色をつまむ|2026.3
爪先に、ちいさな“幸運”を忍ばせて。
そんな思いをこめて、毎週お届けしている「爪色占い」から、
色をつまむような感覚で書いた、ささやかなコラムを
ぎゅっと集めてみました。
色の名前には、美しいものたちに由来しているものが多い。
そのひとつが「鉱物」だろう。
今週選んだ色でいえば、マザーオブパール、
ラブラドライト、メテオライトあたりか。
日本にも「瑠璃色」があるように、
鉱物はそれ自体が、美しく特徴的な色を宿している。
ゆえに古くから世界中で、宝石や顔料として珍重されてきた。
一方で、欲しい色がいとも簡単に手に入る現代では、
本来の色の持つ、『悠久の物語』を忘れてしまうのかもしれない。
さあ、今日はどんな色を、どんなきもちで選ぼうか。
花の香りがやさしく漂ってくると、春の訪れを感じる。
慎ましやかに香る桃の花も、わたしはすきだ。
色の名付けにおいて、日本と西洋の違いを明確に感じるのが、
この「桃」という色。
日本では、花そのものが色名になっていることが多い。
一方、西洋では、実(ピーチ)が色の名になっている。
(ちなみに、このピーチという色は、
マリー・アントワネットの時代に、大流行したのだそう。)
わたしは季節の一瞬を閉じ込めたような、花の色名がすきだ。
そんなとき、自分が日本人であることを、実感する。
花満開の季節が、すぐそこまで来ている。
この三月、わたしが出逢った春の花たちは、
ミモザや河津桜、すみれにパンジー。
雑草だけれど、ちいさなホトケノザもかわいい。
花をすきだと気づいたのは、二十歳のころ。
女友達に、誕生日の花束をもらったときだった。
自分には華やかな花なんて似合わない、と思っていたのは、
どうしてだっけ。
春が待ち遠しかったのは、寒い冬が嫌なんじゃなくて、
きっと、色とりどりの花々に会いたかったからだね。
かつて、芸術を専攻していたわたしにとって、
百合はデッサンの対象だった。
凛とした、あの馨しい香りに惑わされることなかれ。
複雑な造形と、花びらの繊細な質感。
百合の花を描くのは、とても難しい。
当時、百合は長持ちするように、
買ってきたらすぐ、おしべは取るものだと教わった。
学生にとって、百合は高価なのだ。
いや、大人になった今でも、百合は「高嶺の花」である。
久しぶりに、飾ってみようか。
「爪色占い」は、毎週土曜日の夜10時、
ひっそりInstagramにて、投稿しています。
ネイルカラーとしてだけでなく、
一週間のラッキーカラーとして、お守りみたいに
使ってもらえたらうれしいな。
ちいさな幸運を拾いに、ふらりと遊びにきてくださいね。
▶︎ Instagram:@miny0usya
さあ、四月はどんな色に出逢おうか。
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