見出し画像

行政書士の記述式。「知識が完成してから始める」では遅い理由


行政書士試験の記述式について、

「択一式の知識がもっと固まってから始めよう」

と考えている人もいると思います。

しかし、8月の時点でほとんど記述式に触れず、10月になってから本格的に書き始めるのは、あまりおすすめしません。

理由は単純です。

択一式で分かることと、自分の頭から法律用語を取り出して書けることは別だからです。

選択肢があれば分かる。でも自分では出てこない

択一式では、選択肢を見れば、

「これは違う」

「こちらが正しい」

と判断できることがあります。

しかし記述式には、その助けがありません。

自分で、

要件。

法律効果。

誰が誰に何を主張できるのか。

を思い出し、限られた字数でまとめる必要があります。

つまり記述式は、知識量だけではなく、

知識を取り出し、事例へ当てはめ、文章に変換する力

を見る問題でもあります。

8月から満点答案を書く必要はない

だからといって、今から毎日完成答案を書く必要もありません。

8月なら、まず問題を読んで、

「何の論点なのか」

を考えるだけでも十分です。

次に、

誰が、誰に対して、何を主張しようとしているのか

を整理します。

民法ならA・B・Cを書いて人物関係を図にする。

行政法なら、行政庁、処分、相手方、不服申立ての関係を整理する。

その後で模範解答を確認します。

最初から40字程度の美しい答案を作るより、まず論点を発見できることが大切です。

「書けなかった理由」を分ける

記述式を始める最大のメリットは、自分の知識の穴が見えることです。

似た制度の要件を混同した。

結論は分かったが、法律用語で表現できなかった。

誰が誰に請求するのかを間違えた。

これらは、すべて別の弱点です。

単に、

「記述式が苦手だった」

で終わらせず、

なぜ書けなかったのか

まで確認してください。

すると、択一式の復習でも戻るべき場所が分かります。

模範解答は「構造」を見る

模範解答の丸暗記にも注意が必要です。

問題が少し変われば、覚えた文章をそのまま使えるとは限りません。

模範解答を見たら、

誰が。

誰に。

何を。

どの制度・根拠に基づいて。

どうなるのか。

に分解します。

覚えるのは文章そのものではなく、

答案の構造

です。

これが分かれば、事例が変わっても対応しやすくなります。

8月・9月・10月で練習を変える

私なら、記述式対策を3段階に分けます。

8月は、論点を見抜く。

問題を見て、何が問われているかを考える。

9月は、自分で書く。

40字程度にまとめる回数を増やす。

10月は、時間内に書く。

択一式も含め、本番形式の中で記述式を処理する。

「分かる」から「書ける」へ。

さらに、

「時間内に書ける」

へ段階を上げます。

記述式は択一式の邪魔ではない

記述式に時間を使うと、

「その時間で択一を解いた方がよいのでは」

と思うかもしれません。

しかし、記述式は択一式とは別の勉強ではありません。

むしろ、

択一式で覚えた知識を、自分で取り出せる状態か確認する作業

です。

記述式は、自分の理解度を確認するテストにもなります。

まとめ

行政書士の記述式は、

「知識が全部完成してから始めるもの」

ではありません。

知識がまだ不完全な今だからこそ、

問題を読む。

論点を考える。

人物関係を整理する。

模範解答を見る。

書けなかった原因を確認する。

この練習を少しずつ始めます。

残り約3か月。

ここから必要なのは、知識を増やすことだけではありません。

知っている知識を、自分の頭から取り出せる知識へ変えること。

8月は、その切り替えを始める時期だと思います。


いいなと思ったら応援しよう!