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【レビュー】映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』感想:摩天楼への帰還とMCUのジレンマ


筆者はスパイダーマンが大好きだ。

サム・ライミ版を映画館で観た時のあの衝撃は、今でも鮮明に覚えている。コミックスこそ未読だが、ライミ版、『アメイジング』、そしてMCU版と、映画シリーズは全て網羅し、ゲームもプレイしてきた。もちろん、MCU作品やドラマシリーズも一通り追っている。

そんな「映画版スパイダーマン愛」に溢れる筆者による、最新作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』の率直な感想をお届けしたい。

まず結論から言おう。

また映画館でスパイダーマンを観られた幸せ。これに尽きる。最高に面白かったし、心から楽しめた。


ここからはネタバレを含みつつ、鑑賞中に感じた「良かった点」や「気になった点」を語っていきたい。

■ 劇場で観るべき!本作の魅力とキャスト陣

  • 何よりスクリーンでスパイディに会える喜び: 冒頭でも触れたが、新作を劇場で観られるというだけでファンにとっては至上の喜びだ。

  • キャストたちの確かな成長: 登場人物たちもすっかり大人になった。ゼンデイヤはより一層美しさに磨きがかかっていたし、トム・ホランドがだんだんトビー・マグワイアの面影を感じさせるようになってきたと言うと、ファンに怒られるだろうか?

  • サム・ライミ版へのリスペクト: 随所に過去作への愛が感じられた。オーガニック・ウェブの登場など、古参ファンをニヤリとさせる演出は素直に嬉しかった。


■ 気になった点・もったいなかった点

手放しで褒めたい一方で、愛しているからこそ気になってしまった点もいくつかある。

1. 摩天楼を活かしきれていないアクション

個人的に、MCUの最大の罪は「スパイダーマンをNYから追い出したこと」だと思っている。摩天楼を飛び回ってナンボのヒーローが、MCU入り後初の本格的なNY帰還を果たしたのだから、大いに期待していた。

しかし、本作は全く摩天楼を活かせていない。 クレーン撮影を駆使した初代スパイダーマンの映像にあった「確かな重み」に対し、今作は色々な撮り方で工夫してはいたものの、CG感が強すぎて少し冷めてしまった。もっと摩天楼を縦横無尽に飛び回る戦闘が観たかった。

2. アクションとヴィランの選定

アクションシーン全体も少し物足りない。なぜかハルクとの戦闘が室内で展開されたが、「そもそもなぜハルク? そこはスパイディオリジナルの敵を出してくれ!」と叫びたくなった。

3. MCUの「ハブ」にされるスパイダーマン

今作にはジーン・グレイが登場する。浅学な筆者でも、今後のMCUがX-MENを中心に回っていくであろうことは察しがついた。(過去の映画版よりキツさを失ってやわらかくなっていた)。

しかし、その壮大なユニバースの伏線張りを、私の大切なスパイダーマンでやらないでほしかった。前作(?)『サンダーボルツ』の展開も絡んでいたが、一般層は果たしてついてこれるのだろうか。

4. 詰め込みすぎた「ごちゃごちゃ感」

ストーリーの主軸はエモーショナルなもの。それなのに、映像も物語も要素を詰め込みすぎてごちゃついており、非常にもったいない。良くも悪くも、サム・ライミ版『スパイダーマン3』に近い印象を受けた。

また、音楽に関しても印象に残るテーマがなく、「ダニー・エルフマンを使ってくれ!」と感じてしまった。


■ ストーリーや設定への疑問符

劇中の世界観やキャラクター設定についても、いくつか首を傾げる部分があった。

  • 大人の事情?: おそらく最初に観た人が抱く感想は「Samsungはいくらスポンサー料を出したのだろうか?」だろう(見事に折りたたみスマホが欲しくなってしまったが)。

  • ピーターの生活感: あれだけ自警団活動をしていて、生活はどうやって成り立っているのか? アイアンマンの遺産? いつものバイトは? あるいはSamsungのお金で潤っているのだろうか(笑)。MCU版ピーターはアイアンマン化の恩恵か、昔ながらの「貧乏感」「生活感」が薄れてしまっている。

  • 謎のタイムラインと情勢: 大学卒業までが描かれ、相応の年数が経っている。キングピンが選ばれたNYにおいて、これほどまでに自警団が愛されているのは不自然ではないか?最近だとデアデビル、パニッシャーなどのドラマで描かれているNYと同じですか? この空白の期間は、スタテン島の事件を『ブラック・ウィドウ』のように後出しで描くのか、それとも『踊る大捜査線』の潜水艦事件のように、限界が来るまで濁し続ける気なのだろうか。謎のDSでのゲームになってましたが。

  • キャラクターの改変: パニッシャーがただの「人の良いおじさん」になっていたことにも違和感がある。

  • ジーン・グレイとオーガニック・ウェブの謎: ジーンの能力が「操る」ことなのか「命を繋ぎ止める」ことなのか、描写が分かりづらく、一緒に観た知人にどんな能力なのか聞かれてしまった。なぜMJだけ涙を流していたの?もう少し他の能力も描いた方が伝わったのでは?また、復活したオーガニック・ウェブについても「なぜオーガニックの方が強いのか?」「量の問題?」と余計な疑問が湧いてしまった。

■ まとめ

辛口な意見や疑問も書き連ねてしまったが、それも全てはスパイダーマンへの愛ゆえだ。

細かな不満はあれど、最終的な感想は冒頭に書いた通り「大変満足」である。愛するスパイダーマンの新作を、映画館の大きなスクリーンで観られる。その事実だけで、ファンにとっては最高に幸せな映画体験なのだ。ありがとう、スパイダーマン。


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