写し鏡の願い事
七夕が近づくと
短冊を書く季節がやってくる
子どもの頃の願い事は、いつも自分のことだった
新しいゲームが欲しい
足が速くなりたい
テストでいい点を取りたい
短冊には
その時の自分が、そのまま並んでいた
大人になった今
願い事を書こうとすると
最初に浮かぶのは、自分のことじゃない
家族が元気でいますように
子どもが笑顔で過ごせますように
あの人の手術が無事に終わりますように
好きな人が幸せでありますように
書き終えた短冊を見つめる
そこに自分の願いは、ひとつもない
少し前の私なら物足りなく感じていた
今は違う
その願いが叶えば、私も自然と笑っている
誰かの幸せが
いつの間にか
私の幸せになっている
短冊は
願い事を書く紙じゃない
今の自分を映す紙
短冊は
心の写し鏡なんだ
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