短編エッセイ|妹は、私を姉にしてしまう
私はあまり妹が好きじゃない。
昔からそうだった。
姉としていつも頼り、
何でも話してくる無邪気な妹は、
仲良し姉妹と思い込んでいるだろう。
でも実は、姉がどれだけ劣等感を抱いているか、彼女は知る由もない。
私が良い姉を、演じ続けているから。
姉として、頼られると断れない、
そうせざるを得ない、抗えない。
私を慕ってくると、その度に苦しくなる。
誰も比較はしてこない。
母でさえも、姉扱いはしてくるが、
ひいきはしてこなかった。
比較してるのは、自分自身。
気づけば私は、
妹の前でも「姉」をやめられなかった。
容姿、スポーツ、母への振る舞い方、
私にないものをいつも軽々と持っていた。
勉強は、私が勝ってると思い込んできたが、
彼女の粘り強さが勝り、
私より良い高校に進学できた。
唯一の加点が、減点に変わった。
妹は私の自尊心をいつの間にか奪っていった。
妹はいつも悪気なく、
自分が上手くいったことを話してくる。
自慢のつもりはないのだろう。
彼女もまた、
満たされたくて辛いのだ。
それを知る私は、ひたすら受け止める。
満たされた彼女は、また日常へ戻っていく。
私は抱えきれない劣等感を、
どこに置いていいかわからず、
自分の中に仕舞ってしまう。
また卑屈な目で妹を見てしまう。
姉という名の呪いのもとに、
自分をなだめながら、生きていく。
妹とは仲が悪いわけではない。
ただ私が、
二人の間に薄い線を引いているだけ。
ただそれだけだ。
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