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インプレッションは過去最高。なのに問い合わせは3分の1になった、ある企業の話

先日、以前担当していた企業のスタッフから連絡がありました。

「最近、インスタの反応があまり良くなくて… kiyonoさんならこの状況、どう見ますか?」

そう言われて久しぶりに見にいったそのアカウントには、AIを使った画像が投稿されていました。
色味も整っていて、写真も綺麗です。

でも正直な感想を言うと
「当たり障りのない、あまり魅力を感じない投稿が続いているな… 」
「視認性も良くないな…」
という印象でした。


過去最高の数字の裏側

口頭でざっくり数字を聞いていくと、腑に落ちました。

インプレッション数(表示回数)は過去最高。前年平均と比べても約180%もの伸び率です。
ここだけ見ると、順調そうに感じます。
(ただ、広告のimpが含まれている可能性は大きいと思いました)

でも、プロフィールへのアクセス数は私が運用していた頃の年間平均と比べると、3分の1程度まで落ちていました。
保存数もいいね数も3分の1ほど。
ホーム率も同様に落ち込んでいます。

見られている数はこれまででいちばん多いのに、見た人が次の行動(プロフィールを見る・保存する)に進む割合は、明らかに下がっていたのです。


「認知に振った」わけではなかった

数字だけ見ると、
「認知重視の運用にシフトしたのかな?」と思いたくなります。
でも実際に投稿したものを見ていくと、そうではないとわかりました。

投稿の内容に、意図や狙いを感じられないのです。
テーマも切り口も、なんとなく無難なところに落ち着いていて、「誰に・何を伝えたくてこの投稿を作ったのか」が見えてきませんでした。

新入社員の担当者がAIを使って精一杯の投稿をした…
そんなふうに感じました。

これまで700人以上の個人事業主・経営者さんの発信を見てきましたが、こういうとき原因はだいたい同じです。
担当者の目的がズレている…「投稿すること」自体が目的になってしまっているのです。

AIを使えば、綺麗な画像も整った文章も、誰でも作れます。
でも「この投稿で何を狙うか」を決めるのは、AIではなく人です。
そこが空白のまま投稿を続けると、見た目は整っていても中身のない発信になってしまいます。


数字が伸びていても、安心できない理由

SNS運用では、インプレッションやフォロワー数のような「見えやすい数字」だけを追いかけてしまう、という傾向があります。
実際は、その先にある「プロフィールに来てくれたか」「保存してもらえたか」「問い合わせにつながったか」という数字のほうが、事業にとってはずっと重要です。

投稿の量を保ちながら、見た目もAIで整えられるようになった今だからこそ、この落とし穴にはまりやすくなっている、とも感じています。
「投稿はできている」という安心感が、逆に「何のための投稿か」を考える機会を奪ってしまうことがあります。

つまり、数字が伸びているかどうかより先に確認すべきなのは、
「この投稿は、見た人にどう動いてほしくて作ったのか」を、投稿するたびに一言で言えるかどうかです。
言えないまま数を重ねても、届く人数は増えても、動いてくれる人は増えません。
(※動いてくれる人=いいね・保存をする。プロフィールを見に行ってフォローする・リンクボタンを押す、といったアクションを起こしてくれる人)


投稿する前に、問いかけてみたいこと

もし「投稿は続けているのに、反応が落ちてきた気がする」と感じているなら、次の投稿を作る前に、この3つを自分に問いかけてみてください。

① この投稿を見た人に、何をしてほしいか
プロフィールを見てほしいのか、保存してほしいのか、共感してほしいのか。1つに絞れているか確認する。

② その狙いは、投稿のどこに表れているか
冒頭の一言、最後の一文、画像の中の文字。
狙いを実現するための工夫が、実際に入っているか見直す。

③ インプレッション以外の数字を、直近3ヶ月分見比べてみる
プロフィールアクセス数・保存数・問い合わせ数が、投稿数や見られた数に対して増えているか、減っているかを確認する。

3つとも即答できないなら、それは投稿する手が止まっているサインではなく、「何のために投稿するか」を言葉にする手前で止まっているサインです。


評価されているかはわからない。それでも

私は当時この会社で「会社が伝えたいこと」より「その媒体でお客様が知りたいこと」を優先する、という考え方で各媒体のコンテンツを設計していました。

今回「数字」という客観的事実を教えてもらったことで、
「少なくとも私がディレクションしていたときは、価値のある運用ができていた」と理解することができました。
誰かに評価されるかどうかとは別に、自分がやっていたことの意味を、あとから自分の目で確認できた。
それだけでも今回、相談してもらえてよかったと思います。
せっかくご縁があった会社ですので、運用意図・目的までも引き継いでいただけるのがいちばん嬉しくはありますが…

AIは投稿を作る手間を減らしてくれます。
でも、その投稿に意味を持たせるのは、これからも人の役目のままだと感じています。
「投稿で何を狙うか」を決めるのは、AIではなく人。
忘れないでいて欲しいです。

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