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AI活用を阻む「専門家不在」問題——中小企業が今すぐできる2ステップ

2026年3月現在、日本の中小企業でAIを業務に取り入れている割合は、わずか5〜10%程度です(総務省データ)。対照的に、大企業では約半数がすでに導入済みです。この数字を最初に見たとき、「そんなに少ないのか」と正直驚きました。

毎日さまざまな経営者と話す中で、「AIって結局、大企業のものでしょ」「うちには専門のIT担当がいないから……」という声をよく聞きます。でも私は、この「専門家がいないから無理」という言葉が、実は大きな思い込みである可能性が高いと考えています。今日は、そのことについて率直に書いてみたいと思います。

なぜ中小企業はAIを導入できないのか——データが示す「本当の理由」

東京商工リサーチが実施した調査(6,645社対象)によると、生成AI(文章や画像をAIが自動生成する技術)を「会社として活用推進している」と回答した割合は、大企業が25.2%であるのに対して、中小企業はわずか12.7%。その差は12.5ポイントです。

また、「方針を決めていない」と答えた中小企業は52.4%にも上ります。つまり中小企業の半数以上が、「やる・やらない」という判断すら下せていない状態ということです。

【中小企業がAIを導入しない理由 TOP3】
・「推進するための専門人材がいない」… 55.1%(最多)
・「活用の利点・欠点を評価できない」… 43.8%
・「何から始めればいいかわからない」… (複数回答)


出典:東京商工リサーチ「生成AI活用に関する企業調査」数字を見ると、「専門人材がいない」が断トツ1位です。しかし私は、ここに少し違和感を覚えています。AIツール、特にChatGPT(チャットGPT)のような生成AIは、プログラミングの知識がなくても、スマートフォンやパソコンで誰でも使えます。それなのに「専門家がいないと使えない」という認識が広まっているのはなぜか。

答えはシンプルです。「使い方を教えてもらう機会がない」からです。

AI研修で「専門家なしでも使える状態」をつくる

実際に生産性が向上した事例を見てみましょう。

ある従業員35名のサービス業では、社内チャットツールにAIを組み込み、社員からの日常的な問い合わせの6割以上をAIが自動対応できるようになりました。従業員がAIの使い方を学ぶ研修を受け、現場で実際に試しながら活用の幅を広げていった結果です(出典:スミリオン ITブログ)。

別の中小企業では、過去の提案資料をもとにChatGPTに構成案を作らせる使い方を覚えたことで、提案資料の作成時間を約3分の1に短縮。商談数も月20%増えました。

これらの事例に共通しているのは、「高度なITの専門家を採用した」わけではないという点です。既存の社員が研修を通じて使い方を学び、業務に組み込んだのです。

【AI研修を導入するメリット】
・既存スタッフのスキルアップで即戦力化できる
・外部人材採用より圧倒的にコストが低い
・社内でAIを使いこなす「人材」が育つ
・業務への浸透スピードが早い(研修→実践がすぐできる)

厚生労働省の中小企業リスキリング支援事業では、AI研修費用の最大75%を人材開発支援助成金でカバーできる制度もあります。

「まず業務を整理する」がAI活用の最初のステップ

ここで私が現場で強く感じていることをお伝えしたいと思います。

AI研修を受けて「使い方がわかった!」となった後も、実は「じゃあどの業務にAIを使えばいいの?」という壁にぶつかる企業が多いのです。そうなる理由は明快で、自社の業務が整理されていないからです。

どんな仕事を誰がどれくらいの時間かけてやっているか。どの業務が繰り返し発生する定型作業か。そういった「業務の見える化」ができていないと、AIを入れても「何に使えばいいかわからない」という状態になってしまいます。

あなたの会社では、「誰でもできる業務なのに、担当者にしかわからない」状態になっている仕事はありませんか?

実はこれ、AI活用の壁である前に、人材育成や採用の壁でもあります。業務が属人化していると、新人が育たず、ベテランが辞めると組織が回らなくなる。そして属人化した業務をAI化しようとしても「その仕事の内容が整理されていない」ためにAIに指示が出せない、という構造的な問題が起きます。

だからこそ、AI活用の前にやるべきことは「業務の棚卸しと整理」です。誰がどんな仕事をして、どこが効率化できるかを明確にする。その上でAI研修を受け、実際の業務に当てはめていく。この順番が大切です。

逆に言えば、業務整理とAI研修をセットで進めることで、AI活用の効果は格段に上がります。ツールの導入が目的ではなく、「業務が楽になる・早くなる・ミスが減る」という結果が目的ですから。

AI活用で差がつくのは、今この瞬間から

中小企業のAI活用率が5〜10%というのは、裏を返せば「今から取り組めばまだ先行できる」ということでもあります。多くの競合企業が「方針を決めていない」状態で止まっている今こそ、研修から始める一手を打つタイミングではないでしょうか。

「専門家がいないと無理」ではなく、「研修を通じて社員が使いこなせるようになれば始められる」。そして「AIを使い倒すために、まず業務を整理する」。この2ステップが、現実的なAI活用への道だと私は考えています。

難しく考えすぎず、まず「今ある業務の中で繰り返し発生している単純作業」を一つ選んで、AIが使えないか試してみることから始めてみてください。

合同会社ShakeHands

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