こつこつ そして達成感
11月24日(月)
朝、目が覚める。
しばらくベッドの中で ごろごろする。
小鳥の歌声が聞こえてくる。
可愛いなぁ。
ごろごろ ごろごろ
昨晩、夜10時に
アラームをセットしておいた。
ピピピピピ
ごはんさんが貸してくれた
双眼鏡と単眼鏡を持って
いそいそと庭へ出た。
アンドロメダ銀河を見るために。
あ。
空一面雲で覆われていた。
双眼鏡で雲を見て楽しんだ。
中に入ると窓ガラスに
イルミネーションの光が映っていた。
光のダンス。
とてもきれいで感動した。
外で見るのとは ひと味ちがう輝きがあった。
しばらくうっとり眺めていた。
むくりと起きあがる。
両親と毎朝恒例のLINE。
最近、母に悩みがあるという。
久しぶりにビデオ通話する。
母の悩みが可愛すぎた。
この悩みが母の中でトップ 1だなんて
なんて平和なんだろう。と思った。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに
「おはよう!」と あいさつをする。
ウーちゃんとルーちゃんに、
メダカちゃんたちに、ご飯をあげる。
修一郎の食事をお弁当仕立てにして
ふたつ作っておく。
ネパール語版絵本の作画をする。
午後、ツナギに着替えて
屋根の上へ しゅっぱーつ!
今日中に さび止め剤を塗り終えたい。
壁画を描いたり車の塗装をしたときに
着ていたツナギなので
絵の具がたくさんついている。
バナナさんが通りかかった。
「みるちゃん、それ、かっこいいね。」
と、バナナさんが真顔で言ってくれた。
ころころ ぬりぬり
ころころ ぬりぬり
空がすごくきれい。
透き通った水色の空に
白い雲が光を放ちながら浮かんでいる。
うっとり眺める。
ちっとも風がないんだな。
雲が ぴたりと静止している。
「みるちゃん!」
と、声がした。
バナナさんだ。
「今日、可愛いの買ったと!見て!」
と言って、鉢に入った黄色いビオラを指した。
「可愛いね!」
と、私。
「あとで話そっ。」
と言ってバナナさんが片手をあげた。
ころころ ぬりぬり
ころころ ぬりぬり
ミャウさんがアランくんと通りかかった。
「今日、雨降るらしいよ!」
と、ミャウさん。
え。
慌てて天気予報を見る。
夜、小雨が降るようだ。
表面が乾いていれば大丈夫。
急いで塗ってゆく。
こつこつ塗っていると
「みるさ〜ん!」
と、声がした。
顔をあげるとミャウさんが今度は
立派な赤ちゃんを抱っこしてやってきた。
「赤ちゃん〜〜!可愛い〜!」
と、私。
「次男の子供〜。」
と、ミャウさん。
ふっくらとして真っ白だ。
マシュマロみたい。
ほっぺが やわらかそう。
可愛いなぁ〜。
赤ちゃんにはこの世界がどういうふうに
みえているんだろう。
おしゃべりしていると
ワンワン!ワンワン!
クゥ〜ン クゥ〜ン
ワンワン!
と、アランくんがミャウさん宅の
お庭から何かを訴えている。
「やきもち焼きようと。」
と、ミャウさんが言って笑った。
アランくんも可愛いなぁ。
なんか、屋根の上と下でお話しするのが
ふつうの光景になってきたな。
ころころ ぬりぬり
ころころ ぬりぬり
あと少しで完成だ。
ごはんさんがお仕事から帰ってきた。
屋根の上で みるみるダンスをする。
ごはんさんがハシゴを上って屋根を見る。
「いいね、あと少しだね!がんばって。」
と励ましてくれた。
最後の場所を塗って…
完成!
ぱちぱちぱち。
やったぁ。
さび止め剤も ぴったりの量だった。
すごい達成感。
まだ終わってないけど。
明日は雨模様なので
明後日から塗料を塗っていこう。
ハシゴを降りると
バナナさんが待っていた。
「このビオラすごく可愛いやろ。
いい香りするよ。」
と、バナナさん。
鼻を近づけて くんくんする。
甘くて濃厚な香りがした。
花も葉っぱも いきいきしている。
「可愛いね。」
と言って にっこりする。
片付けをして、ごはんさんと近所を歩く。
Bさんがカーポートから
玄関へ続く場所に屋根をつけていた。
ここも屋根だ。
みんなDIYが得意だなぁ。
太い鉄パイプを支柱にして
足場のように組み上げ
トタンの屋根を張っている。
それはゆるく傾斜している。
基地みたい。
みんなでちょっとおしゃべりをする。
「この鉄パイプで
流しそうめんもできますね。
向こうから そうめん入れて
こっちでお椀持って受けるの。」
と、私。
「鉄分も摂れるしね。」
とBさんが言って笑った。
ごはんさんと昨日持って帰った
銀杏の仕上げをする。
お庭に小さな椅子を ふたつ並べて座り
今日も ごしごし磨いてゆく。
こつこつ ごしごし
「楽しいなぁ。」
「楽しいねぇ。」
と言いながら、あっという間に
網のトレイふたつ分出来上がった。
ごはんさんも私も年々磨きの腕が
上がっているような気がする。
「あ、これちょっと皮残ってる。」
「あ、ここヒビが入ってる。」
と言いながら銀杏を分けてゆく。
完成品の精度も
どんどん上がっている。
このまま乾燥させて袋に入れると出来上がり。
出荷作業みたいだ。
ごはんさんがヒビが入って
選り分けていた銀杏を乾煎りして食べた。
殻の中には美しい翡翠色が輝いていた。
「これ、ほんとおいしいよ。」
と言って ごはんさんがほほえんだ。
夜、庭に出る。
雲のグラデーションがとても美しかった。
どんな空も美しいなぁ。
わくわくする。
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
今日もいい一日だった。
