【第209回】 取引所のセキュリティ対策をチェック!コールドウォレット、マルチシグ、保険…どこまで安心?
アリス:「ウサギ先輩、こんにちは!この前、金融庁のお墨付きがある取引所なら安心だって教えていただきましたけど、それでももし、取引所自体に悪い魔法使い、つまりハッカーが忍び込んできたら、私たちの大事なコインは盗まれちゃうんですか…?お店の金庫が破られたら、元も子もないですもんね…?」
ウサギ先輩:「おっと、アリスちゃん、今日も鋭い質問だね!まさにその通り、金融庁のお墨付きは『信頼できるお店ですよ』という証明ではあるけれど、お店自体の金庫の頑丈さ、つまりセキュリティ対策がしっかりしていなければ、元も子もないからね。ふふん、このウサギ先輩が、今日はその『お店の金庫』、取引所のセキュリティ対策の秘密に迫ってみようじゃないか!」
アリス:「わぁ、本当ですか?なんだかドキドキします!私たちの大切な宝物を守るための、秘密の呪文や仕掛けがあるんでしょうか?」
ウサギ先輩:「その通り!まさに、目に見えない魔法の盾や、巧妙な罠が張り巡らされているんだ。さあ、今日は取引所のセキュリティという、ちょっぴりスリリングな冒険に出発しよう!」
取引所のセキュリティ、なぜそんなに大切なの?~過去の事件から学ぶ教訓~
アリス:「ウサギ先輩、そもそもどうして取引所のセキュリティって、そんなに厳重にしなくちゃいけないんですか?普通の銀行の金庫みたいに、ただ頑丈なだけじゃダメなんですか?」
ウサギ先輩:「ふむ、良い質問だね、アリスちゃん。仮想通貨の世界は、良くも悪くもデジタルな世界だからね。物理的な金庫だけでは守りきれない、見えない脅威がたくさん潜んでいるんだ。そして何より、過去にはこのワンダーランドを揺るがすような、大きな盗難事件が実際に起きてしまったからなんだよ。」
アリス:「えぇっ!そうなんですか…?具体的にはどんな事件があったんですか?」
ウサギ先輩:「うん。例えば、みんながまだこの仮想通貨ワンダーランドに足を踏み入れたばかりの頃、2014年に起きたマウントゴックス事件。当時は世界で一番大きなビットコイン取引所だったんだけど、なんと、たくさんのビットコインが忽然と消えてしまったんだ。多くの利用者が、自分の大切な資産を失ってしまった、まさに悲劇だったのさ。」
アリス:「ひえぇ…!そんなことがあったんですね。自分のコインがなくなっちゃうなんて、想像しただけで怖いです…。」
ウサギ先輩:「そうだよね。そして、日本でも2018年にコインチェック事件というのがあって、ネム(NEM)という種類の暗号資産が大量に盗まれてしまった。これもまた、多くの人がショックを受けた大きな事件だった。これらの事件は、取引所がいかに顧客から預かった資産を安全に管理する責任があるか、そして、そのセキュリティ対策がいかに重要かを、私たちに痛いほど教えてくれたんだ。」
アリス:「そうだったんですね…。お店を信じて預けているのに、それがなくなっちゃうなんて、本当に悲しいです。」
ウサギ先輩:「その通り。だからこそ、金融庁もライセンスを出す際に厳しいセキュリティ基準を求めているし、取引所自身も、顧客の信頼を得て、このワンダーランドでビジネスを続けるために、日夜セキュリティ対策に力を入れているんだ。それはもう、お城を守る騎士団が、日夜訓練を積んで、城壁を強化し続けるようなものさ。だって、一度でも破られたら、お城の信用はガタ落ちだからね。」
アリス:「なるほど…。私たちのコインを守るために、取引所の人たちも戦ってくれているんですね!」
ウサギ先輩:「そういうことだね!だからこそ、私たちもどんなセキュリティ対策があるのかを知っておくことが、より安全な取引所を選ぶための一つのヒントになるんだよ。」
最強の金庫番!?「コールドウォレット」の秘密
アリス:「ウサギ先輩、この前のお話でも少し出てきましたけど、コールドウォレットっていうのが、すごく安全な金庫だって聞きました!具体的には、どんなものなんですか?冷蔵庫みたいに冷たいんですか?」
ウサギ先輩:「ふふっ、アリスちゃん、面白い発想だね!確かに名前は『コールド』だけど、冷蔵庫とはちょっと違うんだ。でも、ある意味では『冷たくて安心』と言えるかもしれないね。コールドウォレットというのは、一言で言えば『インターネットから完全に切り離された場所で暗号資産を保管する方法』のことなんだ。」
アリス:「インターネットから切り離されてるんですか?どうしてそれが安全なんですか?」
ウサギ先輩:「それはね、アリスちゃん。仮想通貨を盗もうとする悪いハッカーたちは、主にインターネットを通じて攻撃を仕掛けてくるんだ。だから、インターネットに繋がっていなければ、彼らが手出しをするのがとーっても難しくなる。例えるなら、お城の宝物を、普段はインターネットという大きな道路から離れた、秘密の地下金庫にしまっておくようなものさ。普段使わないお宝だから、厳重に保管しておこう、というわけだね。」
アリス:「なるほど!秘密の地下金庫なら、泥棒も簡単には見つけられないし、入れませんね!」
ウサギ先輩:「その通り!これに対して、日常的に取引で使うためにインターネットに接続されているウォレットのことを『ホットウォレット』って呼ぶんだ。これは、お店のレジのお金みたいに、すぐに出し入れできて便利だけど、その分、常に外部からの脅威に晒されている可能性がある。だから、金融庁は暗号資産交換業者に対して、顧客から預かった暗号資産の大部分は、この安全なコールドウォレットで保管するように義務付けているんだ。これは、以前話したライセンス制度の重要なポイントの一つだね。」
アリス:「大部分って、どれくらいなんですか?」
ウサギ先輩:「うん、具体的な割合は状況によっても変わるけれど、基本的には『顧客から預託を受けた暗号資産と同種かつ同量の暗号資産をコールドウォレットその他の方法で管理する』よう求められているんだ。つまり、いつでも顧客に返せるように、安全な場所にしっかり確保しておく、という考え方だね。ただ、コールドウォレットにも弱点がないわけじゃない。例えば、実際にコインを動かしたい時に、オフラインからオンラインに戻す手間と時間がかかったり、コールドウォレット自体を物理的に盗まれたり紛失したりするリスクもゼロではない。だから、その管理方法も非常に重要になってくるんだよ。」
アリス:「ふむふむ。コールドウォレットはすごく安全だけど、使い方や管理も大切なんですね!」
ウサギ先輩:「まさにその通り!取引所がどんな方法でコールドウォレットを管理しているのか、例えば物理的なセキュリティ対策(金庫室の場所や警備体制など)まで公表しているところは少ないけれど、コールドウォレット運用をしっかりやっていることをアピールしているかは、一つのチェックポイントになるね。」
一人じゃ開けられない宝箱!「マルチシグ」とは?
アリス:「コールドウォレットだけでも、かなり安心できそうな気がしますけど、ウサギ先輩、もしかして、もっともっとすごい守り方もあるんですか?例えば、一人じゃ絶対に開けられない宝箱とか…?」
ウサギ先輩:「おっと、アリスちゃん、良いところに気がついたね!まさに、そんな魔法の宝箱があるんだ。それが『マルチシグ』、正式にはマルチシグネチャと呼ばれる技術だよ。これはね、暗号資産を送金したりする時に、複数の秘密鍵(合言葉)が必要になる仕組みのことなんだ。」
アリス:「複数の合言葉ですか?一つじゃダメなんですか?」
ウサギ先輩:「うん。普通の宝箱なら、合言葉を一つ知っていれば開けられちゃうよね。でも、マルチシグの宝箱は、例えば『3つの合言葉のうち、2つが揃わないと開かない』とか、『5つの合言葉のうち、3つが揃わないと開かない』みたいに設定できるんだ。これを『2 of 3 マルチシグ』とか『3 of 5 マルチシグ』って呼ぶんだよ。」
アリス:「わぁ、それなら、もし一人が悪いことを考えても、他の人の合言葉がないと開けられないんですね!」
ウサギ先輩:「その通り!素晴らしい洞察力だ、アリスちゃん!マルチシグの大きなメリットの一つは、まさにそれ。内部不正の防止に繋がるんだ。例えば、取引所の偉い人が一人でこっそりコインを動かそうとしても、他の担当者の承認(合言葉)がなければ実行できないようにできる。まるで、お城の宝物庫の鍵を、複数の信頼できる騎士に分けて持たせるようなものだね。」
アリス:「なるほど!一人で悪いことはできないようになってるんですね。」
ウサギ先輩:「それだけじゃないんだ。もう一つのメリットは、単一障害点のリスク低減だ。もし、秘密鍵を一つしか使っていなかったら、その鍵が盗まれたり、紛失したりしたら、もうおしまいだよね。でも、マルチシグなら、例えば『2 of 3』の場合、一つの鍵がダメになっても、残りの二つの鍵があれば資産を動かすことができる。バックアップにもなるわけさ。」
アリス:「へぇー!なんだかすごく安心ですね!取引所では、このマルチシグをどんな風に使っているんですか?」
ウサギ先輩:「良い質問だね。多くの取引所では、特に顧客資産を保管しているコールドウォレットの管理や、そこからホットウォレットへ資金を移動させる際、あるいは高額な出金処理を行う際に、このマルチシグ技術を利用しているんだ。そうすることで、一人の担当者のミスや不正、あるいは一つの鍵の漏洩だけでは、大きな被害に繋がらないようにしているのさ。まさに、何重もの鍵で守られた、鉄壁の宝箱というわけだね。ふふん、このウサギ先輩も、自分の大事なニンジンはマルチシグで守りたいくらいだよ!」
アリス:「マルチシグ、とっても賢い仕組みなんですね!これでまた一つ、安心材料が増えました!」
もしもの時の備えは?取引所の「保険」ってどうなってるの?
アリス:「ウサギ先輩、コールドウォレットとかマルチシグとか、取引所が色々な対策をしてくれているのはよく分かりました!でも…それでも万が一、本当に万が一ですけど、何か事故が起きて私たちのコインがなくなっちゃったら…どうなっちゃうんですか?何か、保険みたいなものってあるんでしょうか?」
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