【官能小説】第三者の言葉ひとつで、私はこんなに簡単に落ちてしまった。
彼のことは、ずっと前から知っていた。
同じ部署の、少し年上の先輩。
仕事はできるし、声は低くて落ち着く。
でも、私は彼に特別な感情を抱いていなかった。
少なくとも、自分ではそう思っていた。
ある日の昼休み。
休憩室で、同僚の女の子がこっそり話しているのを耳にした。
「ねえ、聞いてよ。
田村先輩、この前飲み会で『彼女、仕事中の真剣な顔が一番エロい』って言ってたんだって。
しかも『俺、ああいう子に弱いんだよね』って。
本気っぽかったよ」
その瞬間、胸の奥が熱くなった。
直接言われたわけじゃない。
ただの噂話。
なのに、なぜかその言葉が、私の中で何倍にも膨らんでいく。
『仕事中の真剣な顔が一番エロい』
『ああいう子に弱い』
彼が私のことを、そう思っている。
第三者の口から聞いたその情報は、なぜか彼本人の口から聞くよりずっと真実味を帯びていた。
その夜から、私は彼の視線を意識するようになった。
会議中に目が合っただけで、太ももが熱くなる。
「さっきの資料、よくまとまってたよ」と普通に言われただけで、
下半身がじんわりと疼いた。
これが、ウィンザー効果。
利害関係のない第三者の言葉は、当事者の言葉より信じやすい。
私は、彼の「本音」を、他人の口から聞いてしまったのだ。
そして、その週末。
残業で二人きりになった執務室。
彼がコーヒーを淹れてくれたとき、私は思い切って聞いた。
「……先輩、私のこと、どう思ってますか」
彼は少し驚いたように目を見開いたあと、穏やかに笑った。
「どう、って。
仕事ができるし、真面目で……可愛いと思うよ」
「可愛い、だけですか」
私の声が、少し掠れていた。
彼は静かに近づいてきて、私の顎を優しく持ち上げた。
「……本当は、もっと言いたいことがある。
でも、直接言うと信じてもらえないかもしれないから」
その言葉に、私の体が一気に熱くなった。
彼が知っている。
私が第三者の言葉に弱いことを、知っている。
「同僚から聞いたんでしょう?
『真剣な顔がエロい』って。
あれ、本当だよ」
彼の唇が、私の耳に触れた。
「俺は、君が集中してるとき、一番興奮する。
書類を見つめる横顔とか、ペンを握る指とか……全部、エロい」
その瞬間、私の中で何かが崩れた。
直接言われるより、第三者を経由した言葉のほうが、私を深く刺していた。
だから、彼が今、その「真実」を口にしたとき、私は完全に落ちた。
彼の唇が重なる。
優しく、でも確実に、私の唇を奪っていく。
ちゅっ……れろ……んっ……
舌が絡むたび、甘い唾液の音が響く。
私は自分から彼のシャツに手をかけ、ボタンを外していった。
「……先輩の言葉、信じちゃった。
第三者から聞いた瞬間から、もうだめだった」
彼は低く笑い、私をデスクに押し上げた。
スカートをまくり上げ、パンティをずらす。
すでにぐしょぐしょに濡れた秘所が、冷たい空気に触れて震える。
「こんなに濡れてる……。
噂話ひとつで、ここまで感じるなんて」
彼の指がゆっくりと中に入ってくる。
熱い肉壁が、指をきつく締め付ける。
「んぁっ……はぁ……」
「ウィンザー効果、効きすぎだよ。
君、俺のこと、本気で欲しがってる」
彼が熱いものを私の入り口に当てたとき、私は自分から腰を浮かして迎えた。
「入れて……。
第三者の言葉で落ちた私を、ちゃんと犯して」
ゆっくりと、奥まで沈んでくる感触。
満たされるたびに、彼の「本音」が体の芯まで染み込んでくるようだった。
「んっ……あっ……すごい……」
彼が腰を動かし始めると、デスクが小さく軋む。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、と淫らな水音が部屋に広がる。
「君の中、噂通り熱い。
真剣な顔で感じてる今の君、最高にエロいよ」
その言葉が、また私を追い詰める。
第三者から聞いた褒め言葉が、今、直接の快楽と結びついて、私を何度もイかせた。
「イく……! 先輩の……んぁあっ……!」
体が弓なりに反り、視界が白く染まる。
彼も深く突き入れたまま、熱いものを奥に注いだ。
余韻の中で、彼が私の汗ばんだ額にキスをした。
「……次は、誰にも言わずに、俺の口から直接褒めてあげる。
それでも、君は落ちてくれる?」
私は彼の胸に顔を埋め、小さく笑った。
「……たぶん、落ちる。
でも、最初に私を落としたのは、やっぱり第三者の言葉だった」
ウィンザー効果は、恐ろしい。
たった一言の噂話が、私をこんなに淫らな女にしてしまったのだから。
