暗闇を恋しがる|愛されるより、必要とされたかった
求められれば、全部差し出していた。
あなたは私の、全てだった。
傷だらけのあなたに、
私は自分を重ねていたのかもしれない。
彼から連絡が来るのは、
決まって何かが上手くいかなかった日だった。
愚痴。
弱音。
誰にも言えない話。
私はただ、それを聞いていた。
大丈夫だよ。
なんとかなるよ。
そんな言葉を並べながら、
本当は少しだけ嬉しかった。
彼が私を頼ってくれることが。
彼も私が必要だった。
彼が一人で立てなくなる時、
私は必要とされた。
彼はいつも、私に寄りかかっていた。
その重みが、
生きている感覚を与えてくれた。
だから私は、
彼を支えていたんじゃない。
あの頃、支えが欲しかったのは、
たぶん私のほうだった。
必要とされることを、愛だと思っていた。
▶︎ OSの女|第2章 間違った前提の恋愛
▶︎ ①「お前はダメだ」と言われて育った私が、「選ばれる私」を教えている話
▶︎ 触れていない。——でも心には触れてきた
