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行政事件訴訟法 原告適格とは?法律上の利益・第三者原告をわかりやすく解説【行政書士・公務員試験】

法律をビートで覚える「暗記革命」シリーズ。

今回は、行政事件訴訟法の原告適格の基本を音楽にしました。




🎧 動画はこちら(歌詞はYouTubeコメント欄をご覧ください)



行政法シリーズ|全体像

1️⃣ 行政法とは何か
2️⃣ 行政行為の種類
3️⃣ 行政行為の効力
4️⃣ 行政手続法・申請に対する処分

5️⃣ 行政手続法・不利益処分

5① 不利益処分|通則編

5② 不利益処分|聴聞編

5③ 不利益処分|弁明編

6️⃣ 行政手続法・行政指導

6① 行政指導|原則編

6② 行政指導|規制編

6③ 行政指導|救済編

7️⃣ 行政不服審査法

7① 行政不服審査法|全体像

7② 行政不服審査法|不服申立ての種類

7③ 行政不服審査法|審理手続

7④ 行政不服審査法|審査請求期間と執行停止

7⑤ 行政不服審査法|裁決

8️⃣ 行政事件訴訟法

8① 行政事件訴訟法|全体像

8② 抗告訴訟の種類

8③ 処分性

8④ 原告適格 ◀ なう 🎤

8⑤ 出訴期間

8⑥ 執行停止

8⑦ 義務付け訴訟・差止訴訟

9️⃣ 国家賠償法


行政事件訴訟法 第4回のポイント

行政事件訴訟法を学ぶときは、取消訴訟を誰が提起できるのかを整理しておくことが大切です。

今回のポイントは、

  • 原告適格とは何か

  • 法律上の利益を有する者

  • 権利または法律上保護された利益

  • 必然的に侵害されるおそれ

  • 一般公益と個別的利益

  • 処分の相手方以外の第三者

  • 根拠法令と関係法令

  • 利益の内容・性質

  • 害される態様・程度

  • 原告適格と訴えの利益の違い

です。

まずは、

取消訴訟を提起できるのは、取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者

という基本部分を押さえるだけで十分です。行政事件訴訟法9条1項は、処分または裁決の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」に限って、取消訴訟を提起できると定めています。


原告適格とは?

原告適格とは、特定の訴訟について、原告として訴えを提起し、判決を求めることができる資格です。

取消訴訟は、行政処分に不満を持つ人なら、誰でも提起できるわけではありません。

行政事件訴訟法9条1項では、処分取消訴訟と裁決取消訴訟は、その取消しを求めるにつき、法律上の利益を有する者に限って提起できるとされています。

歌詞では、

取消訴訟の 入口だ
処分を争う その資格
九条で決まる 原告適格

という言葉で表現しています。

前回取り上げた処分性が、

何を取消訴訟で争えるのか

という問題であるのに対し、原告適格は、

誰がその処分を争えるのか

という問題です。


「法律上の利益を有する者」とは?

判例では、「法律上の利益を有する者」について、

自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵害されるおそれのある者

という考え方が用いられています。

重要なのは、単に何らかの不利益を受けるというだけではなく、法律によって保護された権利または利益が侵害されることです。

たとえば、

  • 行政の判断に納得できない

  • 処分によって事実上困る

  • 地域全体にとって望ましくないと思う

  • 漠然と将来が不安である

というだけでは、直ちに原告適格が認められるわけではありません。

歌詞では、

自己の権利か 保護された利益
侵害された者 原告となる
必然的に 侵害される
おそれある者も 資格を持つ

という言葉で整理しています。


一般公益と個別的利益

原告適格の判断で重要なのが、一般公益と個別的利益の違いです。

一般公益とは、社会全体や不特定多数の人のために保護される利益です。

一方、個別的利益とは、一般公益の中に吸収されず、特定の個人の利益としても法律上保護されている利益です。

法令が、ある利益を社会全体の利益としてだけ保護している場合、その利益に関心を持っているというだけでは、原告適格は認められません。

しかし、法令の趣旨や目的から見て、一定の範囲の人の生命、身体、健康、生活環境、財産または営業上の利益などを、個人の利益としても保護していると解釈できる場合があります。

この場合、処分の直接の相手方ではない第三者にも、原告適格が認められる可能性があります。

重要なのは、利益の種類だけではありません。

その法令が、その人の利益を個別的利益として保護しているか

が判断の中心です。

歌詞では、

一般公益に 吸収されず
個々人の利益として守る
法令の趣旨に 含まれるなら
第三者にも 道は開く

という言葉で表現しています。


処分の相手方以外の第三者

処分の直接の相手方、つまり名宛人は、その処分によって法的な効果を直接受けます。

一方で、原告適格が特に問題になるのは、処分の相手方ではない第三者です。

たとえば、

  • 鉄道や道路の周辺住民

  • 空港の周辺住民

  • 原子力施設の周辺住民

  • 開発区域の周辺住民

  • 新たな営業許可によって影響を受ける既存事業者

などです。

これらの人は、処分の直接の相手方ではありません。

しかし、その処分によって、生命、身体、健康、生活環境、財産または営業上の利益などを害される可能性があります。

そこで行政事件訴訟法9条2項は、処分または裁決の相手方以外の者について、法律上の利益があるかを判断する際の考慮要素を定めています。

歌詞では、

だけど問題 第三者
処分の外側 誰が争える

という言葉で、第三者の原告適格を表現しています。


行政事件訴訟法9条2項

行政事件訴訟法9条2項は、処分の相手方以外の者について法律上の利益を判断するとき、法令の文言だけによって判断してはならないとしています。

判断するときは、

  • 根拠法令の趣旨および目的

  • 処分で考慮されるべき利益の内容および性質

  • 根拠法令と目的を共通にする関係法令の趣旨および目的

  • 違法な処分によって害される利益の内容および性質

  • 利益が害される態様および程度

を考慮します。

つまり、一つの条文の文言だけを見るのではありません。

関連する法令や制度全体を見ながら、

  • その法律は何を守ろうとしているのか

  • 誰の利益を守ろうとしているのか

  • どのような被害が生じるのか

  • 被害はどの程度深刻なのか

を検討します。

歌詞では、

法令の趣旨 法令の目的
処分で考慮すべき利益
その内容と その性質
一つ一つを 読み取っていく

さらに、

同じ目的を 持つ法令
関係法令も 参酌する
一つの条文 見るだけじゃない
制度の全体 つなげて読め

という言葉で整理しています。


利益が害される態様・程度

第三者の原告適格を判断するときは、利益が害される可能性があるというだけではなく、どのような形で、どの程度害されるのかも重要です。

たとえば、

  • 生命や身体への危険

  • 健康被害

  • 騒音や振動による生活環境への著しい被害

  • 施設や事業との距離

  • 被害が及ぶ範囲

  • 被害が直接的かどうか

などを検討します。

小田急高架訴訟では、都市計画事業の周辺に居住し、騒音や振動などによって健康または生活環境に係る著しい被害を直接受けるおそれのある住民について、原告適格が問題となりました。

最高裁は、都市計画法などの趣旨・目的や、住民が受けるおそれのある被害の内容・程度を検討し、一定の範囲の周辺住民について原告適格を認めました。

歌詞では、

生命や身体 健康や環境
著しい被害が 生じるのなら
公益の中に 消えるのか
個人の利益として 守るのか

という言葉で表現しています。


原告適格と訴えの利益

原告適格と混同しやすいのが、狭い意味での訴えの利益です。

原告適格は、

誰が処分を争えるのか

という問題です。

一方、狭義の訴えの利益は、

現在もその処分を取り消す必要があるのか

という問題です。

処分の効果が期間の経過などによってなくなった後でも、処分を取り消すことによって回復すべき法律上の利益が残っている場合には、取消訴訟を提起できることがあります。これは行政事件訴訟法9条1項の括弧書きで定められています。

歌詞では、

原告適格は 誰が争うか
訴えの利益は 今も必要か
似ているようで 別の論点
混同せずに 整理しておけ

という言葉で区別しています。

試験対策では、

  • 原告適格=誰が争えるか

  • 訴えの利益=今も取り消す実益があるか

と整理すると覚えやすくなります。


原告適格の判断方法

第三者の原告適格が問題になったときは、次の順番で考えると整理しやすくなります。

1.処分の相手方か

まず、原告が処分の名宛人なのか、それとも相手方以外の第三者なのかを確認します。

2.どのような利益が害されるのか

生命、身体、健康、生活環境、財産、営業上の利益など、原告が主張する利益の内容を確認します。

3.根拠法令はその利益を保護しているか

処分の根拠法令の趣旨・目的を確認し、その利益を個人の利益として保護しているかを検討します。

4.関係法令も確認する

根拠法令と目的を共通にする関係法令の趣旨・目的も参酌します。

5.被害の態様・程度を確認する

どのような被害が、どの程度、どの範囲に生じるのかを確認します。

最終的には、

その法令が、誰のどのような利益を個別的利益として保護しているのか

を考えることになります。


まとめ

原告適格とは、取消訴訟について、原告として訴えを提起できる資格です。

取消訴訟を提起できるのは、処分または裁決の取消しを求めるにつき、法律上の利益を有する者です。

重要なポイントは、

  • 単なる不満や事実上の利益だけでは足りない

  • 権利または法律上保護された利益が必要

  • 必然的に利益を侵害されるおそれのある者も含まれる

  • 処分の相手方以外の第三者にも認められる場合がある

  • 一般公益と個別的利益を区別する

  • 根拠法令と関係法令の趣旨・目的を確認する

  • 利益の内容・性質、害される態様・程度を考慮する

という点です。

まずは、

法律上の利益を有する者

そして、

その法令は、誰のどのような利益を個別的に保護しているのか

という2つを押さえておきましょう。

繰り返し聴きながら、原告適格の判断構造を耳から覚えてみてください。

※本記事は、行政書士試験・公務員試験などの資格試験学習を目的とした教材です。個別の事件に関する法律相談ではありません。


参考条文・判例

行政事件訴訟法9条
取消訴訟の原告適格と、処分の相手方以外の者について法律上の利益を判断する際の考慮要素を定めています。

最高裁判所大法廷 平成17年12月7日判決
小田急高架訴訟。都市計画事業の周辺住民について、法令の趣旨・目的や健康・生活環境に係る著しい被害などを考慮し、一定の者の原告適格を認めた判決です。

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