秋支度のために編んだ一着
まだ暑くて秋の気配を感じ始める少し前、自分のためにカーディガンを編み始めました。
仕事や体調の波に揺れながらも、少しずつ編み進めて、ようやく完成。
袖のある服を編むのは初めてで、手首や裾のリブ編みにも挑戦しました。
何度も編み直しながら、形になっていく過程が嬉しくて、静かな時間の積み重ねがそのまま編み目に残っているような気がします。
用意していた毛糸では足りなくなってしまい、買い足そうとお店に行ったら売り切れ。
仕方なく家にあった別の毛糸を編み足して、色のつながりを工夫しました。
予定通りじゃないけれど、それもまた自分らしい仕上がりになったように思います。
完成してからは、何度かこどものお迎えのときに着ていきました。
娘が先生に「ママが作ったの!」と誇らしげに話してくれて、恥ずかしいけれど、胸の奥がじんわりと温かくなりました。
「私にもカーディガン作って!」と言ってくれたことも、次の作品へのやさしいきっかけになりそうです。
小さな息子も「可愛いね」と何度も言ってくれて、そのたびに、編んでよかったなと思いました。
今年の秋はこれを羽織って…と思っていたけれど、季節は暑さから急に寒さへと移ってしまい、秋らしい空気を感じる間もなくもう冬の気配がやってきました。
カーディガンを着るときは、いつもその上に薄手のパーカーなどを重ねていて、少しだけ残念な気持ちもあります。
それでも、編んだ時間や家族の言葉が、この一枚を特別なものにしてくれました。
静かな秋のために編んだカーディガン。
今年は少し季節とすれ違ってしまったけれど、心の中にはちゃんと、秋が残っています。

