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干して、漬けて。初めてのたくあん作り

えっ、これ、おいしい……。
お正月に訪問先で食べたたくあん。
聞けば、手作りで簡単にできるというのです。

作りたい。
そう思ったのは、今回が初めてです。

料理は好きだけど上手ではなく、凝ったものは腰が引けてしまう。
私の中で、たくあんは凝った料理、というイメージがあったからです。


たくあん作りは……きつそう


私にとってのたくあんは、母の手作りが始まりでした。
ぬかで漬けて、あめ色で、大根1本が「の」の字に曲がるような。
輪切りしたら人差し指と親指で輪っかを作ったくらいの大きさの、そんな昔ながらのたくあんです。

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大体こんな感じ
もっと水分がなかったような

子供の頃、母が自宅の裏手で、干したり、漬けたり、様子を見に行ったりしていた光景は、今でも鮮明に覚えています。
何週間もかかっていて、「なんだか、たいへんそうだな……」という印象が記憶が刻まれています。
そのイメージのせいか、たくあんは作りたいものではなかったのです。


簡単でおいしい、だけでなく


訪問先でたくあんの作り方を聞いたら、栗原はるみさんのレシピに柚子を加えたもので、数日間でできるというのです。
探してみたら、すぐに見つかりました。

ちょうどおせちで使った柚子が残っていたので、いかし方を探していたところでした。
そして何よりも、レシピに掲載されている、干している大根の画像が美しくて……。

私も大根つるしてみたい。

これが、大きなきっかけになりました。


つるして干して


干す期間は、「3日ほど」でしたが、正解がわかりません。
そこで、あらゆるレシピを調べて、重さが約25%減る程度が一つの目安、という結論にいたりました。

タコ糸を使用
結び方は適当
もっと太い紐のほうがいいかもしれない

干す環境は、「風通しのいい所」ですが、それに加えて「日当たりのいい所」をすすめているレシピもあって、要は、乾燥させやすい状態にすればいいのだ、と考えました。
晴れている昼間はベランダにつるし、雨の日や夜は室内に取り込んで、屋外と室内を行ったり来たりしました。

ところが大根は、こちらの期待をよそに、なかなか見た目の変化を表してくれませんでした。

ダイエット中の女子じゃないんだから。

大根を移動させるたびに重さを測っていたら、夫にそう言われました。
だって、気になってしょうがないんです。
ずっと観察していると、だんだん愛着が湧いてくるのです。

3日を過ぎたあたりから、急に乾燥が加速してきたようでした。
さわると表面がしなびてきたのがわかります。

結局、目標の重さになるまで、7日かかりました。

7日目
写真で比べるとだいぶ痩せた
タコ糸にも余裕が
全体像
移動させやすいように
上の部分はハンガーで
タコ糸の跡がくっきり
重さがかかり食い込んでしまった


少し変えて漬けてみた


干している間に、たくあんには様々な作り方、味付けがあることを学んでいました。

栗原さんのレシピでは漬ける調味液には砂糖を使います。

でも思い出したのです。
母のたくあんは塩分のみで甘さを感じないものだったことを。
市販のたくあんを初めて食べた時の「甘いたくあんもあるの!? 」という衝撃は、今でも忘れることができません。
それくらい、私の中では甘くないのがベースなのです。
だから砂糖なしのものも作ってみたくなりました。

そこで、大根を縦半分に切り、2種類の味付けで漬けることにしました。

🟡🟡🟡たくあんレシピ🟡🟡🟡

大根:1,175gの大根を、干して874gにしたもの

🟡砂糖入りのたくあん(栗原はるみさんレシピに準じています)
大根 半分
調味液:
 砂糖 40g
 塩 15g
 お酢 大さじ1
 柚子の皮 4分の1個分

🟡砂糖なしのたくあん(ちょっとだけみりんを入れることに)
大根 半分
調味液:
 塩 小さじ2
 みりん 大さじ1
 お酢 大さじ2
 柚子の皮 4分の1個分

ここで、思わぬトラブルが発生しました。

大根が入るサイズのジッパー付き保存袋を、切らしていたのです。
調味液に漬けるために必要だったのに、大根に包丁を入れてから、その事実に気づきました。

仕方なく、普通のポリ袋で代用することに。
ところが、揉み込んでいるうちに、大根の角で袋が裂けてしまい……。

砂糖入りはてんさい糖を使用
茶色いからどちらが砂糖入りかがわかりやすい
調味液が少し漏れている……

ポリ袋を二重にして、なんとかその場をしのぎました。

準備不足には我ながら驚きましたが、結果的にはこれで問題なし。
なんとかなったので、よしとすることにしました。

ポリ袋を二重にして


味見して知った砂糖の効果


漬けてから2、3日後から食べられますが、待ちきれず、24時間経ったところで、味見しました。

どちらのたくあんも、すでにしっかり味がついていました。
縦半分に切ったため、切り口の面積が増え、味が浸透しやすくなったのかもしれません。

それよりも驚いたのは、砂糖入りのたくあんの方は、塩味が強く甘さが全く感じられなかったのです。

砂糖は塩辛さを和らげる抑制効果があると思っていたので、不思議に思い調べてみました。

すると、塩だけでなく砂糖も、食材から水分を抜く「浸透圧」を生み出すそうで、両方が大量に入っているこの液は、非常に浸透圧が高い状態にあるとわかりました。
つまり、砂糖入りたくあんの方は、大根から急速に水分が抜けたことで味が凝縮。
加えて、砂糖が酸味を消してしまったため、相対的に塩味が主役になり強く感じられたようです。

もう一つ「味の浸透速度の違い」という点があって、塩と砂糖では分子の大きさが違うため、分子が小さい塩は、素早く大根の中に入り込むのに対して、分子が大きい砂糖は浸透するまでに時間がかかるそうです。

実際、その半日後には、甘みとのバランスが整った味へと変化していました。

料理をする人にとっては常識なのかもしれませんが、このような「魔法のような味の変化」を感じられたことは興味深い体験でした。


ようやく実食


上が砂糖入りのたくあん
下が砂糖なしのたくあん


漬けてから2日後、いずれのたくあんも味が落ちついていました。

砂糖入りのたくあんは、最初は塩味が立ち、後から甘味が広がるという絶妙な味わいを見せ、ポリポリとした食感に仕上がりました。

一方、砂糖なしのたくあんは、あっさりとした塩味と酸味に、柚子の香りが添えられ、みずみずしさの残る、やさしい味わいになりました。

どちらもそれぞれ、おいしかったですが、砂糖入りの方が味の深みを感じました。

冷蔵庫で約1~2カ月保存が可能だそうですが、砂糖なしのたくあんの方はもっと短いかもしれません。
いずれも早めに食べたいと思い、漬物以外でも楽しんでいます。


たくあん炒飯
材料はごはん、豚バラ、卵、ネギ、たくあん、ひまわりの種
味付けは、豚バラに軽く塩と胡椒、最後にお醤油を香り付け程度に回しかけ


たくあん納豆
材料は納豆、ネギ、たくあん。味付けは付属のタレ半分


たくあんは全体の調味料でもあり、具材の一つにもなりますね。

もし味が濃くなりすぎても、それは失敗にはならず「最高においしい調味料」に進化したととらえることができるので、そんなところも魅力です。


たくあん作りは……


たくあん作りは干しても、漬けても、楽しい
食べても、楽しい

また作ります。

いつか母の味も再現したいです。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。



追記:「今日の注目記事」に選ばれました。
note編集部さん、ありがとうございます😊
お読みくださった皆様、ありがとうございました🙇🏻‍♀️



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