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メン地下ブームはこの先どうなるのか、勝手に予測してみる

メン地下ブームはこの先どうなるのか、勝手に予測してみる

数年前まで「メン地下」と言っても、一部の熱心なオタクにしか通じない言葉だった。それが今では、SNSのタイムラインに特典会の話題が流れ、地上波の情報番組が「地下アイドル文化」を特集し、書店には推し活エッセイが平積みされる。明らかに、このシーンは何かの転換点を迎えている。

このnoteでは、いちファンとしてこの数年を見てきた立場から、メン地下ブームがこの先どこへ向かうのか、良い面も悪い面も含めて整理してみたい。当てるつもりの予言ではなく、あくまで「現状から見える延長線」としての考察だ。

なぜ今、ここまで広がったのか

まず前提として、なぜここまでブームが大きくなったのかを振り返っておきたい。

一つは、SNSとライブ配信の普及だ。以前は「箱」に足を運ばなければ出会えなかった存在が、TikTokやX、YouTubeショートを通じて偶然目に触れる時代になった。認知のハードルが劇的に下がったことで、これまで接点のなかった層がシーンに流れ込んできている。

もう一つは、「推し活」という言葉そのものの一般化だ。メン地下に限らず、推す対象を持つこと自体が肯定的な自己表現として受け入れられるようになった。かつては「オタク」という言葉に付きまとっていた否定的なニュアンスは薄れ、むしろ「推しがいる人」はポジティブに語られることが増えた。この社会的な空気の変化が、メン地下という比較的アクセスしやすい推し対象への流入を後押ししている。

そして三つ目は、単純にコストパフォーマンスの良さだ。地上のアイドルやジャニーズ系と比べて、チケット代も特典会の単価も低く、「推す」という体験への入り口が安い。可処分所得が限られた層にとって、これは無視できない要因だろう。

追い風になりそうな要因

この先を考えるうえで、まず伸びしろがありそうな部分を挙げてみる。

地上進出のロールモデルが増えていくこと。 地下出身のアイドルやグループが地上の舞台で結果を出す例が積み重なるほど、「メン地下は本気で夢を追える場所だ」という物語が説得力を持つ。これは新規のパフォーマー志望者を呼び込む力になるし、ファン側にも「育成に関わっている」という物語性を強める。

配信プラットフォームとの相性の良さ。 ライブ配信、投げ銭、ファンクラブアプリなど、個人単位でマネタイズできる仕組みは、大手事務所を介さない小規模な運営体制と親和性が高い。今後、こうしたツールがさらに洗練されれば、箱代や特典会に依存しない収益モデルが広がる可能性がある。

「小さくて熱量の高いコミュニティ」への需要。 SNS疲れやマス消費への反動として、顔の見える範囲での応援、双方向性の強いファン活動への需要は根強い。この需要がある限り、メン地下的な「近さ」を売りにしたシーンは一定の支持を集め続けるだろう。

懸念材料になりそうな要因

一方で、楽観だけでは片づけられない要素もある。

労働環境・収益構造の脆弱さ。 メン地下アイドルの収入は特典会やチェキに依存する部分が大きく、事務所によっては本人への還元が極めて薄いケースもあると言われる。ブームが拡大し新規参入の運営が増えるほど、こうした搾取的な構造が可視化・問題化されるリスクは高まる。SNSでの告発や炎上が一件でも大きく広がれば、シーン全体のイメージに影響しかねない。

「地下」であることの魅力とスケールの矛盾。 メン地下の魅力の一部は、まさに「まだ広く知られていない」「箱で近くで見られる」という希少性にある。ブームが進み露出が増えるほど、この希少性は薄れていく。規模の拡大と「地下らしさ」の維持は、本質的にトレードオフの関係にあるように思う。

ファンの高齢化・固定化。 熱量の高いコアファン層は、時間とともに卒業や推し変、あるいは単純な生活環境の変化で現場を離れていく。新規流入がその減少を上回り続けられるかどうかは、シーン全体の持続性を左右する重要な変数だ。

規制や社会的な目線の強化。 未成年アイドルの扱い、特典会での距離感、契約関係の不透明さなど、外部から見て「グレー」に映る部分が多いのも事実だ。他の業界での問題提起がきっかけとなり、メン地下業界にも同様の目が向けられる可能性は十分にある。

この先、どうなっていきそうか

以上を踏まえたうえで、いくつかのシナリオを考えてみる。

一つ目は、「二極化」のシナリオだ。ファンとの信頼関係やコンプライアンスを重視し、透明性のある運営体制を作れたグループやレーベルが生き残り、緩い運営体制のまま拡大した箱は淘汰されていく。ブームの拡大とともに、シーン内の格差はむしろ広がるのではないかと見ている。

二つ目は、「地上との境界線が曖昧になる」シナリオだ。地下と地上を明確に分けていた壁は、配信文化の広がりとともに徐々に低くなっていく。「地下だから」「地上だから」という区分自体が、そのうち世代交代とともに意味を失っていく可能性もある。

三つ目は、「推し活全体の中での相対的な地位低下」シナリオだ。VTuber、ゲーム実況者、SNS発の個人クリエイターなど、推す対象の選択肢は増え続けている。メン地下が唯一無二の存在であり続けるかどうかは、実は他ジャンルとの可処分時間・可処分所得の奪い合いの結果に左右される部分が大きい。

正直なところ、これら三つは排他的ではなく、同時並行的に進んでいくのだろうと思っている。

おわりに

ブームというものは、渦中にいるときほどその先が見えにくい。今メン地下シーンを支えているファンの熱量も、運営側の試行錯誤も、数年後には「あの頃のやり方」として振り返られているかもしれない。

それでも一つだけ確信を持って言えるのは、このシーンが今の形のまま静止することは絶対にないということだ。良くも悪くも変化し続ける。だからこそ面白いのだと、一人のファンとしては思っている。

この予測が当たるかどうかは、また数年後に答え合わせをしてみたい。

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