【掌編小説】少しばかりの毒を差し上げます。— a tale of small stones and red blood
目の前を、人間が歩いている。
人間は小さな石につまづき、転んで地面に膝を打ちつけた。
そこから血が流れ出す。
血は、諄い赤。
流れる血を見つめて湧き上がる感情は、「怒り」のようだった。
不条理。
なぜ転び、なぜ血は流れ、なぜ痛みを伴うのか。
歩いていた道になぜ石があるのか。
人間は嘆いている。
血の流れる膝に薬を塗れば、痛みは引き、いずれ治癒するだろう。
道には小石。
よく見れば、無数の小石。
人間は石のない道を探し始めた。
しかし見つからない。
いくら探しても、石のない道はなかった。
進むことを諦めた人間は、今いる場所を安住の地と定め、そこで一生を終えた。
──それも良かろう。好きに生きればいい。
石を拾い上げる人間がいた。
よく見ると、石は輝いている。
形も、鋭利なものから丸いものまである。
無数の小石を拾い集めながら、人間は膝を傷つけ、掌からも血を流していた。
「薬はいらん。少しばかりの毒を」
人間は自ら毒を飲み、その場を去った。
猫は彼を追う。
柔らかい肉球は、汚れている。
【解説という名の言い訳】
自由な選択を。
少しばかりの毒を啜り、静かに吐いていきます。
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『路地裏を徘徊する猫』
ミノキシジルでした。
──文学と音楽で『面白い』の扉を開く。
スタジオミノキ【-Studio Minoxidil-】
