【負けヒロインが多すぎる!9巻】感想・考察を語る
こんにちは。シレンです。
2026年7月17日に発売された負けヒロインが多すぎる!9巻を読了しました。
明日も大学の講義があるにも関わらず、22時就寝&3時半に起きて電子版を読み耽るくらい発売を心待ちにしていました。
本記事は9巻のネタバレ含むので、まだ読んでいない方はご注意ください。
あくまで一個人の感想・考察ですので温かい目で読んでくださると嬉しいです。
都合上、時系列ではなく登場人物ごとに感想・考察を書いていきます。
温水和彦
圧倒的女の敵!!!!!
9巻でも相変わらずの女の敵を炸裂していました。
なぜ、この男はこんなにもカウンセリングがうまいのか。
悩み相談だったり、傷心中の女の子に寄り添うのだったりが手馴れすぎて怖い。本人も自分が女の敵と呼ばれていることを自覚し始めて、もはや無敵状態です。
心の中ではもはや八奈見のことしか考えられなくなるくらい八奈見を意識しているのに、自分の理性を全力で蓋をしている状態。
飛騨高山旅行で八奈見と二人きりで止まることになった時も、「温水は絶対何もしないだろう」という謎の安心感がありました(ラブコメ主人公としていいのかはさておき)。
小春が家に居候することになった時も、いっちょ前に嬉しそうにしていたけしからんやつです。八奈見以外の女子は結構容姿を褒めるのに、八奈見になるとどうして素直になれないのか。もやは熟年夫婦の雰囲気です。
さて、祇園祭の感想ですが・・・
女子二人とお祭りダブルデートとはいい身分だな、温水。
はたからみれば温水の所業はだいぶヤバイです。ほんとにいつか刺されるぞ。
結局天愛星の告白を保留にし続けたまま、八奈見との関係も壊さずに温水だけ美味しい思いをしている状況。
私はてっきり9巻で告白の返事をすると思っていたので、保留にするのは意外でした。まあ、これ以上9巻の情報量が多くなると読者が気絶してしまうので調節したんですかね・・・?
それはそうと、本人も言及しているが本当に「このままではいけない」。
最後に、9巻において温水は
「付き合うことはめんどうだ」(意訳)と言っていました。
「この期に及んでまだそんなこと言ってんのか」と突っ込んだ人は私だけではないはず。
この思想が今後の温水の動向にどう絡んでくるのか、楽しみ?です。
八奈見杏菜
まず9巻を読んでて思ったのが、
君、温水とずっっっっっと一緒にいるやん。
こんなに終始一緒に行動する男女が付き合ってないとか、もはや法を犯しているとしか考えられない。
八奈見は温水の相棒の座でも獲得したんですかね?
9巻でも相変わらず食べてばかりの八奈見。
いつも人ごとのように感じていた暴食ですが、飛騨高山は私も旅行したことのある大好きな観光地なので、八奈見の気持ちは共感できます。私も2500円くらい食べ歩きで散財したので。
温泉街の旅館でのイラストで一言。
ありがとうございます。最高です。
八奈見に照れるという感情はあったんだと再認識させられました。
温水にあーんをするという求愛行動は何とも思ってないのに、温水から顔を近づけるのはアウトなんですね。基準なんだ?たった一言、「好き」というだけでくっつけそうなのに、もどかしい…!
あと、9巻から天愛星とかなりバチバチしてました。
この手の話は2次創作で山ほど読んできましたが、やはり公式は言葉のキレが違います。
私が9巻において印象的だったのが、八奈見が桜井を責めるシーン。
八奈見は生徒会選挙の時から桜井を見てきて「彼の目が時々透明になる」と評しています。
八奈見にとって、桜井の本当の心は別にあるのに小春に対して曖昧な態度をとっていることが許せなかったのだと思ます。
「結ばれた恋人は幸せになる」という八奈見の理想に反する状況ですから。
最後に、八奈見が時々見るという子供の自分が一人きりになるという夢。
これは現状の八奈見の状況のメタファーだと考えられます。
正直に言って、八奈見の心は他のキャラと比べると幼いです。昔も今も、失恋という大きな挫折を経験した今でさえ彼女の心はあまり成長していません。これが「子供」のメタファーです。
また、八奈見は人間関係が軽薄です。八奈見が興味があるのは温水だけであり、他の文芸部員とは言ってしまえば、ただの恋のライバルなわけです。
焼塩&小鞠ほど親密であるわけでなく、文芸部のほかにコミュニティがあるわけでもない。つまり、もし温水が誰かに取られてしまったら八奈見は確実に一人になってしまいます。これが「一人」のメタファーです。
これが正夢になるかどうかは、八奈見の頑張り次第でしょう。
頑張れ、八奈見。
放虎原ひばり
よかった…よかったよ、桜井君と結ばれて。
9巻の表紙を飾ったメインキャラクター。
ある意味、桜井と結ばれるのは原点回帰と言えるわけですが、それにしても初登場時には考えられないくらい濃い人物になったなあと。
9巻ではところどころに放虎原、桜井、小春の幼馴染3人組の回想が書かれましたが、読むたびに胸が締め付けられました。
昔からずっと放虎原と桜井の心は結ばれていたのに、それが原因で両家のいざこざに巻き込まれてしまうという、あまりに残酷な過去。
まじで放虎原家と桜井家の父親二人は許さん。
桜井を転校から守り、形だけとはいえ桜井の彼女になった小春に対し、放虎原は複雑な心境だったでしょう。
どうして放虎原があのような性格になったのか、大人にならざるを得なかったのか。それは、この一連の事件がきっかけです。
最後に見せた、彼女の本当の気持ちと仮面を捨てた本当の「ひばり」の姿に目の奥が熱くなるのを感じました。
どうか、お幸せに。
水島小春
君、めっちゃええ子やん・・・!
最初こそ、男女関係に奔放な爆弾キャラかと思えたこの人物(あながち全部が間違っているというわけでもないが)。
しかし、9巻を最後まで読むと見方が変わりました。
水島小春は放虎原と桜井が大好きで、ただ二人を守りたかっただけの女の子です。
しかし、当時は効果的だった「弘人と付き合っている」という一つの嘘が、結果的に3人を長く苦しめることになってしまいました。
この嘘の誤算は二つです。
1つ目は桜井と放虎原がすでに両思いだったこと。
2つ目は小春が嘘ではなく本当に桜井が好きだったこと。
まだ小学生だった小春にここまで想像しろというのは、あまりに酷な話です。
人によっては小春を好まない人もいるかと思いますが、私は大人二人の喧嘩に仲裁に入った彼女の勇気に賞賛を送ります。
最後には、美しく花火の咲く中で桜井と別れました。
一度入った亀裂は戻らない。そもそも、最初からいくつもひびが入っていた可能性もあります。しかし、桜井と恋人関係であった時間は、決して3人にとって無駄なものではなかったはずです。
最後まで桜井の「彼女」を貫いた小春に幸有らんことを。
桜井弘人
生徒会副会長にして、放虎原&小春の三角関係の張本人。
家に迷惑はかけられない。
放虎原に迷惑はかけたくない。
助けてくれた小春の気持ちを大切にしたい。
このような思いが交錯した結果、自分の放虎原への感情を閉じ込め、小春の彼氏を演じることを彼は選びました。
しかし、いくら桜井が小春の彼氏として振る舞っても、その気持ちは小春には届きませんでした。
桜井も正直な男子なのです。形だけの彼女と既成事実を作るなんてことはできないし、そうすることで逆に放虎原という自分の本当の想い人の影がちらついてしまう。
小春への「好き」という気持ちは事実だったのでしょう。でも、放虎原への想いはそれの何倍も大きく、そして長かったのだと思います。
最終的に小春に振られてしまいましたが、これは仕方がないでしょう。
桜井のしたことは小春から見れば浮気と言ってもいいでしょう。
全力の頭突きを受ける義務くらいはあります。
正直、私ももこれくらいはされてもいいと思ってました。
結果的に放虎原と本当の気持ちを伝えあい、二人は結ばれたので本来あるべき形に収まったといえるでしょう。
ただ、小春との関係がこれきりとならないことを願います。
馬剃天愛星
浴衣可愛いいいいいいいいいいい!!!!!
ますますヒロイン力に磨きがかかったように感じます。
恋する乙女ってすごい…
まじでなんで温水は告白を保留にしてるんだ? 温水そこ代われ。
八奈見とは完全に敵対モードに入りました。八奈見と会うたびに彼女を牽制しています。まあ、八奈見は常に温水にべったりなので嫉妬するのも無理はありませんが。
天愛星の嫉妬に気づけただけでも温水は少し成長しましたね。
しかし、温水の心情を鑑みるに天愛星は「まだ振られてないだけのヒロイン」状態。
9巻では温水と大きな進展はありませんでしたが、いつどうなっても不思議ではありません。
泣く覚悟はできています。頼むよ、雨森先生。
焼塩檸檬
9巻はあまり出番がなかったですね。
インターハイまで出番はお預けか。
どうでもいいですが、温水って焼塩の匂い大好きだな…
小鞠知花
私の最推し。もっと出番ください。
また文化祭で活躍を見せてほしい。
進路関連の話も本格的に始まりそうです。
白玉リコ
今回は比較的おとなしかったですね。
相変わらずあざとい。
佳樹との絡み結構好きなのでもっと見せてほしいです。
志喜屋夢子
どうしてこの人は出番が少ないのにこんなにもインパクトが強いのか。
温水に祭りに誘ってもらえずに嫉妬するの可愛い。
扉絵のビジュアルが最高すぎて10回は見直しました。
恋川ツクシ
まだ捕まってないだけの女その②。
いつかメイン回があるのでしょうか?
個人的にあまり好きにはなれないキャラです。
まとめ
9巻は今までの巻とは打って変わって非常にシリアスで、湿度が高い雰囲気に仕上がっていました。ちなみに私はこのような作風大好きです。
あの時小春の放ったたった一言の嘘が、放虎原、桜井、小春の3人を何年も苦しめる結果となりました。
建前だけでは満足できない。本音は伝えることができない。
そうなってしまったら、相互理解はできなくなります。
9巻は、決してハッピーエンドではありません。しかし、3人が前へ進むためには避けては通れない道であったと感じています。
3人の未来がより良いものであることを、1読者として見守りたい所存です。
以上。

