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双極症|あれから5年、世界が止まった夜に私を救った音

2020年。コロナ禍。
世界が、突然止まりました。

外に出られない。
会えない。
予定が消えていく。

「大変な年だったね」と、今なら言えます。
でもあの頃の私は、「大変」という言葉では追いつかない場所にいました。

私は双極症です。

もともと波はあります。
元気すぎる日もあれば、布団から出られない日もある。

けれど、コロナ禍はその波を、静かに、でも確実に揺らしました。

社会全体が不安定になると、
自分の心のバランスも崩れやすくなる。

ニュースを見れば感染者数。
SNSを開けば不安と怒り。
未来の予定は白紙。

「先が見えない」という状態は、
双極症の私にとって、とても危ういものでした。

何もできない。
誰とも会えない。
存在が軽くなるような感覚。

あの頃の夜は、静かすぎました。

外は本当に静かで、
車の音も少なくて、
世界が呼吸を止めているみたいでした。

その静けさの中で、
私はヘッドホンをつけて、ある曲を何度も聴いていました。

[re:]/『もう一度』。

コロナ禍の中で生まれ、多くの人の心を支えた曲です。
前を向こうとするメッセージ。
それでも立ち上がろうとする言葉。

本当に、救いの曲だったと思います。

でも正直に言うと、
私はこの曲を聴きながら何度も泣いていました。

「もう一度」という言葉が、
希望に聞こえる日もあれば、
遠すぎて苦しくなる日もありました。

もう一度、会える日が来る。
もう一度、笑える日が来る。

そう歌っているのに、
その“もう一度”が本当に来る保証なんて、どこにもなくて。

それでも、きっと私は、
完全には諦めていなかったのだと思います。

立ち上がれなくてもいい。
前を向けなくてもいい。

止まったままでも、
音楽を聴いている私は、生きていました。

[re:]/『もう一度』は、
無理に強くなれと言わない曲です。

揺れたままでもいいと、
静かに隣にいてくれる曲でした。

もし今、少しだけ不安な夜を過ごしている人がいたら。

あの頃の私のように、
そっとこの曲を流してみてほしいです。

きっと、あなたの「今」にも寄り添ってくれると思います。

海音(みお)

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