暗闇を恋しがる|壊れそうな恋のほうが美しかった
壊れそうな恋のほうが美しかった。
穏やかな恋は、
いざこざもなく、
長続きする。
それはそれでいい。
でもなぜか、危うい関係の方が、
恋に没頭できた。
壊れそうな恋のほうが、記憶に焼きついて、
忘れられない。
そんなことを思うたび、
あの彼を思い出す。
彼は最後までよくわからない人だった。
よく嘘をつく。
都合が悪いと、突然姿を消す。
でも、ほとぼり冷める頃になると、
また戻ってきて、私にすがる。
そして愛の言葉の鎖で、
私を巻きつけて逃さない。
そして絆された私は、
危うい彼をまた受け入れてしまう。
それが私の前提を狂わせる。
苦しいのに、
どこか満たされる。
安心より、
熱を帯びていたかった。
たとえ、
間違った愛し方でも。
▶︎壊れそうな恋にも、ちゃんと理由があった。
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