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1+1=100 と感じるとき

7月17日(金)
朝、目が覚める。

たっぷり眠った。
昨晩アラームをオフにして眠ったのだ。

今日も虫たちの大合唱。
あぁ、夏なんだなぁ。

むくりと起きあがる。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに
「おはよう!」と あいさつをする。

ぴぴぴ ちゅんちゅん

小鳥たちが楽しそうに
おしゃべりをしている。

ぴぴぴ ちゅんちゅん

と、マネをする。

ウーちゃんとルーちゃんに、
メダカちゃんたちに、ご飯をあげる。

お弁当を作る。

午後、グリーンコープ元気カーの
メガネさんがやってきた。

お買い物カゴを持って
てくてく歩いてゆく。

いつも緑色の車なのだが
今日は赤色だった。

「今日は赤い車なんですね!」
と言うと

「車、壊れちゃったんですよ
 これ古い車なんです。」
と、メガネさんが
ちょっとしょんぼりして言った。

ミルクをカゴに入れていると

バチッ
と言って冷蔵庫の電気が消えた。

「あ、バッテリーが落ちた」
と、メガネさんがスイッチを入れた。

「今日、蒜山のヨーグルト
 持ってきましたよ」
と、メガネさんが言い終わらないうちに

バチッ
と言ってバッテリーが落ちた。

「暑くなるとバッテリーが
 すぐ落ちるんですよ」
と、メガネさんが汗をふきふき言った。

バチッ

お買い物をしている短い間に
5回くらいバッテリーが落ちた。

車、すごくがんばっているんだなぁ。
と、胸が きゅうっとなった。

おんがっぴーの作画の修正をする。

電話が鳴った。

ここ最近の出来事で、今日は電話をかけたり
かかってきたりで 4度 各所とお話をした。

夕方、椎茸の原木にお水をあげていると
バナナさんが勝手口から出てきた。

毎回、原木にお水をあげていると
バナナさんが勝手口から
出てくるのが不思議だった。

すごい偶然だなぁと思っていたら
サーサーと水をあげる音が聞こえるらしい。

「みるちゃん、見てん。ちいかわ」
と言ってバナナさんが手を開いた。

手のひらに小さな ちいかわの
お人形が乗っていた。

「可愛いね」
と、私。

「可愛いやろう〜セリアで買うたと
 1個しかなかったんよ」
と、バナナさん。

バナナさんも可愛いものが大好き。

ちいかわの話をしていると
ごはんさんが帰ってきた。

「あ、ごはんさん帰ってきたよ」
と、バナナさん。

腕だけ みるみるダンスでお出迎え。

ごはんさんが屋根の修理を始めた。

「みるさん、板を支えとくから
 屋根の端っこに合わせて
 マジックでしるし入れてもらえる?」
と、ごはんさん。

お安いご用だ。

書き書き。

「ばっちり」
と、私。

「ありがとう」
と言って ごはんさんが
しるしに沿って板を切った。

屋根に合わせる。
1cm 短かった。
…あれ?

「きゃーごめん」
と、私。

「いいよいいよ、シリコンで埋めるから」
と言って ごはんさんが笑った。

あっという間に屋根の修理が終わった。
素晴らしい出来栄えだった。

ぱちぱちぱち
と拍手を贈る。

「みるさん、見て。ツバメすごいよ」
と、ごはんさん。

見上げると電線に
ツバメがたくさん留まっていた。

羽づくろいをしたりくつろいでいる。
可愛いなぁ。
五線譜の音符みたい。

原木に水をあげただけで
シャワーを浴びたみたいに
汗をいっぱいかいた。

タオルで顔をゴシゴシ拭いて
先日20年ぶりに行ったお店へ食事に行く。

道中、映画「ショーシャンクの空に」
の話で盛りあがる。

到着。
そのお店はとても庶民的な
ラーメン屋さんだった。
ラーメンの他にもいろいろメニューがある。

本棚には漫画が並んでいて
その上に置かれている水槽の中には
きれいな色の小さな魚たちが
ひらひら泳いでいた。

厨房を囲むようにカウンター席がある。
広くない店内に
テーブル席も少し用意されている。

テレビの音がずっと響いていて
明るい店内に ひとりのお客さんや
家族連れのお客さんがいた。

ごはんさんと私はカウンター席の
端っこに座った。

厨房の中にいくつもある大きなお鍋から
じゃんじゃん湯気が出ていた。

スタッフはみんな親族のようだ。

先日お昼過ぎに行ったときいなかった
先代ご夫妻も厨房の中で食事を作っていた。
びっくりしてうれしくなった。

もうすぐ80歳くらいなんだろうか。

ごはんさんが大盛りのラーメンを
おいしそうに食べている。
チャーハンも ぱくぱく食べている。

私は あつあつのフライドポテトを
もぐもぐ食べる。

料理している音やテレビの音、
お客さんが話している声がしている。

何だか明るくて くつろいでいて居心地がよく
ふわりと幸せなきもちになった。
そのとき

「なんか幸せ」
と、ごはんさんが言った。

「うん、なんか幸せだね」
と、私も言った。

そのあとも合言葉のようにお互い
何度も「なんか幸せ」と言った。

こういう日常の中の
何でもない一コマって幸せだ。

湯気を感じる中で
話をしてもしなくてもよくて
ただいっしょうけんめい食事をする。

「みるさんラーメン食べれないのに
 つきあってくれてありがとう」
と ごはんさんが言ってくれた。

「こちらこそラーメン食べれないのに
 連れてきてくれてありがとう」
と、心から言った。

ここ最近の出来事は私たちにとって
大きなことだけれど

一人だと一人なんだけど
二人だと百人分くらいの力に
なるような気がする。

1+1=100
という不思議な足し算になる感じ。

おなかいっぱいになって
わいわい言いながらお買い物へ行く。

いつものお店のいつもの駐車場で
月と金星が はっとするほど美しく輝いていた。

「すごくきれい」
「うん、きれいだね」
と繰り返す。

車から降りてじっと眺める。
空からの美しい贈り物に
胸が ふるふる ふるえた。

お買い物を済ませ家に帰り着くと
朧月になっていた。
幻想的。

北斗七星が ぴかぴか輝き
他の星たちもキラキラ煌めいていた。

あぁ、なんて素敵なんだろう。

うっとり眺めて
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

今日もいい一日だった。

糸のように細い三日月だったけれど
撮影すると半月に見えちゃう

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