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「採用だけが正解じゃない」──副業人材という第3の選択肢

「人が足りない」──中小企業の経営者なら、一度は口にしたことがある言葉ではないでしょうか。しかし、いざ採用しようとすると、求人を出しても応募が来ない。やっと採用できても、教育コストがかかる。そんな悩みを抱えているなら、「副業人材」という選択肢を知っておいて損はありません。株式会社リクルートが実施した「兼業・副業に関する動向調査2024」によると、社外から副業・兼業人材を受け入れている企業は53.7%と、半数を超えました。この数字、皆さんはどう感じますか?

「フルタイムの正社員」だけが戦力ではない

人手不足の解決策というと、多くの経営者はまず「採用」を思い浮かべます。次に「外注(BPO)」や「AI活用」という選択肢が続きます。しかし、実はこの3つの間に、もうひとつの選択肢があります。それが「副業人材の受け入れ」です。

副業人材とは、他の企業で本業を持ちながら、週に数時間〜十数時間、あなたの会社の業務を担当してくれるプロフェッショナルのことです。リクルートの同調査によると、副業・兼業を認める制度がある企業は60.7%で、2022年調査から8.9ポイント増加しています。つまり、大企業を中心に「社員の副業OK」が当たり前になりつつある。その結果、優秀な人材が「副業先」を探しているのです。

ここで重要なのは、副業人材の活用は「安く使える外注」ではないということです。平均的な報酬は月10万円前後、週8時間程度の稼働が一般的で、原則リモートワーク。大手企業に勤める30〜50代のベテラン人材が中心です(出典:JOINS株式会社の分析データ)。つまり、フルタイムの正社員を雇う年間コスト(給与・社会保険・教育費で500万円以上)と比べると、年間120万円程度で「その道のプロ」の知恵と手を借りられるのです。

従業員30〜40名の会社で、こんな成果が出ている

実際に、副業人材を受け入れて成果を出している中小企業の事例を紹介します。

福岡県の株式会社岡野(呉服業、従業員約40名)は、新たにBtoC向けECサイトを立ち上げるにあたり、社内にEC運営の知見がないことが課題でした。そこで副業人材を募集したところ、なんと34名もの応募がありました。最終的に、飲料メーカーの経営企画担当者と大手IT企業の営業マネージャーの2名を採用。ECサイトの立ち上げをスムーズに実現しました(出典:中小企業庁「事例から学ぶ!副業人材」)。

また、青森県の環境緑花工業株式会社(造園・土木業、従業員約30名)は、新事業として野菜の販路開拓を検討していましたが、営業・マーケティングのノウハウが不足していました。副業人材を募集したところ、こちらも44名の応募があり、経営企画の経験者1名を受け入れています(出典:同上)。

どちらの事例にも共通するのは、「正社員を1人雇うほどの業務量ではないが、社内にない専門知識が必要だった」という点です。まさに中小企業が最も悩む「人は足りないけど、フルタイムで雇うほどでもない」という課題に、副業人材がぴたりとはまった形です。

皆さんの会社にも、「やりたいけど、できる人がいない」業務はありませんか?

副業人材を活用する前に「業務の棚卸し」が必要

ただし、副業人材に「なんとなく手伝ってほしい」と依頼しても、うまくいきません。副業人材は週に限られた時間しか稼働できません。だからこそ、「何を・どこまで・いつまでに」を明確にしておく必要があります。

これは副業人材に限った話ではなく、外注でもAI活用でも同じです。私は、人手不足を解消するための第一歩は、いつも「業務の棚卸し」だと考えています。

具体的には、次のような整理が有効です。

- 今ある業務を「社長がやるべき仕事」「社員がやるべき仕事」「外に出せる仕事」の3つに分類する
- 「外に出せる仕事」の中から、「専門知識が必要なもの」と「定型的なもの」を分ける
- 専門知識が必要 → 副業人材 or 専門家への外注
- 定型的なもの → BPO(事務代行)or AI・RPAで自動化

この整理をせずに「とりあえず人を増やそう」とすると、採用しても育成に手が回らなかったり、せっかく来てくれた副業人材に的確な指示が出せなかったりします。逆に言えば、業務の棚卸しさえできていれば、「採用」「外注」「副業人材」「AI活用」のどれが最適かが自然と見えてきます。

「採用の前にやること」がある

人手不足は、中小企業にとって深刻な問題です。しかし、だからこそ「採用」だけに依存するのは危険です。採用は時間もコストもかかり、ミスマッチのリスクもある。一方で、副業人材なら月10万円程度から、週8時間のリモート稼働で、大手企業のベテラン人材の力を借りることができます。

ただし、繰り返しになりますが、副業人材を活かすにも「業務の棚卸し」が必須です。何を任せるか明確でなければ、どんなに優秀な人材が来ても成果は出ません。

私は、中小企業の経営者がまずやるべきことは、「人を探す」ことではなく、「業務を整理する」ことだと考えています。業務が整理できれば、採用が最適なのか、外注が効率的なのか、副業人材が合っているのか、AIで代替できるのか──判断の軸が生まれます。

「人が足りない」のではなく、「業務が整理されていない」だけかもしれない。そう考えてみると、打ち手の選択肢は一気に広がるはずです。


合同会社ShakeHands

人手不足を、構造から整理する事業パートナー
人が足りない。でも「採用」が正解とは限らない。
合同会社ShakeHandsは、中小企業の人手不足・事業拡大に向き合い、採用・外注・AI活用の選択肢を整理し、最適な打ち手を設計するパートナーです。
売るための提案ではなく、経営判断としての選択を一緒に考えます。

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