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【第272回】 海外取引所が破綻したら?FTX事件の教訓と自己防衛策

アリス:「ウサギ先輩、こんにちは!最近、ニュースで大きな海外の仮想通貨取引所が突然破綻したっていうのを見て、なんだかすごく怖くなっちゃったんです…。私たちの大切なコインは、一体どうなっちゃうんでしょうか?」

ウサギ先輩:「おやおや、アリスちゃん。そのニュース、きっとFTX事件のことだね。確かに、あれは仮想通貨の世界に大きな衝撃を与えた大事件だった。きらびやかに見えたワンダーランドの宮殿が、一瞬にして崩れ落ちるような光景は、多くの冒険者たちを不安にさせたことだろう。でもね、アリスちゃん、そんな時だからこそ、冷静に事実を見つめ、そこから教訓を学び、そして賢く自分自身を守る方法を身につけることが大切なんだ。ふふん、このウサギ先輩にかかれば、どんな恐ろしい事件の真相も、分かりやすく解き明かしてみせるさ!今日は、なぜ海外取引所が破綻することがあるのか、そしてあのFTX事件から私たちが学ぶべきこと、さらにはアリスちゃんでもできる自己防衛策まで、じっくりと解説していこうじゃないか!」

アリス:「はい、ウサギ先輩!しっかり学んで、自分の宝物を守れるようになりたいです!」


なぜ海外取引所は破綻するのか?~キラキラした宮殿の脆い土台~

アリス:「ウサギ先輩、そもそもどうしてあんなに大きな会社、たくさんの人が使っているような仮想通貨取引所が、急に潰れちゃうことがあるんですか?信じられないです…。」

ウサギ先輩:「うむ、アリスちゃんのその疑問はもっともだ。一見、堅牢に見える宮殿も、その土台が脆ければあっという間に崩れてしまうことがある。海外取引所が破綻に至る主な理由としては、いくつかのパターンが考えられるんだ。」

流動性の危機(取り付け騒ぎ)

ウサギ先輩:「まず一つ目は、『流動性の危機』だね。これは、銀行で言うところの『取り付け騒ぎ』に似ている。何か悪い噂が広まったり、取引所の経営状態に不安が生じたりすると、多くのユーザーが一斉に自分の資産を引き出そうとする。取引所が、その引き出し要求の全てに応えられるだけの十分な現金や仮想通貨(つまり流動性)を持っていなければ、支払いが滞り、最悪の場合、破綻してしまうんだ。」 アリス:「みんなが一気に『返して!』って言ったら、対応できなくなっちゃうってことですね…。」 ウサギ先輩:「その通り。特に、取引所が顧客から預かった資金を、すぐに現金化できないような長期の投資に回していたり、関連会社に貸し付けていたりすると、このリスクは高まる。短期的な負債(顧客の預金)と長期的な資産のバランスが崩れると、あっという間に資金繰りが悪化してしまうのさ。」

運営の不透明性・不正

ウサギ先輩:「次に深刻なのが、『運営の不透明性や不正』だ。これは、FTX事件の核心とも言える部分だね。取引所の経営陣が顧客から預かった資産を、顧客に無断で自分たちの関連会社の危険な投資に流用したり、自分たちの発行するトークンを担保に不適切な融資を行ったりするケースだ。」 アリス:「ええっ!お客さんのコインを勝手に使っちゃうなんて、そんなの泥棒じゃないですか!」 ウサギ先輩:「まさにその通りだ、アリスちゃん。分別管理(取引所の資産と顧客の資産を分けて管理すること)が徹底されていなかったり、会計処理が杜撰だったりすると、こうした不正が起こりやすくなる。そして、それが明るみに出た時、取引所の信用は失墜し、破綻へと繋がるんだ。」

セキュリティの脆弱性(ハッキング)

ウサギ先輩:「三つ目は、『セキュリティの脆弱性』、つまりハッキングによる資産流出だ。これは仮想通貨業界の初期から何度も繰り返されてきた悲劇で、かの有名なマウントゴックス事件も、大規模なハッキングが破綻の大きな原因の一つだった。」 アリス:「ハッカーにコインを盗まれちゃったら、お客さんに返せなくなっちゃいますもんね…。」 ウサギ先輩:「そうだね。取引所は莫大な額のデジタル資産を扱っているため、常にハッカーの標的となっている。どれだけ強固なセキュリティ対策を施しているつもりでも、新たな攻撃手法によって突破されてしまう可能性はゼロではない。そして一度、大量の資産が流出すれば、取引所の存続は極めて困難になる。」

規制の欠如・緩さ

ウサギ先輩:「四つ目として、『規制の欠如・緩さ』も無視できない要因だ。一部の海外取引所は、意図的に規制の緩い国や地域を拠点として運営されていることがある。そういった場所では、顧客資産の保護義務や内部統制に関するルールが不十分な場合があり、結果として不正や杜撰な経営がまかり通りやすくなってしまうんだ。」 アリス:「ちゃんとルールがないと、やりたい放題になっちゃうかもしれないんですね。」 ウサギ先輩:「そういうことだ。もちろん、全ての未登録業者が危険というわけではないが、規制が整備されていない環境は、リスクを高める一因となり得る。」

市場の急変動

ウサギ先輩:「最後に、仮想通貨市場そのものの『急変動』も、取引所の破綻を引き起こすトリガーになることがある。仮想通貨の価格は非常にボラティリティ(価格変動性)が高いため、市場が急落すると、取引所が保有する資産の価値も急減する。また、多くのユーザーが損失を恐れて一斉に売却に走ったり、レバレッジ取引で大きな損失を被る顧客が続出したりすると、取引所の財務状況は一気に悪化する。土台が元々脆かった取引所にとっては、市場の嵐がとどめの一撃となることがあるのさ。」

アリス:「色々な原因が複雑に絡み合って、破綻が起こるんですね…。」 ウサギ先輩:「その通り。そして、これらの要因が一つではなく、複数組み合わさって大惨事を引き起こすことも少なくないんだ。」

FTX事件とは何だったのか?~悲劇のワンダーランド~

アリス:「ウサギ先輩、それで、あのFTX事件っていうのは、具体的に何がどうなって、あんなに大騒ぎになったんですか?ニュースを見ていても、難しくてよく分からなかったんです…。」

ウサギ先輩:「よし、アリスちゃん。あの衝撃的な事件について、できるだけ分かりやすく、物語を紐解くように説明しよう。FTXは、かつては仮想通貨界の若き天才、サム・バンクマン=フリード(通称SBF)氏が率いる、世界でも有数の巨大取引所だった。まるで魔法のように急成長し、多くの著名人や企業とも提携し、その影響力は絶大だったんだ。」

アリス:「そんなにすごかった取引所が、どうして…?」

ウサギ先輩:「物語が暗転し始めたのは、2022年の11月頃。仮想通貨関連のニュースサイト『CoinDesk』が、FTXの姉妹会社である投資会社『アラメダ・リサーチ』の財務状況に関する衝撃的な記事を報じたんだ。その内容は、アラメダ・リサーチの資産の大部分が、FTXが発行する独自トークン『FTT』に大きく依存しているというものだった。」 「これは、いわばタコが自分の足を食べているようなもので、FTTトークンの価格が下落すれば、アラメダ・リサーチの財務は一気に悪化し、それはFTX本体にも大きな影響を及ぼす可能性を示唆していた。」

アリス:「なんだか、危ない橋を渡っている感じですね…。」

ウサギ先輩:「その通り。そして、この報道をきっかけに、事態は雪崩を打ったように悪化していく。世界最大の仮想通貨取引所であるBinance(バイナンス)のCEO、チャンポン・ジャオ(通称CZ)氏が、保有する大量のFTTトークンを売却すると発表したんだ。これが市場に大きな不安を与え、FTTトークンの価格は急落。そして、FTXから資金を引き出そうとするユーザーが殺到する、いわゆる『取り付け騒ぎ』が発生した。」

アリス:「うわぁ…さっき言っていた流動性の危機ですね!」

ウサギ先輩:「まさにそうだ。FTXは次々と押し寄せる出金要求に対応できなくなり、ついには出金を停止。その後、一時的にBinanceによる救済買収の可能性も報じられたが、BinanceがFTXの財務状況を精査した結果、問題が深刻すぎるとして買収は撤回されてしまった。」 「そして、万策尽きたFTXは、2022年11月11日、アメリカで連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請し、経営破綻した。かつてのヒーローだったSBF氏もCEOを辞任。その後の調査で明らかになったのは、FTXが顧客から預かっていた数十億ドルもの資産が、アラメダ・リサーチの損失補填や危険な投資に不正に流用されていたという、衝撃的な事実だったんだ。」

アリス:「お客さんのコインを勝手に…!ひどすぎます!」

ウサギ先輩:「顧客資産の分別管理は全く行われておらず、会計管理も極めて杜撰だったことが次々と暴露された。SBF氏はその後、バハマで逮捕され、アメリカに送還。詐欺やマネーロンダリングなど、数々の罪で起訴され、長い裁判の末に有罪判決が下された。」 「FTX事件は、一人のカリスマ経営者の光と影、仮想通貨業界の急成長の裏に潜むリスク、そして何よりも顧客保護の重要性を、改めて世界に突きつけた大事件だったと言えるだろうね。」

アリス:「なんだか、壮大な映画みたいなお話ですけど、これが本当にあったことなんですね…。たくさんの人が悲しい思いをしたんだろうな…。」

ウサギ先輩:「その通りだ、アリスちゃん。多くのユーザーが、FTXに預けていた大切な資産を失い、あるいは長期間引き出せない状態になってしまった。この悲劇から、私たちはしっかりと教訓を学ばなければならないんだ。」

FTX事件から学ぶべき教訓~アリス、賢者の石版を読む~

アリス:「FTX事件から、私たちは何を一番学んで、今後に活かしていけばいいんでしょうか?同じようなことが起こらないように…。」

ウサギ先輩:「良い質問だ、アリスちゃん。賢者の石版に刻むべき教訓は、いくつかある。しっかりと胸に刻んでおこう。」

  1. 「Not your keys, not your coins(あなたの鍵でなければ、あなたのコインではない)」の原則 ウサギ先輩:「これは仮想通貨の世界で古くから言われている言葉だが、FTX事件は改めてこの原則の重みを教えてくれた。取引所に預けている仮想通貨は、厳密には自分のウォレットで秘密鍵を管理しているわけではない。つまり、究極的には取引所の管理下にあり、取引所が破綻したり、ハッキングされたり、あるいは不正を働いたりすれば、自分の資産も危険に晒されるということだ。」 アリス:「自分の金庫にしまっておかないと、本当の意味で自分のものではない、ってことですね。」

  2. 中央集権型取引所(CEX)のカウンターパーティリスク ウサギ先輩:「FTXのような中央集権型取引所(CEX)を利用するということは、常に『カウンターパーティリスク』(取引相手が契約を履行しないリスク)を負うことになる。どんなに大きく、信頼されているように見える取引所でも、そのリスクはゼロにはならないということを肝に銘じるべきだ。」

  3. 「Too big to fail(大きすぎて潰せない)」は幻想 ウサギ先輩:「伝統的な金融の世界では、巨大な金融機関が破綻しそうになると、経済全体への影響を恐れて政府が救済することがある。『大きすぎて潰せない』というわけだ。しかし、仮想通貨の世界では、少なくとも現時点では、そのような公的な救済は期待できない。FTXほどの巨大企業ですら、あっけなく破綻したという事実は重い。」

  4. 情報の透明性の重要性と限界 ウサギ先輩:「FTX事件後、多くの取引所が『Proof of Reserves(PoR:準備金の証明)』といって、顧客から預かっている資産と同等以上の資産を実際に保有していることを示そうとする動きが活発になった。これは透明性を高める良い試みだが、PoRだけでは負債の情報が隠されていたり、監査が不十分だったりする可能性もあり、万能ではないことを理解しておく必要がある。」

  5. 分別管理の徹底(日本と海外の違い) ウサギ先輩:「日本では、金融庁に登録された暗号資産交換業者は、法律によって顧客の資産と取引所自身の資産を分けて管理する『分別管理』が義務付けられている。これにより、万が一取引所が破綻しても、顧客の資産はある程度保護される仕組みになっている。しかし、海外の全ての取引所が同様の厳しい規制下にあるわけではない。FTXのように、分別管理が全く行われていないケースも存在した。」

  6. 噂やFUD(恐怖・不確実性・疑念)への対応 ウサギ先輩:「市場に悪い噂が流れた時、それが単なるFUDなのか、それとも本当に危険な兆候なのかを見極めるのは非常に難しい。しかし、FTX事件では、初期の報道やSNSでの警告に耳を傾け、迅速に資金を移動させた人々は難を逃れたケースもある。情報を鵜呑みにするのは危険だが、常にアンテナを張り、危険を察知したら素早く行動することも時には必要だ。」

アリス:「たくさんの教訓がありますね…。どれも大切そうです。」 ウサギ先輩:「そうだね。これらの教訓を心に留めておけば、今後の冒険で同じような悲劇に巻き込まれるリスクを減らすことができるはずだよ。」

アリスでもできる!自己防衛策~破綻リスクから資産を守る魔法の盾~

アリス:「私たちユーザーが、取引所の破綻リスクから自分の大切なコインを守るために、具体的にできることって何かありますか?魔法の盾みたいなものがあったらいいんですけど…。」

ウサギ先輩:「ふふん、アリスちゃん。魔法の盾そのものはなくても、それに近い効果を持つ『自己防衛策』なら、いくつか伝授できるよ。これらを実践すれば、破綻リスクを完全にゼロにすることはできなくても、大きく減らすことは可能なはずだ。」

  1. 取引所の分散 ウサギ先輩:「まず基本中の基本は、『取引所の分散』だ。全ての卵を一つのかごに盛ってはいけない、という格言の通り、全資産を一つの取引所に集中させるのは非常に危険だ。複数の取引所に口座を開設し、資産を分散して保管することで、万が一どれか一つの取引所が破綻しても、全ての資産を失うリスクを避けることができる。」 アリス:「色々なカゴに分けて入れておく、ってことですね!」

  2. 自己ウォレットでの資産管理(特にコールドウォレット) ウサギ先輩:「先ほどの教訓『Not your keys, not your coins』を実践する最良の方法は、取引所に預けっぱなしにせず、自分で秘密鍵を管理する『自己ウォレット』に資産を移すことだ。特に、インターネットから完全に隔離された『コールドウォレット』(ハードウェアウォレットやペーパーウォレットなど)は、ハッキングリスクを大幅に低減できる、まさに魔法の盾に近い存在と言えるだろう。取引所に置くのは、日常的に取引するのに必要な最低限の資金だけにして、長期保有する資産はコールドウォレットで安全に保管するのが賢明だ。」

  3. 取引所の選定基準を厳しくする ウサギ先輩:「どの取引所を利用するかを選ぶ際には、以下の点を慎重にチェックしよう。」

    • ライセンスと規制:日本の金融庁に登録されている業者か?海外の取引所であれば、どこの国の規制下にあり、その規制は信頼できるものか?

    • セキュリティ対策:二段階認証はもちろん、顧客資産の大部分をコールドウォレットで管理しているか、サイバーセキュリティ保険に加入しているかなど、具体的な対策を確認しよう。

    • 財務状況の透明性:Proof of Reservesを定期的に公開しているか?第三者機関による監査を受けているか?

    • 評判と実績:長年の運営実績があるか?過去に大きなトラブル(ハッキング、長期の出金停止など)を起こしていないか?ユーザーコミュニティでの評判はどうか?

  4. 情報の収集と警戒 ウサギ先輩:「利用している取引所に関するニュースやSNSでの情報には、常に注意を払おう。特に、経営陣に関するネガティブな噂、出金遅延の報告、不自然なトークンの動きなど、危険な兆候を見逃さないように。ただし、情報源の信頼性も見極める必要がある。」

  5. 少額からの利用 ウサギ先輩:「特に新しい海外取引所や、まだあまり情報がない取引所を利用する際は、いきなり大金を預けるのではなく、まずは失っても問題ない程度の少額から試してみることが大切だ。使い勝手やサポート体制、出金のスムーズさなどを確認してから、本格的な利用を検討しよう。」

  6. ステーキングやレンディングのリスク再認識 ウサギ先輩:「取引所が提供するステーキングやレンディングサービスは、魅力的な金利を提供することがあるが、これらのサービスに預けている資産も、取引所が破綻すれば危険に晒される。高利回りにはそれ相応のリスクが伴うことを忘れずに、利用は慎重に。」

  7. トラベルルールなど規制動向の把握 ウサギ先輩:「海外取引所の利用に関する法律や規制は、国によって異なり、また頻繁に変わることがある。例えば、トラベルルール(暗号資産の送金時に送受金者の情報を通知する義務)のような国際的な規制が、海外取引所の利用に影響を与える可能性もある。常に最新の情報を把握しておくよう努めよう。」

アリス:「たくさんありますけど、どれも自分の資産を守るためには欠かせないことばかりですね!コールドウォレット、私もちゃんと使えるようになりたいです!」 ウサギ先輩:「その意気だ、アリスちゃん!知識と実践こそが、最強の自己防衛策となるのさ。」

もしも取引所が破綻してしまったら?~絶望の淵からの脱出路(あれば…)~

アリス:「それでも…もしも、万が一、自分が使っている取引所が破綻してしまったら…。もう、預けていたコインは絶対に戻ってこないんでしょうか…?考えただけでも、目の前が真っ暗になりそうです…。」

ウサギ先輩:「うむ…アリスちゃんのその不安な気持ちはよく分かる。取引所の破綻は、ユーザーにとって悪夢以外の何物でもないからね。残念ながら、預けていた資産が全額、そしてすぐに戻ってくる保証はどこにもないのが現実だ。」

「破綻した場合、通常はその国の法律に基づいて破産手続きが進められる。裁判所が破産管財人を選任し、取引所の残存資産を調査・回収し、それを債権者(つまり、資産を預けていたユーザーたち)に分配することになる。しかし、このプロセスは非常に時間がかかることが多い。かのマウントゴックス事件では、破綻から10年以上経った今でも、完全な弁済には至っていないんだ。」

アリス:「10年も…そんなに長い間、自分のコインがどうなるか分からないなんて、耐えられないです…。」

ウサギ先輩:「そうだね。そして、回収できる資産が顧客の預かり資産総額に満たない場合(不正流用やハッキングで資産が失われている場合など)は、預けた資産の一部しか戻ってこない可能性が高い。FTXの場合も、顧客への返済原資がどれだけ確保できるかは、まだ不透明な部分が多い。」

「日本の金融庁に登録された暗号資産交換業者であれば、先ほども話した『分別管理』が義務付けられているため、顧客資産はある程度保護されることが期待できる。また、交換業者が加入する業界団体が、破綻時の補償制度を設けている場合もある。しかし、規制の緩い海外の未登録業者を利用していた場合は、そのような保護が受けられない可能性が高い。」

アリス:「やっぱり、日本の取引所の方が、少しは安心できるんでしょうか…。」

ウサギ先輩:「一概には言えないが、日本の法律による保護が及ぶ範囲内であれば、そう言える側面もあるだろうね。海外取引所の場合、破綻した際にどの国の法律が適用され、どのような手続きが進むのかは、その取引所の拠点や規約によって大きく異なる。ユーザーとしては、破産手続きの情報を注意深く追い、必要であれば弁護士に相談したり、他の被害者と連携して集団訴訟を起こしたりといった対応が必要になることもある。」

「絶望的な状況に思えるかもしれないが、諦めずに情報を収集し続け、自分にできる限りの行動を起こすことが重要だ。そして何よりも、このような事態に陥らないために、先ほど話した自己防衛策を徹底することが、一番の対策となるんだよ。」

アリス:「はい…。本当に、自分の身は自分で守らないといけないんですね…。」

ウサギ先輩のちょっと一息コラム:マウントゴックスの亡霊と、失われたビットコインの都市伝説

やあ、みんな!ちょっとウサギ先輩の昔話に付き合ってくれるかい?今日のテーマは海外取引所の破綻だったけど、この手の話になると、どうしても「マウントゴックス」という名前が亡霊のように蘇ってくるんだ。

2014年に破綻したマウントゴックスは、当時、世界のビットコイン取引の7割以上を扱っていたと言われる巨大取引所だった。その突然の閉鎖と、約85万BTC(当時の価値で約500億円、今の価値なら…計算するのも恐ろしいね!)ものビットコインが「消えた」というニュースは、仮想通貨の世界だけでなく、一般社会にも大きな衝撃を与えた。「ビットコインは終わった」なんて声も、当時はよく聞かれたものさ。

この事件の原因は、長年にわたるハッキング被害と、経営陣の杜撰な管理体制だったと言われている。そして、破綻から10年以上が経過した今でも、債権者への弁済は遅々として進まず、多くの人々が待ち続けている。まさに、仮想通貨業界における「負の遺産」の一つだね。

ところで、このマウントゴックス事件で「消えた」とされるビットコインの一部は、後にハッキングによるものだと判明したり、偶然発見されたりしたんだけど、それでもまだ行方が分からないものが大量にある。そして、こういう「失われたビットコイン」には、まことしやかな都市伝説が付きまとうものなんだ。

「ある日突然、その大量のビットコインが市場に動き出すのではないか?」 「実は、どこかの国の諜報機関が秘密裏に管理しているのでは?」 「サトシ・ナカモトの隠し資産と関係があるのでは?」

なんてね。まるで、海賊の隠し財宝を探すようなロマンすら感じさせる。もちろん、そのほとんどは根拠のない憶測に過ぎないんだけど、それだけビットコインという存在が、人々の想像力を掻き立てるということなんだろう。

FTX事件も、その規模と衝撃の大きさから、将来、マウントゴックスのように語り継がれる「伝説の事件」の一つになるのかもしれない。そして、そこから失われた資産を巡る新たな都市伝説が生まれるかも…なんて考えると、ちょっと不謹慎だけど、ワクワクしなくもないね。

まあ、そんな都市伝説に夢を馳せるのもいいけれど、我々冒険者は、まず自分の足元をしっかりと固めることが肝心だ。歴史から学び、同じ過ちを繰り返さない。それが、このワンダーランドで生き残り、そして宝物を見つけるための鉄則だよ。くれぐれも、自分が「失われたコインの伝説」の主人公にならないように、ね!

まとめ

アリス:「今日の話は、なんだか背筋がゾクゾクするような、でも、絶対に知っておかなきゃいけない大切なことばかりでした。海外取引所って、たくさんのコインがあって便利だなって思っていたけど、FTX事件みたいな大きな破綻が起こり得るんだって思うと、本当に怖いですね…。でも、ウサギ先輩が教えてくれた『Not your keys, not your coins』の言葉や、コールドウォレットで自分で管理することの大切さ、取引所をちゃんと選ぶこと、そして何より情報をしっかり集めて警戒すること…そういう自己防衛策をちゃんと実行すれば、少しは安心して冒険を続けられるのかなって思いました。FTX事件は、決して他人事じゃないんですね。」

ウサギ先輩:「うむ、アリスちゃん、今日の学びは非常に重く、そして重要なものだった。この仮想通貨ワンダーランドは、魅力的な宝物に満ち溢れている一方で、時として恐ろしい落とし穴も隠されている。特に海外取引所という魔法の市場は、その利便性と多様性の裏側に、今日話したような破綻のリスクが常に潜んでいることを忘れてはならない。しかし、恐れるだけでは冒険は始まらない。FTX事件のような悲劇から教訓を学び、正しい知識と慎重さ、そして賢明な自己防衛策という名の『魔法の盾』を身につけること。それこそが、この変化の激しいワンダーランドで、アリスちゃん自身と、アリスちゃんの大切な宝物を守り抜くための唯一の方法なのさ。さあ、今日の教訓を胸に、これからも一歩ずつ、賢い冒険者へと成長していこうじゃないか!」

次回予告

アリス:「FTX事件みたいな怖い話を聞くと、海外取引所ってやっぱり危険なのかな…って思っちゃいますけど、それでも、日本にはない珍しいコインがあったり、色々なサービスがあったりするのを見ると、やっぱり気になっちゃいます。なんだかんだ言って、世界の市場って広くて、刺激的ですもんね!」

ウサギ先輩:「ほう、アリスちゃん。今日の試練を乗り越えて、なおも世界の広大な市場への好奇心を失わないとは、さすが未来の大冒険家だ!確かに、海外取引所にはリスクもあるが、それを理解した上で賢く付き合えば、日本の取引所だけでは得られない多くのチャンスが眠っているのもまた事実。よし、次回は、これまで学んできた海外取引所の魅力や注意点、そしてFTX事件のようなリスクを改めて胸に刻みつつ、この『海外取引所編』の総まとめをしようじゃないか!アリスちゃんが、これから世界の市場で賢く立ち回るための、最後の仕上げの授業だ!『【第273回】アリス「世界の市場は広くて刺激的ね!」~海外取引所編まとめ~』お楽しみに!きっと、アリスちゃんの冒険の視野が、ぐーんと広がるはずだよ!」

☕ 冒険の心得コーナー ☕

アリス:「ウサギ先輩! 今日のお話もすっごく面白かったです! なんだか、この記事を読んでいたら、私も仮想通貨を買ってみたくなっちゃいました!」

ウサギ先輩:「おっと、アリスちゃん、その気持ちはよく分かるよ。でも、焦りは禁物だ。この冒険記は、あくまで不思議の国の仕組みを知るための『地図』みたいなものさ。『宝の地図』じゃないんだ。」

アリス:「宝の地図じゃない…?」

ウサギ先輩:「そう。これは『ここでコインを買いなさい』なんていう投資のアドバイスをするものでは決してないんだ。投資っていうのは、自分自身でよーく勉強して、失っても生活に困らないお金の範囲で、自分の判断と責任でするものなんだよ。そこを間違えると、ワンダーランドで迷子になっちゃうからね。このお約束は、絶対に守ってほしいな。」

アリス:「はい、わかりました! 自分の責任で、ですね! でも、もしこの記事の情報が間違っていたらどうしよう…って、ちょっと心配にもなりました。」

ウサギ先輩:「良いところに気がついたね、アリスちゃん。このウサギ先輩も、できるだけ正確な情報をお届けしようと頑張っているけど、この世界は変化が光の速さだからね。情報が古くなったり、勘違いしたりすることもあるかもしれない。だから、もし読者のみんなの中で『あれ? ここの情報、ちょっと違うかも』って気づいた人がいたら、ぜひ優しく教えてくれると助かるんだ。みんなでこの冒険記を、もっと素敵なものに育てていきたいからね!」

アリス:「みんなで作る冒険記なんですね! なんだか素敵です!」


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