見出し画像

【農業研修メモ】ピーマンの収穫作業。農業は一筋縄ではいかない。「水と栄養」の深い関係


目次

1. ピーマンの収穫
2. 収穫したピーマンに異変
3. 尻腐れ症が発生する理由
4. 対策について
5. 今後の観察ポイント

---
1. ピーマンの収穫

ピーマンの収穫を行った。

収穫までには定植、整枝、誘引などさまざまな管理作業を行ってきた。多くの時間と手間がかかっているため、実際に収穫できる瞬間はとても嬉しく感じた。

収穫は剪定ばさみのようなハサミを使って行った。葉の陰に隠れている大きなピーマンを探しながら収穫するのは、まるで宝探しのようで楽しかった。また、収穫中に漂うピーマン特有の香りも印象的だった。

---
2. 収穫したピーマンに異変

収穫したピーマンを確認していると、一見きれいに見える果実の中に、お尻の部分が茶色く変色し、少し柔らかくなっているものがあった。

これは「尻腐れ症」という生理障害とのことだった。

症状がごく小さくても出荷はできないそうで、見た目にはほとんど分からない程度のものでも選別されていた。

正直なところ、「十分食べられそうなのに」と感じたが、品質を揃えて出荷するためには必要な基準なのだと学んだ。

---
3. 尻腐れ症が発生する理由

尻腐れ症はカルシウム不足によって発生する。

ただし、必ずしも土の中のカルシウムが不足しているわけではない。果実までカルシウムが十分に運ばれなくなることで発生する。

カルシウムは植物の体内で、水の流れに乗って移動するという特徴がある。

夏場の高温時には地温の上昇や乾燥によって根の働きが弱くなり、水を吸い上げる力が低下する。

さらに、強い日差しによって葉からの蒸散が盛んになるため、吸い上げられた水やカルシウムは葉へ優先的に運ばれる。

その結果、果実の先端までカルシウムが届かなくなり、細胞が壊死して尻腐れ症が発生する。

つまり、

「根が十分に水を吸えない」
+
「葉がカルシウムを多く使う」

という状態が重なることで発生しやすくなるということだった。

尻腐れ症状のメカニズム

---
4. 対策について

尻腐れ症の対策としては、次のような方法がある。

① 均一な潅水

土を極端に乾燥させず、適度な湿り気を維持することで、カルシウムの吸収と移動を安定させる。

② 地温上昇の抑制

敷きワラやマルチ、遮光資材などを利用し、地温の上昇や乾燥を防ぐ。

③ カルシウム剤の葉面散布

根からの供給が追いつかない場合は、カルシウム剤を葉や果実周辺に散布する方法も有効とされている。

今回はカルシウム剤の散布によって対応した。

---
5. 今後の観察ポイント

今後もピーマンの収穫は続く。

今回実施したカルシウム剤の散布によって症状がどの程度改善されるのか、また気温がさらに高くなる中で再び発生してしまうのかなど、今後の変化を観察していきたい。

収穫は単に実を取るだけではなく、作物の状態や栽培管理の結果が見える作業でもあることを実感した。

いいなと思ったら応援しよう!