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数値目標化しないほうがいいもの

※今回は結構難しい話をしてしまいますがご容赦ください。

私は以前、仕事のスキルマップ・スキル分布を自分で作成してみようと思って取り組んだことがあります。
でも、断念しました。なぜかというと、作っても「役に立たない」と思ったからですね。

なぜ、役に立たないと思ったのか?
理由は

  • 水準が人によって意味合いが異なる

  • ほしい技術は時代によって変わり(しかも移り変わりが激しい)、時間が経過したら比較ができない

からです。

定性的なことを定量的に計るのは徒労に終わりやすい

定性、定量の違い

定量的、定性的という言葉があります。これも難しい言葉なのですが、
定量的:量や割合など、数値で測れる要素
定性的:特徴や理由、印象等、数値で測れない要素
を指します。
スキルマップは特定の技術を以下のように点数化したりします。(内容は適当です)

1.知らない
2.知っているけど扱えない
3.扱える
4.得意
5.他人に教えられる

これらの情報を社員から集め、その平均を取ったりして、会社の強みを発見したり、社員の適材配置に生かす、というものです。
つまり、定性的な情報を定量的に計ろうとする試みが、スキルマップなのですね。

扱える、得意などは印象なので定性的なものです。
そして、一つの技術を深めることはとても難しいです。
UART通信という古くからあり、比較的シンプルなものでさえ、簡単に「扱える」なんて言える代物ではありません。
マネジメントやリーダーシップというスキルも同様です。

でも、ネット検索しても、多くの会社がやってたりしますね。
私は実際にやってみて「時間の無駄」だと感じました。
上記で書いた、

  • 水準が人によって意味合いが異なる

  • ほしい技術は時代によって変わり(しかも移り変わりが激しい)、時間が経過したら比較ができない

に加え、

  • 自己評価だけでは顧客が欲しい人材かどうかはわからない

からです。

もちろん、私の拙い経験と観察でそう思ったことなので、上記三つの課題をクリアできれば有用なものが作れる可能性が出てきます。
ただ、これらの統一した基準を作ることは、大変な労力がかかるものだと私は認識しています。

単位の重みが定まっているもの以外、経年比較はできない

さらには推移を取ろうとしてももっとNGになりますね。
エンゲージメントサーベイ(会社への帰属意識調査)などでそうですが、去年の「やや不満」と今年の「やや不満」は同じ水準を表しません。だから、いくら調査をしても実態を表すものにはならないのですね。
実態を表しにくいので、エンゲージメントサーベイをやればやるほど、帰属意識は薄まるような気さえしています。

なお、メートルやキロなど、単位の重みが定まっているものなら経年比較は可能です。意味や感覚が入る者は数値化しないほうがいい、そう私は思っています。
でも、現実には数値化して、さらにはそれを目標にしたりします。

昔のマネージャーは数値を「センサー」としても扱っていた

私も30年近く会社員をやっていましたが、昔のマネジメントの方々は数字をセンサーとしても用いていた、という実感があります。逆に、今の人たちは「到達すべき場所」すなわち数値目標としか使っていないように思えています。

「三現主義」という言葉があります。現場、現物、現実の三つを確認する、というものですね。マネージャーは報告された数字を見て「ここにおかしさを感じる。よし、現場を観て実際に確認してみよう!」のようにふるまっていました。
こちらは経験を培い、実践で得た暗黙知があるからこそ、形式知である数値を観て勘が働き、違和感を感じられていたんだと思います。
実践せず、暗黙知が培われていない状態で数字を見ても勘は働きません。

社会が複雑化して大変なので全部を知れなんて私は言いません。

でも、数値を目標として扱うだけなのはいい加減見直したほうがいい、
と私は思っています。(もちろん、そうじゃない人もいますけどね。)

今回は難しい話になってしまいました。
ビジネス寄りになるとどうしても難しくなってしまいます。

言いたいこととしては、なんでも数値目標化すりゃいいってもんじゃないよね。です。
世の中すべて数字で結果を追い求めるような世界観になっているのですが、それだと大事なことを見落とすよ?


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