薔薇の色
父と出かけた昼下がり、花を買ってくれた。
思えば幼いころから、父はよくお土産を抱えて帰ってきた。
母には薔薇の花束を、わたしにはたい焼きを。
餡がぎゅうぎゅうに詰まっていて、ちょっとしぷしぷになっているやつ。
子供の頃は早く大人になりたかったのに、
いざ大人になると、たまには子供に戻って、あれ食べたい、
これ欲しい、って駄々をこねてみたくなる。
そんなとき、父がぽつりとつぶやいた。
「昔は薔薇が1本50円でね、よく1000円分買ってたんだよ」
「いつも赤い薔薇だったな」
母は赤い薔薇がすきで、わたしは白い薔薇がすき。
けれど、父がわたしのために手に取った薔薇の色は、ピンクだった。
父にとって、私はこんな華やかな色をしているのかしら。
そんなことを考えながら、帰り道の花束を見つめていた。
薔薇の色にも、それぞれ意味がある。
赤は情熱、白は純粋、ピンクは感謝や幸福。
そういえば、父が母に贈っていたのはいつも赤い薔薇。
20本のその花束には「真実の愛」という意味があるらしい。
知っていたのか否かは、今となっては確かめようがないけれど。
我が両親ながら、ロマンチックじゃない。
見えているものが全てじゃない。
でも、言葉にしないと伝わらないから、
花言葉も占いも、わたしにはやっぱり必要だと思う。
それじゃ、おやすみ。
むにゃむにゃ
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