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運命の合流②|時代ト常民――柳田国男の生涯_029

要約

明治末期、疲弊する農村を救うべく新渡戸稲造と柳田国男が結集し、政策研究会「郷土会」を発足させました。二人は各地の風俗や伝承を科学的に分析し、国家の基盤としての「郷土」を再定義しようと試みます。さらに柳田は、折口信夫とも邂逅。二つの知性が交差したときの熱き胎動を描きます。

新渡戸稲造の登場

日露戦争という大勝負に勝ち、列強の末席に座ったものの、その代償として地方の農村は極度に疲弊した。政府は「地方改良運動」と銘打ち、上からの規律で村々を立て直そうと躍起になっていた。

当時の第二次桂太郎内閣にとって、最大の恐怖は海の向こうのロシアで産声を上げた共産主義であった。「社会」という言葉を口にすることすら、危険思想の持ち主と疑われかねない不穏な空気がにじんでいた。官僚たちは代わりに、あえて古めかしい「地方」や「郷土」という言葉を使い、国家の屋台骨である農村の再建を模索していた。

こうした時代の機運に、一人の国際人が鋭く反応した。新渡戸稲造である。

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