見出し画像

【第212回】 スプレッドの罠に気をつけろ!販売所で見えない手数料を計算してみよう!

アリス:「ウサギ先輩、こんにちは!この前、『販売所』と『取引所』の違いを教えてもらって、販売所は初心者にも操作が簡単だって聞いたんですけど、実はこの前、試しに販売所でちょっとだけビットコインを買ってみたんです。そしたら、なんだか思っていたよりも手に入ったコインの枚数が少なかったような気がして…。これって、もしかして隠れた手数料とかがあるんでしょうか?」

ウサギ先輩:「おや、アリスちゃん、するどいところに気がついたね!ふふん、それはもしかすると、販売所の『スプレッド』という魔法にかかっちゃったのかもしれないね。一見すると手数料無料!なんて書いてあっても、実はこのスプレッドが実質的なコストになっていることがあるんだ。よし、今日の冒険は、そのスプレッドの正体と、販売所で見えない手数料をしっかり計算する方法を、このウサギ先輩がアリスちゃんに伝授しようじゃないか!これでアリスちゃんも、スプレッドの罠を見抜く賢い冒険者になれるはずさ!」

アリス:「わぁ!ありがとうございます、ウサギ先輩!スプレッド…初めて聞く言葉ですけど、なんだかちょっと怖い響きですね…。でも、しっかり学んで、罠にかからないようにしたいです!よろしくお願いします!」


スプレッドって一体何者?~見えない手数料の正体を探る~

アリス:「ウサギ先輩、まず基本的なことから教えてください!スプレッドって、いったい何なんですか?」

ウサギ先輩:「うむ、良い質問だね、アリスちゃん。スプレッドというのは、簡単に言うと、仮想通貨を買うときの値段(買値、英語で言うとAsk)と、売るときの値段(売値、英語で言うとBid)の差額のことなんだ。」

アリス:「買うときの値段と、売るときの値段が違うんですか?スーパーで野菜を買うときは、レジで表示された値段を払うだけなのに…。」

ウサギ先輩:「ふむ、良いところに気づいたね。スーパーの野菜は、お店が『この値段で売りますよ』と決めた一つの価格で取引されることが多いよね。でも、仮想通貨の取引所、特にアリスちゃんが使った『販売所』形式の場所では、同じ瞬間に同じ仮想通貨でも、『この値段で買いたい人がいますよ』という値段と、『この値段で売りたい人がいますよ』という値段が提示されていて、その二つの値段には少しだけ差があるのが普通なんだ。」

アリス:「へぇ~、そうなんですか!例えば、ビットコインが欲しいなって思って販売所を見たら、『買値:505万円』って書いてあって、もし私が持っているビットコインを売りたいなって思って同じ販売所を見たら、『売値:495万円』って書いてある、みたいな感じですか?」

ウサギ先輩:「その通り!まさにその通りだよ、アリスちゃん。この場合、買値の505万円と売値の495万円の差額、つまり10万円がスプレッドということになるんだ。」

アリス:「10万円も!?結構大きな差ですね…!でも、どうしてそんな差があるんですか?同じお店なのに。」

ウサギ先輩:「それにはいくつか理由があるんだけど、一番大きな理由は、それが取引所の利益になるからなんだ。販売所を運営している取引所は、この買値と売値の差額(スプレッド)を収益の一部にしているんだよ。お客さんがコインを買うときは少し高めの値段で、お客さんがコインを売るときは少し安めの値段で取引することで、その差額が取引所の取り分になるというわけさ。」

アリス:「なるほど!じゃあ、スプレッドって、実質的には取引所に支払っている手数料みたいなものなんですね!」

ウサギ先輩:「ご名答!まさにその通り。販売所では『取引手数料無料!』と謳っていても、このスプレッドが実質的なコストとして存在していることが多いんだ。だから『見えない手数料』なんて呼ばれることもあるのさ。」

ウサギ先輩:「他にも、取引所が市場に常に買い注文と売り注文を出して、いつでも取引ができるようにする『マーケットメイク』という活動をしているんだけど、その活動にはリスクも伴うから、そのリスクヘッジやコストの一部としてスプレッドが設定されることもあるんだよ。」

アリス:「ふむふむ。取引所さんの儲け分であり、市場をスムーズにするための潤滑油みたいな役割もあるんですね。」

販売所のスプレッドはなぜ「罠」と言われるの?~初心者が陥りやすい落とし穴~

アリス:「ウサギ先輩、スプレッドが実質的な手数料だってことは分かりました。でも、どうしてそれが『罠』なんて言われることがあるんですか?なんだかちょっとドキドキします…。」

ウサギ先輩:「ふふん、アリスちゃん、怖がらなくて大丈夫だよ。知識があれば、どんな罠だって見抜けるからね。『罠』と言われることがあるのは、主にいくつかの理由があるんだ。」

アリス:「どんな理由なんですか?」

ウサギ先輩:「まず第一に、スプレッドは取引手数料のように『手数料として〇〇円いただきます』と明示されていないことが多いからなんだ。特に販売所では、買値と売値が提示されているだけで、その差額がどれくらいのコストになっているのか、初心者のアリスちゃんにはパッと見では分かりにくいことがある。」

アリス:「確かに!ただ値段が書いてあるだけだと、それが手数料だなんて気づかないかもしれません…。」

ウサギ先輩:「そうだね。一方で、『取引所』形式、いわゆる『板取引』の場所では、取引手数料が『約定代金の0.X%』みたいにハッキリと表示されていることが多い。だから、コストを意識しやすいんだ。でも販売所だと、そのスプレッドがどれくらいの割合のコストになっているのか、自分で計算しないと見えてこない。これが一つ目の『罠』のポイントだね。」

アリス:「自分で計算しないと分からない、見えないコストなんですね…。」

ウサギ先輩:「次に、このスプレッドの大きさは、一定じゃないってことだ。取引所によっても違うし、同じ取引所でも取り扱っている仮想通貨の種類によっても違う。さらに言えば、市場の状況によってもスプレッドは大きく変動することがあるんだよ。」

アリス:「ええっ!?いつも同じじゃないんですか!?」

ウサギ先輩:「そうなんだ。例えば、市場がすごく荒れていて価格が激しく上下しているとき(ボラティリティが高い時)や、あまり人気がなくて取引量が少ないマイナーなコイン(流動性が低いコイン)なんかは、スプレッドが普段よりもグーッと広がりやすい傾向があるんだ。まるで、びっくりしたカメさんが首を引っ込めるみたいにね!」

アリス:「わわわ、じゃあ、知らずにそんな時に取引しちゃったら、思った以上に大きなコストを払ってしまう可能性があるんですね…。」

ウサギ先輩:「その通り。これが二つ目の『罠』のポイント。スプレッドは固定ではなく、状況によって不利な条件になっていることに気づきにくい、ということさ。初心者のうちは、ただ『買える!』『売れる!』という手軽さだけで販売所を選んでしまいがちだけど、実はその裏で、知らず知らずのうちに結構なコストを支払っている可能性があるんだ。」

アリス:「うーん、確かに『簡単だから』って理由だけで選んじゃいそうです…。なんだか、甘いお菓子の家に誘い込まれるヘンゼルとグレーテルみたいですね…。」

ウサギ先輩:「ふふん、うまい例えだね!だからこそ、そのお菓子の家が本当に安全なのか、ちゃんと見極める目が必要なのさ。」

スプレッドを実際に計算してみよう!~アリスの仮想通貨ショッピング体験~

アリス:「ウサギ先輩!スプレッドの怖さが少し分かってきました…。でも、実際にどれくらいのコストになっているのか、自分で計算できるようになりたいです!教えてください!」

ウサギ先輩:「よしきた、アリスちゃん!その意気や良し!実際に計算してみれば、スプレッドの正体がもっとハッキリ見えるはずだよ。さあ、アリスちゃんの仮想通貨ショッピング体験を通して、一緒に計算してみようじゃないか!」

アリス:「はいっ!」

ウサギ先輩:「じゃあ、まず例題だ。アリスちゃんが、とある販売所でビットコインを1BTC買おうとしているとしよう。その時の市場のビットコインの価格(これを仲値と呼んだりするよ。買値と売値のちょうど真ん中くらいのイメージだ)は、仮に1BTC = 500万円だったとするね。」

アリス:「はい、1BTC = 500万円ですね。」

ウサギ先輩:「そして、アリスちゃんが見ている販売所の画面には、こう表示されていたとしよう。」

  • 買値(アリスちゃんが買う値段): 1BTC = 505万円

  • 売値(アリスちゃんが売る値段): 1BTC = 495万円

アリス:「わ、さっきの例と同じ数字です!この場合、スプレッドは505万円 - 495万円 = 10万円ですよね?」

ウサギ先輩:「その通り!素晴らしいね、アリスちゃん。じゃあ、アリスちゃんがこの販売所で1BTCを買った場合、市場の仲値である500万円と比べて、どれだけ多く支払ったことになるかな?」

アリス:「えっと…市場では500万円なのに、私は505万円で買ったから…505万円 - 500万円 = 5万円多く支払ったことになります!」

ウサギ先輩:「正解!この5万円が、アリスちゃんが支払った実質的なコストの一部と考えることができるんだ。これを『スプレッドコスト』と呼ぶことにしよう。この場合は、買値と仲値の差だね。」

ウサギ先輩:「もっと分かりやすく、もしアリスちゃんが1BTCを505万円で買って、すぐに同じ販売所で売ろうとしたらどうなるかな?売値は495万円だから…」

アリス:「505万円で買って、495万円で売るから…わわ!10万円も損しちゃいます!これがスプレッドそのものの大きさですね!」

ウサギ先輩:「そうだね。売買を往復すると、この10万円分のスプレッドが丸々コストになるのがよく分かるだろう。これが、販売所における取引の隠れたコストなんだ。」

ウサギ先輩:「じゃあ、このスプレッドが、取引金額に対してどれくらいの割合になっているのか、スプレッド率も計算してみようか。スプレッド率の計算方法はいくつかあるけど、ここでは簡単な方法として、『スプレッド額 ÷ 買値 × 100』で計算してみよう。」

アリス:「はい!スプレッド額が10万円で、買値が505万円だから… (10万円 ÷ 505万円) × 100 = 約1.98% です!」

ウサギ先輩:「お見事!つまり、この取引では約1.98%がスプレッドコストとしてかかっている、と考えることができるね。もし『取引所』形式で取引手数料が0.1%だとしたら、それと比べるとかなり大きな差があるのが分かるだろう?」

アリス:「本当ですね…!1.98%って、結構大きい数字です…。もし100万円分買ったら、約1万9800円もスプレッドで消えちゃうってことですか…?」

ウサギ先輩:「そういう計算になるね。もちろん、これはあくまで例だけど、スプレッドの大きさをパーセンテージで把握しておくことは、とても大切なんだ。」

ウサギ先輩:「じゃあ、もう一つ例題。今度はアリスちゃんが、あるアルトコイン『ワンダーコイン(WDC)』を100WDC買おうとしているとしよう。市場の仲値は1WDC = 100円。販売所の表示はこうだ。」

  • 買値: 1WDC = 103円

  • 売値: 1WDC = 97円

アリス:「はい!この場合のスプレッドは、103円 - 97円 = 6円ですね!もし100WDC買ったら、市場の仲値だと100円×100WDC = 1万円なのに、販売所だと103円×100WDC = 1万300円かかります。だから、スプレッドコストは300円ですね!」

アリス:「そしてスプレッド率は… (6円 ÷ 103円) × 100 = 約5.82% です!わわっ、さっきのビットコインよりずっと高いです!」

ウサギ先輩:「その通り!よく計算できたね、アリスちゃん。このように、アルトコイン、特に取引量の少ないコインは、ビットコインのような主要なコインに比べてスプレッドが広くなる傾向があるんだ。これも注意が必要なポイントだね。」

アリス:「なるほど…。コインの種類によってもスプレッド率が全然違うんですね。これはちゃんと確認しないと、気づかないうちに大きな損をしてしまいそうです…。」

ウサギ先輩:「ふふん、その通りだよ。でも、こうして実際に計算してみることで、スプレッドという見えない手数料が、どれくらい自分の資産に影響を与えるのか、具体的にイメージできるようになったんじゃないかな?」

アリス:「はい!なんだか、モヤモヤしていた霧が晴れたような気分です!」

スプレッドの大きさを比較するポイント~賢い冒険者の情報収集術~

アリス:「ウサギ先輩、スプレッドを計算する方法は分かりました!でも、このスプレッドって、いつも同じじゃないんですよね?どうやって比較したり、気をつけたりすればいいんでしょうか?」

ウサギ先輩:「良い質問だね、アリスちゃん。スプレッドの大きさを把握して比較することは、販売所を賢く利用するための重要なステップだよ。いくつかポイントを教えよう。」

ここから先は

5,277字

¥ 300

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?