夫は探していた本を見つけ、私はレコードを探し始めた
新しい芸術文化センターがあるらしい。
そんな情報が、インスタで流れてきたので行ってみました。
その芸術文化センターとはSKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)。
東京都葛飾区亀有でJR常磐線、亀有駅~綾瀬駅間の高架下にあります。
「SKWAT(スクワット)」とは「SQUAT(占拠する)」を語源とするプロジェクトを指し、都市の空き施設を一時的に占拠し、価値ある空間へと転換していく、という芸術家及び思想家集団による運動なのだそうです。
亀有といえば、「下町」や『こち亀』の印象が強いのですが、JR東日本がこの高架下を約800mに渡り順次開発中らしいので、それぞれのプロジェクトがうまく融合したようです。
下町の高架下にあるアート空間、そう聞いただけで期待が膨らみます。
SKACには、ロンドンのレコード店VDS(Vinyl Delivery Service)の日本ショップ、アートブック専門のブックストアtwelvebooks、及びフリースペースParkを併設したカフェtawksがあります。
そして、このプロジェクトを手がける中村圭佑氏率いる設計事務所DAIKEI MILLS(ダイケイ・ミルズ)が空間設計を担当しているそうです。
亀有駅から歩いた方が近いのですが、間違えて綾瀬駅止まりの電車に乗ってしまったので、綾瀬駅から歩きました。
高架下なので、迷わずに行けました。
まずは、カフェtawksへ。

後ろに見えているのはブックストア

倉庫のような広い空間Parkには、木材などの資材で作られたオブジェが並んでいました。
これらは椅子やテーブルでもあるので、座ってコーヒーを飲みながら、眺めて過ごしました。

悩むのも楽しい

よくみたらテーブルと椅子


何だか、生き物のよう

ここのテーブルに落ち着きました
オブジェの、何語かわからない文字が気になります。
これは『WHEREABOUTS(サインの行方)』と題する展示も兼ねていたのです。
サインとは美術展で使われた目印や標識のことです。
会期を終え役割を終えたサインが、廃棄される運命を越えて新たな循環を生み出し、カフェ席としての機能を持ちながら、新たな「サインの行方」を見出していく、というのがこの展示の趣旨だそうです。
会期後の撤収時、サインの文字は部分的に欠損し、可読性が失われていますが、その欠損からは独自の言葉やイメージを想起させ、「誤読性」を伴いながら、サインが彫刻的な存在として浮かび上がる、という点も意図するところなんですね。
素敵な試みです。

一つのサイン「◻︎◻︎AY G◻︎OUND」について、文字穴埋めをして遊んでみました。
まず「GRAY GROUND」を思いつきました。
grayはアメリカ英語であって、イギリスだとgreyが正しいみたいですね。
次に浮かんだのは「CLAY GROUND」。
時々、クレイ(粘土)を使った創作をしているので、それで想起したのだと思います。
いずれも特徴のない言葉のようでもあり、想像が膨らむ言葉のようでもあります。
コーヒーは、丁寧に淹れてくれたのが伝わってきて、とても美味しかったです。
次にブックストアtwelvebooksへ。

かっこいいデザイン、空間です。
このブックストアの写真に惹かれて来たといっても過言ではありません。
骨組みで作られた本棚によって、工事現場のような、倉庫のような…。
本来入ることができない在庫保管庫に入らせてもらったら、予想以上におしゃれなところだった、みたいな感覚です。
テンション上がります。
棚に並べられたり、山積みになっている本も含めて、お店全体がアート作品、まさにインスタレーションなのです。

店内にある画集、デザイン、建築、写真集等のアート専門書はほぼ洋書。
どれも気になるものばかりで、手に取らずにはいられません。
時間が経つのを忘れてしまいました。
2階へも上がれますので行ってみました。

足場の上に素敵な椅子も

どっさり

ここは、建築現場?
足場を歩いたのは初めてでした。
足元を気にしながら本を探すのも、なかなかスリリングな体験です。
アートの森の遊園地にいるような気分でした。
1階に戻ると、ある文字と絵が目に入りました。
それは夫が探していた画家の画集でした。

画集はネットで探したり、買うことはできますが、まずは手に取って見てみたいものです。
ここで出会えるなんて!
夫は、SKACに着くまでは、本屋を併設したオシャレなカフェに行く、ぐらいにしか考えてなかったそうです。
思わぬ収穫に、無言でしたが、少年のようにウキウキしているのが伝わってきました。
画集を開いて、しばらくその場から動かなくなってしまいました。
そして、最後はレコードショップ VDS。

ブックストアとつながっている空間にあります。
亀有駅から歩いてきたら、入口付近にあるところです。
時代も様々な、国内外のレコードが並べられていました。
こちらも先ほどのサイン同様、循環されてここに辿り着いたレコードたちのようです。

レコード店に来たのは数年振り。
私はここに来ることが一番楽しみでありました。
ブックストアとは違った胸の高まりを感じます。
配信やサブスクによって、音楽を「消費する」という言葉が使われるようになって久しいですが、その言葉に抵抗があります。
どんな聴き方であっても、音楽は「体験する」ものだと思うからです。
そして、レコードで聴く場合、その体験はお店でレコードを選ぶところから始まっています。
特別なレコードに出会っても出会わなくても、ここにきた時点でもう始まっているのかもしれません。

そんなことを考えていたら、全ての棚の全てのレコードをチェックしたい、という衝動に駆られ、再び、没頭してしまいました…。
期待して来ましたが、期待以上に楽しい時間を過ごすことができたのでした。

元々は「PLAY GROUND」でした
今回、訪れた新しい芸術文化センターSKACは、訪れる人々がアート、デザイン、建築、音楽等と出会える場所であり、循環について考えさせられる学びの時間が流れ、そして、美味しいコーヒーをいただける楽しい遊び場でもあったのでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
追記「note編集部の「今日の注目記事」」に選ばれ、コングラボードもいただきました!
お読みくださった皆様、ありがとうございました😊



