「このままでもいいんじゃないかと思えた夜」
正直に言うと、
最近は“頑張ろう”という気持ちがあまり湧いてこない。
何かをしなきゃとか、
もっと成長しなきゃとか、
そういう気持ちはどこかに置いてきた気がする。
代わりに残っているのは、
ただ「今日を静かに過ごしたい」という感覚。
欲もなく、夢もなく、
それでもちゃんと呼吸してる。
それだけで、
もういいんじゃないかと思う日が増えた。
退職してから、
最初の数ヶ月はとにかく焦っていた。
「何かしなきゃ」
「次を見つけなきゃ」
けれど、体が言うことを聞かない。
気持ちも空っぽで、
何を考えても、どれもピンと来なかった。
家にいても落ち着かなくて、
外に出ても人の目が怖かった。
「自分は社会から外れた存在なんじゃないか」
そんなふうに思っていた。
ある日の夜、
コンビニで買ったおにぎりを食べながら、
外のベンチに座っていた。
街灯の下で見た自分の影が、
思ったより小さくて、
なんか笑ってしまった。
そのときふと、
「別に立派じゃなくてもいいんじゃないか」って思った。
“ちゃんとしなきゃ”って気持ちより、
“いま、ちゃんと生きてる”という事実のほうが、
よっぽど大事だなって。
誰かに認められたくて、
頑張ってきた気がする。
ちゃんと働いて、
ちゃんと結果を出して、
ちゃんと笑って。
でも、あの頃の僕は“ちゃんと”してたけど、
“幸せ”じゃなかった。
あの頃の笑顔は、
ただの防御だったんだと思う。
本当は、
誰かに「もう頑張らなくていいよ」って言ってほしかった。
今は違う。
頑張らない日を選ぶことを、
罪だとは思わなくなった。
誰にも見せない静かな時間が、
自分を戻すために必要なんだと気づいた。
夜の散歩中にすれ違う人たちも、
きっとそれぞれの孤独を抱えて歩いてるんだろう。
「生きる」って、
頑張ることじゃなくて、
**“やめなかったこと”**なのかもしれない。
家に帰って、
灯りをつけた瞬間、
小さな部屋が少しだけ安心できる場所に見えた。
誰も見てないけど、
「今日も生きたね」って
自分に言ってみた。
なんか少しだけ胸が軽くなった。
きっと、
人生には“上がる時期”も“止まる時期”もある。
でも止まることは、負けじゃない。
立ち止まって、
また少し動き出せばいい。
焦らなくていい。
ちゃんとしなくていい。
いま、この瞬間を生きてるだけで十分だ。
🕊️あとがき
誰かに見せるための強さじゃなくて、
自分のための優しさを持って生きたいと思う。
頑張ることをやめたら、
見える景色が少し変わった。
「このままでも、いいんじゃないか」
そんなふうに思えた夜が、
少しずつ増えていけばいい。
