嘘の仮面
「大丈夫?」と聞かれて
「大丈夫だよ」と笑顔で返す
波風を立てないための、いつもの決まり文句
相手を安心させるための、いちばん簡単な嘘
その言葉を口にするたびに
私の何かが、確実にすり減っていく
本当に平気なわけがない
本当は少ししんどいし、静かに傷ついている
「大丈夫じゃない」と言った後の
相手の困った顔や、その場の重い空気が怖くて
いつだって言葉を喉の奥へ押し込んできた
周りが「あいつは平気だ」と安心する裏で
私の心には、小さな削りカスが溜まっていく
すり減って、薄くなって
いまにも破けてしまいそうな心
誰かのための嘘を重ねて
自分が壊れてしまっては意味がない
だから次は、「大丈夫?」と聞かれたら
ただ静かに、首を横に振ってみよう
器用に笑うのをやめて
「ううん」と一言、本音を少しずつ解放しよう
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