🌙階段から落ちる遊び
長女が驚くような告白をしてきた。
小さい時、スローモーション実験をしていたのだ。
どういうことかというと、4歳ぐらいのころ、階段の10段目ほどから、でんぐり返しをしてゴロンゴロンしていたというのだ。
「初めて階段から落ちてしまった時に、転がり落ちている時に頭の中が真っ白になって、とても長い時間を感じた。周りが白い景色に変わり耳鳴りがした。その感覚をもう一度味わいたくて、何度も同じことをしてみた。」
おい????!!!!
そんなこと、母である私は知らない。
どうやら、私が洗濯物を干しに庭に出ている時とか、料理にいそしんでいる時なんかに、一人で嗜んでいたようだ・・・一瞬娘を叱りそうになってしまった(・_・; 過去の話なのに。
「ちなみに、当時ママに怒られることを想像はしていなかった。ただ、心配されるかなと思って、ママの目を盗んで階段から落ちてた。」
自分が痛い思いやケガする危険を思いつかなかったの?
そもそも怖くないのね?
「私って最初に何も考えないタイプだから、やってみよー!よーし!って言うノリだった。階段から落ちてケガするっていうことは考えていなかった。一週間ぐらいのうちに、何回もわざと階段でんぐり返しをしていたんだよ。」
最初何も考えないタイプ……
いや四歳だから、想像力がまだ低かったのだろう。でも、三歳ごろ初めて階段から落ちた時、長女は痛いと言って泣いていたのに。そういう恐怖の記憶は残っていなかったのだろうか。恐怖よりスローモーションへの好奇心が打ち勝つの??
そして、娘曰く、家の中で何度も何度も階段を転げ落ちていた時、予想通り、毎回頭の中は真っ白になって、時間は長くスローで、現実の世の中とは違う感覚になっていたそうだ。
毎回それを味わうのが楽しかったと長女は話すのだけれど、何その遊び……
それに、そういう感覚って、慣れてしまったら、消え失せてしまうのではないだろうか?階段から落ちることに慣れてしまえば、特別な時間間隔を体験することもないのでは?と母は疑問に思う。毎回体験できたの?
そして、ふとこう思った。
アスリート、特に体操選手やフィギュア、スキー、スノボの選手は、競技中だけ時間の流れが特別に長くなるのだろうか。
自分で「スローモーションON」のスイッチを作り出して、体感の微調整などができているのだろうか…
♢
長女は、胎内の記憶がある。胎内は真っ暗ではなかったのだ。
「オレンジ色で、狭くて、ぼよんぼよんしていて、暑苦しかった。
声が聞こえた。教会でみんなが歌っている歌も聞こえた。
音はすべてハウリングしていた。
そして、とにかく暇だったから、壁を蹴っていた。
おなかの中が、人生の中で最大限に暇。
壁を蹴りながら『ここが破れてほしい』みたいな感覚があった。
つまらなくてずっとイライラしていた。
つまらなくてイライラする感覚は、今と同じ感覚だ。」
と言っている。
はぁ、生意気ちゃんは、胎児のときからだったのね。人の話を聞かないというか、猪突猛進というか…
とにかく、階段から落ちて、けがをしなくて本当によかった。
さすがに、もう9歳だから、今は階段で落ちる遊びは当然しない。
そして、次女が今四歳。次女の行動が心配になった。
『イースター』3首連作
ダンゴムシ落ちる姿を真似いる幼児
家の階段十段目
スローモーション癖になりしと娘言う
聞く母衝撃直立不動
足元にヒビいる卵イースター
無事に今日までダンゴムシよ
🌙
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