嫉妬戦隊シットマン
嫉妬祭りの記事で、マイトンさんの記事を読んで「別に自分の嫉妬じゃなくて、他の切り口で表現してもいいのでは?」と思い、書いてみました。
◇
2029年、日本。
インターネットに蠢く承認欲求……嫉妬……。その感情に支配され、心のバランスを崩す人が増えていた。そこで、人々の心の平穏を守るため5人の若者が立ち上がったのである。
その名も、嫉妬戦隊シットマン。彼らが両手を上げると、人々の嫉妬心を吸収し、そのパワーで悪の組織「印震羨望エンサー」を退治するのだ。
シットマンのメンバーは、普段は高校生として日常を過ごしている。
グループのリーダー「嫉妬レッド」に変身するのは、雨宮健斗(16歳)。日頃から隣の席の佐々木琢磨(嫉妬ブルーに変身する)が、自分より女性からモテることに苛立ちを隠せない。
「リーダー!嫉妬のパワーが……」
健斗の隣で叫ぶのは、クラスの人気者の麻美。彼女は、SNSではインフルエンサーとして活動しているが、友達の「いいね」が自分より多いと嫉妬パワーで心が爆発してしまうのだ。
「私だって……私だって!!あの子よりもっと可愛いのに!面白いのに!どうしてあの子なの!」
麻美が危険だ。よし、嫉妬センサー発動!健斗は麻美をそっと抱きしめ、耳元で
「君が一番可愛いよ!」
と、囁く。麻美の頬が紅潮し、嫉妬パワーは弱まっていく。
「くううう……!俺の、俺の麻美おおおおお!!」
2人の姿を指を咥えて眺めているのは、嫉妬ブルー担当の佐々木琢磨だ。琢磨は密かに麻美に恋焦がれていた。
「あいつ、いつもリーダーの特権を活かして麻美に近づきやがって……ズルいよなぁ……」
「まぁ、琢磨。落ち着けって」
琢磨の肩にポンと手を置いたのは、嫉妬グリーン担当の木村大我。彼が嫉妬する対象は、人じゃない。昨日の自分だ。昨日の自分より出来が悪いと、悔しさのあまり発狂してしまうのだが、普段はその要素をオブラートで上手く隠し、癒し系キャラを演じている。
「麻美の財布が、ディオールなんだけど……誰にもらったのかしら」
麻美にガンを飛ばしているのは、嫉妬ピンク担当の七瀬桜。桜はハイブランド大好きな読者モデルで、人が身につけているアイテムのロゴに目がない。
「私の方が、ディオールも。健斗の隣も絶対に似合うのにぃ!きぃぃぃ!悔しい!」
そういって、桜は両手を広げて
「嫉妬ハリケーン!!」
と、声を高らかにした。
桜の頭上には小さな渦が発生し、あっという間に健斗と麻美の姿を飲み込んでいく。
「麻美!俺にしっかりつかまるんだ!」
「健斗……」
渦の中で、2人はぎゅっとお互いの体を抱き寄せた。桜と琢磨の心に、嫉妬の炎がメラメラと燻り続けた。
【エンディングテーマ・嫉妬メラメラ】
わたしの心に宿る
邪悪な渦よ
あの人ばかりずるい
どうして私はダメなのって
そんなもの!
自分の心に問いただせ!
敵は、外じゃない
お前の心に潜んでいるのさ
気づけ
それはお前の慢心だ
嫉妬の炎よ
それはお前だけじゃないさ
あの人にも 凄い人にも 誰にだって
嫉妬 嫉妬 嫉妬
メラメラに燃やせ 時には活かせ
嫉妬をパワーに変えるんだ
ゆけ!嫉妬ハリケーン!
いけ!嫉妬ボンバー!
戦え 戦え
嫉妬戦隊シットマン
【完】
2度目のおかわり参加です。
