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【社内教育】『感覚でやれ』の正体。無意識のスキルを言語化する4つのステップ

先日、「無意識的有能」という投稿をしました。

仕事を言語化することを信条としていた私が、
最も得意な仕事をうまく言語化できなかった。

これは、無意識的有能と呼ばれています。

今回は、無意識的有能についてまとめてみます。



1.学習のプロセスは4段階

人間が何かを習得する時は、4つの段階を踏みます。


1.無意識的無能(知らないし、できない)

スキルや課題の存在自体を知らず、できない状態。

やり方をそもそも知らないわけですから、
よっぽどの天才でもない限り、
できるわけありません。

全ての学習はここから始まります。



2.意識的無能(知っているが、できない)

やり方は理解したが、うまくできない状態。

ここに当てはまることが多い気がします。

私自身は、英語の学習でこれを感じました。
学校のテストで良い成績を収められても、
いざ短期留学で現地に行くと全く使えない。

インプットの量以上にアウトプットをして
自分のものにすることが重要です。


Geiminiは、
「一番ストレスがかかる状態」と説明しています。

そりゃそうです。
やり方はわかっているのにうまくできない。

自分の力不足(無能)を
突き付けられているわけですから。



3.意識的有能(意識すれば、できる)

頭の中で確認し注意を集中すれば再現できる状態。

ようやく「できる」フェーズに入りました。
説明書を見ながらだったらできる状態といった所。


手順のひとつひとつを理解はできているので、
「言語化」できている状態です。

私が日頃の仕事や教育において重視していたのは、
「意識的有能」を作り出すことだったようです。


手順を確認とは言っていますが、
ここで大切なのは「頭の中で」の部分。

あくまでも他者による説明ではなくて、
自分で確認できる状態なので、
「言語化」できていないとこれは達成できません。


4.無意識的有能(意識しなくてもできる)

体や脳が完全に覚えており、無意識にできる状態。

今回の本題です。
できるの最上級は「無意識にできる」状態。

作業化できている状態で、
ストレスは非常に少ないと思われます。

「意識しなくてもできる」と言うと、
天才しかできなさそうな感じもしますが、
「意識的有能」の習熟度を上げていくことで、
「無意識的有能」に到達することもあります。



ちなみに、
これらの段階を「車の運転」に例えてみると、

最初は助手席で何も考えていなかったのが(第1段階)
教習所でクラッチやブレーキの難しさに絶望し(第2段階)
「右よし、左よし、ミラーを見て…」と緊張しながら運転し(第3段階)
友達と会話しながらでも問題なく目的地に着けるようになる(第4段階)

というプロセスです。



2.無意識的有能のメリット・デメリット

では、無意識的有能について深堀してみます。


メリット:疲れず高いパフォーマンス

2つのメリットを紹介します。


脳のメモリ(リソース)を消費しない

基本動作を脳の「自動処理」に任せられるため、
マルチタスクをこなしたり、
突発的なトラブルに対しても、
瞬時にクリエイティブな判断を下したりする
余裕が生まれます。


②圧倒的なスピードと処理能力

ロジックを1から組み立てる時間を割愛できるため、
判断や行動のスピードが他を圧倒します。


仕事をしていて、ミスが起こりやすいのは、
「考えること」が多い仕事です。

いかに考える工程を減らせるか、
それはすなわち、「無意識」でできるかということ。

ただ、無意識でやればいいわけではありません。

’’無意識で高いパフォーマンスが出せること’’

ここに無意識的有能の本質があることを
忘れてはなりません。



デメリット:ブラックボックス化

しかし、マネジメントや組織の仕組み化という視点に立ったとき、
この無意識的有能は「最大のボトルネック」に化けることがあります。

「なぜできるのか、本人にも説明できない」

最初からできてしまったことや、
長年の経験で第4段階にまで昇華されたスキルは、
本人にとっては「呼吸」と同じ。

部下から
「どうやって息を吸ってるんですか?」
と聞かれても、

「いや、普通に吸えば吸えるよ」
と答えてしまいます。


私が教育において一番いやな、

「そのうちわかるよ」

の正体がここにありました。


ベテランの言う「長年の勘」や「感覚」は、
無意識的有能だったのです。


しかしこれでは、
若手に「再現」してもらうことができません。


3.実は存在する5段階目「マエストロ」

無意識的有能の状態になってしまったら、
「再現性」を伝承することは難しいのでしょうか。

しかし無意識的有能には次のステージがあります。

それは、

【無意識的有能の意識的再現】
マエストロ


もう漢字が多すぎてよくわかりません

’’無意識的有能を言語化して
意識的にできるようにしようぜ’’

ということです。


無意識的有能を説明できない理由のひとつは、
言語化してきていないから

意識的にやらなければいけなかった
第2段階や第3段階と異なり、
最初からできてしまう場合もある、無意識的有能。


それをあえて言語化することで
再認識することができます。

①無意識判断の瞬間を把握する

無意識の判断は、
脳が特定の状況になった瞬間に発動します。

まずはその瞬間の状況を整理します。

  • 当時の客観的な「数字」や「状態」

  • 自分はは何を捉えていたか?

具体的にどんな状況に対して、
判断を下したのかを客観的に整理していきます。



②脳内の条件分岐を炙り出す

「勘」の正体は、脳が過去の経験から導き出した
「もし(A)なら、そのときは(B)する」
という条件分岐の超高速処理です。

①で集めたファクトを元に、
自分の脳内で行われた条件分岐を翻訳します。

最初からできる人は、
「予測される未来」を無意識に一瞬で見ています。

この視点こそが、
無意識的有能ができる人とそうでない人の差です。


③「どこでつまずいているか」のギャップを測る

自分の脳内をただ一方的に語るのではなく、
「相手の視点」と自分の視点の差を正確に把握。

私の事例で言うと、私の判断に対して、
部下が「なぜあのタイミングで判断できたのか?」と感じたこと。

部下が
「なぜあのタイミングで?」
と聞いてきたということは、

部下には見えていない「景色」が
私には見えていたということ。


  • 部下が見ていた景色: 目の前の作業、目先の数字、現在の状況だけ。

  • 私が見ていた景色:過去の類似事例との比較、数字の動き方、過去と現在を結び付けた状況把握。


私と部下の見ていた状況の差を認識し、

「君は今ここの数字に集中していたよね。
でも、私はあっちの数字の動きと、
過去のデータからの予測を同時に見ていたんだよ」

と、差分を言語化して教えてあげるのが大切です。


④日常の判断を「実況中継」する

これを仕組み化し、チームの共通言語にするために
最も有効なトレーニングが「実況中継」です。

次に同じような仕事や判断を行う際、
心の中で自分の思考をリアルタイムで実況します。

「今、Aの数字がこう動いた。ということは、
30分後にBのエリアがパンクするサインなんだ。
だから、このタイミングでCの指示を出すよ」

自分でも無意識にやっていたことを
ひとつひとつ紐解いていくことで、
言語化して、再現性のある行動へと
変えていくことができます。



4.まとめ

今回は、学習のプロセスについてまとめました。

私が目指していたのは、
意識的有能を増やすことではなく、
無意識的有能を言語化する、
マエストロの役割でした。


無意識でできてしまう人にとっては、
言語化は正直面倒な作業です。

でも組織全体の発展を考えると、
言語化することが教育にとって最も大切です。


私自身の学びであったと同時に、
組織内の教育者育成の大きな気づきとなりました。

教育のための教育。

新たな私の興味を見つけることができました。

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