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【第2章】10年越しのプロポーズ|れんこんへの片想い・その1

倒産寸前から黒字化の翌年、最初に兆しが出たのはハウスだった。

倒産寸前から黒字化の翌年。
思いもよらない場所から変化は始まりました。

れんこん農家としてどん底にいた2年前。

収量はピーク時の半分以下。
売上は激減。
「もう終わりだ」と何度思ったか分かりません。

経費を1050万円削減して黒字化したものの、
その土台は非常に脆いものでした。

“生産力そのもの”が戻らない限り、再び倒れる。

頭では理解していても、
当時はどうやって収量を取り戻せばいいのか、
全く見えていませんでした。

そんな中で、
わずかな希望の光が射したのは——

『ハウス栽培のれんこん』でした。

露地より面積は小さく、全体の1/20。
全体の売上へのインパクトも大きくはありません。

それでも、
私にとっては反転のきっかけとなる重要な場所でした。

なぜハウスから改革を始めたのか

理由はとてもシンプルでした。
・土壌環境をコントロールしやすい
・一番最初に収穫するため、露地へ横展開が可能
・小さな面積でも「成功体験」を積める

どん底の時期、
露地の大規模改革に着手する精神力は正直ありませんでした。

だからこそ、
まずは 「一番成功確率が高いところ」 に集中したのです。

振り返ると、これは正しい判断でした。

変化を感じたのは、たった1つの事実だった

改善策はいくつもありますが、
当時私を驚かせたのは、

“地上部(葉)の変化が目で見えるレベルで現れ始めた”ことでした。

土壌分析から欠乏している栄養素を投入。
さらに分析項目には載っていない
ケイ酸も追加するなど、
少しずつ見直していきました。

するとある日の朝、
ハウス内の葉を見た瞬間に気付きました。

「あれ?葉が良く見える。」

去年まで、
葉の色が薄く、茎も細く、頼りなく見えた地上部。

それが明らかに違う。

濃い色。
一回り大きな葉。
太くしっかりした茎。

その場で鳥肌が立ったのを覚えています。

「これは…いけるかもしれない。」

**そして迎えた収穫期。

結果は——“過去最高収量”。**

倒産寸前から黒字化。
それからたった一年。

面積は小さくても、
ハウスの収量が過去最高を記録した瞬間、
私は初めて確信しました。

「れんこんは生き返る。
そして、この農業は再生できる。」


経費削減で立て直しただけではなく、
“生産の底力”が回復し始めた事実。

この手応えが、
経営者としての私の心を一気に明るくしました。

では、具体的に何をどう変えたのか?
・どの資材を入れたのか
・なぜ一年でここまで変わったのか

これらは、
実は “ある共通する原理” の上に成り立っています。

そしてこの原理を露地に応用したことで、
収量はさらに大きく改善していくことになります。

その全てを、
次回から順にお話しします。

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