令和の「絶望の革命」に出会った【創作大賞感想・ドシャえもん】
今回紹介するのは、はそやmさんの「
ドシャえもん」。
なんと、現在週間ランキング(ホラー)で一位です。おめでとうございます!

ストーリーの第1話の小見出しは「絶望」。キャッチコピーは「不気味な水死体がたぷん……」
はたして、どんな絶望が訪れるのだろうか。水死体がコピーに入っているということは、スケキヨ的な展開?(犬神家の一族より)
絶対に怖いお話のはず……。ドキドキ。
ストーリーはホラーのようで、コメディのようでもあり……。けれども、セリフのニュアンスやテンポはどこか軽快だ。
「きゅるん♪」
30過ぎの男が言うセリフかよ!
時には、ストーリーに登場する陽大が両親に虐待されてしまう、謎の女「伽羅」に振り回されたり、伽羅が残した娘「心愛」を守りたいのに、愛を知らないからこそ上手く愛せない。けれども結局、第三者から見れば「子どもを虐待する父」にしか見えていない……などのもどかしさなどなど。
次々と訪れる理不尽さに胸が抉られそうになってしまう部分もあるが、全体的に軽過ぎず重過ぎず、いろんな要素をバランスよく盛り込まれていた。陽大の他にも、ストーリーには幸・望海夫婦の妊活における葛藤なども書かれている。
私にも不妊治療していた時期がある。
子どもを虐待して殺してしまう人がニュースで報道される度に、なぜ我が家に子どもがいないのかと。そして、親になってはいけない人が親になるのかと、その運命を呪ったこともしばしば。
理不尽さからの、絶望。どうにもならないことだし、灰色になった芝生を羨んでも仕方ないというのに。あの頃の私のような葛藤を抱く人が作品の中に登場するなり、当時をふと振り返る。
葛藤や心理描写が丁寧なので、同じ思いを過去に感じたことがある人ならきっと「そう……そう……そうなのよ」って思わず共感するはず。
この辺りのバランスと、ストーリーの構成力は見事の一言……では尽くしきれない。きっとこれまで、たくさんの作品を読んだり、書いてきた方なのだろうと思う。
新しい「絶望」のスタイルに唸った。いろんな作品に触れると、時に「未知の世界」に触れることがある。私はこれまで、それなりにいろんな作品に目を通してきたと思っていた。愚かだった。
はそやmさんの創作は、懐かしさの中に新しさがあり、新鮮で面白い。
軽快なセリフと、重厚で濃密な「セリフとセリフの間の情景描写」のコントラストも美しかった。そして「たぷん」の3文字に、こんなにも恐怖を感じるとは——。
はそやmさんが紡ぐ世界を、これから先ももっと覗いて見たいと思った。
【完】
⭐︎追伸
はそやmさんは、連続でベストレビュアー賞を受賞されている、まさに感想のスペシャリストでもあります。
ベストレビュアー賞、勝手な私の予想ではありますが、今年は激戦になりそうな気がしています。(あくまで私の憶測です)
でもどんなに素敵な作品が出てこようと、最終的には「誰かを思う強い気持ち」「伝えたい(それも独りよがりではないもの)願い」なんじゃないかなという気もしてて。
なぜそう思ったか……それは、以下で紹介するはそやmさんの記事を読むとわかるはず。
ベストレビュアー賞を目指している方は、はそやmさんのこちらの記事をぜひ読んでみてください。感想を書く上でとても大切なことが書かれています。
「#創作大賞感想」をつける時だけは自分がなにに挑戦しているかは別にして、応援する作品の良いところが読者に届くよう集中してください。
