そのAI、本当に「今」必要?── 作った自動化を止めた日の話
動いている仕組みを止めるのは、少し勇気がいる。
不具合があるわけでもないのに、手放す。
それは失敗なのか、もったいないのか。
それとも、ただ整合を取り直しただけなのか。
これは、自動化を止めたときに考えていたメモ。
1|少し前に、自動化を止めた
少し前に、n8nで作っていた自動化を止めた。
社内の情報を整理して、
AIを通して一次対応を楽にする仕組み。
動いていた。
特に問題もなかった。
それでも、やめた。
2|作り始めた理由は、少し曖昧だった
これは最初から「本命」だったわけではない。
当時、メインで進めていた仕組み化があって、
少し詰まっていた。
考えることが多く、
前提も揃いきっていない。
手が止まりがちだった。
そんなときに、
「ここなら比較的シンプルに試せそうだな」
と思えたのが、この自動化だった。
息抜き、に近い。
自分の理解を深めるため。
チームの負担を少し減らすため。
将来、使えるようになるため。
理由はいくつかあった。
でも、
「これを続ける理由」は、
最初から強くはなかったのかもしれない。
3|立ち止まったきっかけ
社内でAIツールの活用状況を確認する機会があった。
そのタイミングで、ふと引っかかった。
「これ、使い続ける前提でいいんだろうか」
月5,000円。
払えない金額ではない。
けれど、
気になったのは金額そのものではなかった。
実行頻度は思ったより多くない。
構成は再利用しづらい。
広げようとすると、
もう一段設計が要る。
どれも致命的ではない。
でも、
続ける理由としては、少し弱い。
4|「使わないと困る?」と聞いた
ここで、自分に聞いた。
「これ、使わないと困る?」
たぶん、
その時点で答えはほとんど出ていた。
困らない。
少なくとも、今は。
その瞬間、
少しだけ整合が取れた感覚があった。
今、優先していること。
時間の使い方。
向き合うべき課題。
それらと並べたときに、
この自動化は少し横にずれていた。
5|作ったものをやめる
結局、その自動化は止めた。
手動に戻した。
「せっかく作ったのに」という気持ちは、
もちろんあった。
動いているなら続ければいい、
という声もあった。
でも、
作ったから続ける、
という判断はしたくなかった。
AIも自動化も、目的ではなく手段だ。
役割が薄くなったなら、
いったん手放してもいい。
そう考えた。
6|取捨選択も、活用の一部かもしれない
後日、
「実装していたのに、よくやめたね」と言われた。
少し意外だった。
でも振り返ると、
「使えるか」ではなく
「今、続ける整合があるか」を
見ていたのかもしれない。
AIを導入することは目に見える。
やめる判断は、ほとんど目立たない。
それでも、
取捨選択もまた活用の一部だとしたら。
今回の判断は、
成功でも失敗でもなく、
整合を取り直しただけの話なのだと思う。
そのAIは必要か、ではなく、
「今」必要か。
立ち止まれたこと自体が、
たぶん今回のいちばんの収穫だった。

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