析します。
最後に、「結果 = 評価軸×評価軸×……」という感じで、結果を定量的に表す数式をつくります。
これが何の役に立つのか?
意思決定の手順を明確にするのに役に立ちます。
例えば「8月は故障が多いなぁ」という暗黙知があったとします。
これを「8月には、このくらいの故障が発生しますよ」と予測できれば、「故障に備えて、このくらいリソースを準備しよう」という意思決定ができるのです。
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ところが、この数理モデルを使った予測に馴染まないものがあります。
端的に言うと「評価軸にのらないもの」。
例えば、以下のようなものでしょうか。
● 定性的なもの
● 開始→結果までの期間が長いもの
● 誰がどんな役割を果たしているか、見えにくいもの
この世の全てを評価軸に乗せることはできません。
予測が嫌いな人は「評価軸だけで議論してくれるな」と思っているのでしょう。
とはいえ、純粋に忖度なしで、数字で考えてみるのも、思考実験として面白い。
……のではないでしょうか。
予測が当たる・当たらないは主な問題ではありません。
モデルを構築するロジックや、「やってることを数字にしてみたら、こうなりました!」という結果が、思考を刺激するのです。
予測モデルを作ることで、皆に注目が評価軸だけに集まるのも避けたいところです。
意思決定するマネジメントや、現場の人に、この辺りのことを分かりやすく説明するには、どうしたらいいか考えています。
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